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実際にあった相続未登記案件#2

不動産売買仲介のドキュメンタリーです。

前回の記事からお読みください。

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実際にあった相続未登記案件#1(印鑑証明書奪還大作戦)

ちゃんともどってきてね。


さて、次なる難関に立ち向かいます。


◆問題2. 80代夫婦と50代の無職息子の退去と生活保護受給


無事に行方不明者の叔父と連絡が取れて反社組織(もう決めつけている)の目をかいくぐりながらの遺産分割協議書が完成。

これでどうにか一歩進める。。。

ところが売却までの道のりはまだ遠い・・・

山はまだ一つしかこえていない。。。

大きな問題が解決したことで次なる困難に挑戦。。。
山は高いほどいい。困難は多いほどいいといいますしね。
(山も困難も無い世界で仲介したいです・・・)


まず土地を売るためには建物を解体する必要があります。

建物の解体には入居者に退去してもらわないといけない。
入居者は80代夫婦と50代の障害をもつ無職息子。。。。
※障害と言っても通常の会話などは問題なし。運動機能に若干の難あり

しかも夫婦も息子も無職。。。

(このご家族が賃料を滞納してくれていたら法的にも退去させやすくなるんだけどな~。。チ、律義に毎月定期的にBに賃料を支払っていやがる。)

ま、退去のお願いは何度もやってるしある程度のノウハウも持っている。
円満に退去してもらうようにいっちょ土下座しようかな♪


まずは真正面から退去の懇願をするという戦法。
無職にも関わらず留守がちなご家族。。。

ご近所さんに聞いてもいつもどこに行っているか分からない。
近所の人と交流が無い、、、不思議なご家族という事だけは分かった。



夜討ち朝駆けを繰り返しようやく初めてのご対面。

ようやく会えた。。。前歯が一本しかないおばあちゃん。
前歯が全くないおじいちゃん。
目がバッキバキに赤くなっている息子・・・

みんなして玄関先で咥えタバコで同時に話しかけてくる。
タバコの臭さと同時通話がめまいを呼び起こす・・・

おばあちゃん「あんたいくつね?どこのひと?」
おじいちゃん「△×○('%$(%」
息子「いいよな〜俺もあんたくらい若ければなんでもできるのに」

ほぼ本題に関係のない話を聞かされる。。。。
何度も何度も話が脱線しながらようやく本題に突入。

・・・恐れおののきながらも慎重に退去のお願いをしてみる。。。


するとあっさりと退去はしてもいいという回答。
理由は建物の老朽化が激しいので少し困っていたとのこと。。。
雨漏りあり。シロアリあり。風呂なし。一部窓なし。屋根のトタンも錆びてボロボロ。ネズミとゴキブリと同棲生活・・・
すでに補修してどうにかなるような状態ではなくなっているような物件。。ご近所の子供達には「廃墟」と呼ばれている物件でした。。。


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沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!