レジーの「はじめてのほんづくり」⑩本は見た目が○割 #夏フェス革命

※12月11日発売 画像のリンクから予約受付中です

(前回のあらすじ)図表を作ったり資料を整理したりした。

本文、図表と中身はだいぶ固まってきた。本格的に「固める」にあたっては最後にしんどい校正作業があるわけですが、ここでは本を「商品」にするにあたっての作業について。

当たり前だが、本には表紙があってタイトルがある。なので表紙のデザインもタイトルも誰かが決めないといけない。この2つが大事だということは出版に関して素人の自分でももちろんわかるが、どういうものがいいかというところについてはなかなか具体的なイメージが持てなかった。

タイトルに関しては一度打ち合わせもしてこちらでもいくつかアイデアを出してみたものの、どうにもピンとこなかった。最終的に決まった『夏フェス革命 -音楽が変わる、社会が変わる-』は編集サイドからの案。最初は『革命のファンファーレ』『モチベーション革命』とのかぶりもありこれで大丈夫だろうかという感じもなかったわけではないが、言葉としてのキャッチーさは間違いなくあるなと思っている。後付けで「フェスが中から変わっていく=参加者の“革命”」という側面もあるなと思った。ロッキングオンについていろいろ書いている本のタイトルが「革命」というのも微妙にアイロニカルな構造かも。
表紙に関してはそのタイトルをがつっとあしらったものになった。テイストとしてはビジネス書っぽい見え方になればいいなと思っていたところ、まさにという感じのデザインだなと。ああいうテキスト主体のデザインは気をつけないとパワポで文字を貼り付けただけみたいになりがちだけど、微妙なバランスでそうはなっていないのがプロの仕事だなという感じである。

書店でアイキャッチになる要素として重要なのが本の帯。これについては早い段階から○○さんに書いてもらいたい、というのが自分と編集サイドの一致した見解だった(発売日までオープンにしない、ということらしいので伏字にしておきます。ちなみに○の数と字数は関係ないです)。単純なネームバリューはもちろんあるが、それ以上に「音楽」と「社会」の関係、もしくは「音楽という娯楽は今後もビジネス足りうるものなのか」というようなことを深く考えているミュージシャンということであればやはりこの人だろう、という感じだった。快く引き受けていただき、かつかなりパンチのあるコメントをいただけたことは本当に嬉しく思っている。考えてみれば編集の人以外での最初の読者が○○さんだったわけで、そのタイミングで本の内容を言い当てるかのようなことをスパッと言っていただけたのは嬉しかったのと同時に自信にもなった。

あと帯のデザインについても個人的にはなかなか思いつかなかったであろう色のものが出てきた。白×白。なかなか衝撃だった。実は別の色の案もあり、普通に考えればこっちですよねという話だったのだが、確かにこっちのが強さはある。こういう驚きは自分ひとりでやっていては体感できないものなので非常に刺激的だった。しかしビジュアルデザインができる人はうらやましいですね。

表紙や帯など華やかな感じの話をしましたが、最後の仕上げには究極的に地味な作業が待っていました。いよいよ本が完成に近づいていく中での山場について次回はやります。

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