レジーの「はじめてのほんづくり」⑥ファクト集めの方法 #夏フェス革命

※12月11日発売 画像のリンクから予約受付中です

(前回のあらすじ)さあ書こう、という感じになった。

企画が固まったのが6月半ば。この前後から、書くにあたって持っておきたいファクトを探し始めた。ネットで検索すれば出てくるものは都度見つけつつ、それ以上の情報をちゃんと盛り込みたいなと考えていた。
ググって出てこないものの筆頭が「ウェブ展開が当たり前になる前の時代の雑誌記事」。書籍は古いものでもアマゾンで買えるので、ある意味ウェブで何とかなる。でも古い雑誌は全てそろっているというわけではない。ただ、今回はフェスが変わっていく様を明らかにする上で、その瞬間瞬間を切り取っているメディアとして雑誌の掘り下げは必ずやりたいと思っていた。

というわけで、企画が固まるくらいのタイミングで向かったのが国会図書館。ちょうどチャットモンチーのEXシアター公演の前、昼ごろから行った。あまりにも久しぶりに行ったので再度利用登録を行い、データベースを叩く。ここで使ったのは雑誌をたくさん集めている大宅壮一文庫のデータベース。「大宅データベースで調べて国会図書館で引き出すのが効率よいやり方」というのを過去にネット記事で見た記憶があったので、これを実際にやってみた。

「夏フェス」と検索するとたくさんの雑誌記事を拾ってくれるこのデータベース最高(この一覧を眺めるだけでもいろんな流れがわかる)、大宅さんありがとうと思いながら作業していったが、国会図書館そのものが久しぶりだったので「資料の取り寄せ→コピー依頼」の流れを効率よく回せず、その日は時間切れ。後日もう一度行って、もってこれなかった資料を拾った。

章立てを固めていたこともあって、必要な資料(仮説をサポートする材料、仮説を修正するための材料)はすぐに選別できた。やはり何事も仮説を持ってリサーチに当たることが重要である。基本的にはこの2回の国会図書館訪問で、雑誌周りでベーシックに必要な資料は大体そろった。

その他雑誌関係で言うと、キーになるロックインジャパンについては初回から特集号をキープしていたのでそれを使いつつ、最近熱が冷めて買ってなかったものはアマゾンで買い足し。昔からとってあった雑誌が初めて実用面で役に立った。あとブックオフなどの古書店で古いJAPANなどもいろいろ買った(下北沢の音楽雑誌がずらっと並んでる古本屋は重宝した)。この辺の作業は書籍作り関係なく、単純に楽しかった。

参考文献類はこの本がとかそういうのじゃなくて普通に読んで面白いものも多かったので、この先適宜紹介していきたい。

ざらっとファクトもあたり、あとはこれをどう料理していくか。随時足りない材料も補いながら、フルコースを作っていく…というのが、この6月半ばごろから10月までひたすら続いていくわけです。次回はその「書く」ということについて触れたいと思います。

もし面白いと思っていただけたらよろしくお願いします。アウトプットの質向上のための書籍購入などに充てます。