レジーの「はじめてのほんづくり」②企画書って何 #夏フェス革命

※12月11日発売 画像のリンクから予約受付中です

(前回のあらすじ)何となく本を書くことを考えてみますか、という流れになった。

じゃあまずは企画を練ってみようかと。「フェスが日本の音楽を変えた」みたいなざっくりした仮説を本という形でどう組み立てていくか…あと、この話をする中で「渋谷陽一」というようなキーワードもあった。『誰が音楽をタダにした?』のダグ・モリスを渋谷陽一に見立てて、といった感じだったと思う。

フェスの話は自分のブログなどで延々やってきていたので過去エントリなどをいろいろ読みつつ、あとは以前「本の企画はまず目次を作ると良い」という話を聞いたこともあり、章立てを固めるところから始めた。

この過程で自分の中から出てきたキーワードが「フェス上位時代」というものだった。で、その時代を作ったのがロックインジャパンであり、その後ろにいるのがロッキングオンと渋谷陽一…というような話。最初の企画書にはこんな文章が書かれている。

<ボツ案①>
『フェス上位時代のJポップ』
ロックインジャパンがスタートした2000年から今に至るまでの流れ
パッケージ販売が停滞し音楽産業が縮小する中で、右肩上がりで拡大を続けたのがコンサート市場であり、それを牽引したのがロックフェス←どういう根拠でこれを言う?
その過程の中で、日本のロック/ポップスのあり方は大きく変容した
その背後、もしくは周辺にある因果関係を整理し、変化を引き起こした「黒幕」の思惑と今後のJポップのあり方を考える

わりと渋谷陽一押しで、この時はインタビューとかできないかなーとも考えていた。インタビューということに関しては昨年出た柴さんの本『ヒットの崩壊』も頭にあったので、いろんな人の話を聞く構成の方がいいのかなというのもあり、この時点の企画書には何人かのミュージシャンの名前もあった。

と、今から考えるとこんなふうにまとめられるが、当時は「フェスに関連しそうなネタをとりあえず並べる」というような思考回路だったようにも思う。改めてこの時の章立て案を見ると、本の流れみたいなものがわかりづらい。

その企画書を作ったのがゴールデンウィークくらい。それをもとに最初の打ち合わせをしたのが5月の半ば。この時はもう少しぱきっとしたテーマが見えるといいですねという感じで一旦こちらで持ち帰ることになった。

この打ち合わせを経て企画の微調整を行い、晴れて本の骨組みが完成した…となればよかったのですが、そう簡単にはいかないんですね。次回はさらに混迷を深める企画づくりについてやります。

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