レジーの「はじめてのほんづくり」⑤企画書に一本芯を通す #夏フェス革命

※12月11日発売 画像のリンクから予約受付中です

(前回のあらすじ)企画の大枠が決まった。

大枠が決まってこれをもとに細かな章立てを組み立てよう、というところでもらったフィードバックが「いかにフックを作るか」という話だった。『誰が音楽をタダにした?』で言えば、「誰ってこの3人です!」というような部分。

ドラマチックなストーリーテリングで進む話ではなく、あくまでも理性的な組み立てに寄ってきている中で「フック」というのはなかなか難しかったが、一旦立脚したのが「フェスを変えたのは参加者だ」という話だった。参加者側の能動的なアクションをフェス運営側が取り込んでいくことで、フェスの形は変容していく。ロッキングオンはそのサイクルを非常にスムーズに回しているし、こういうサイクルをきちっと作れている産業は実はあまりないのでは?という仮説と最近ビジネスの話でよく出てくる「共創」という概念を結びつけて、理論モデル(というと大げさですがまあそんなようなもの)を構築した。これについては、前回の企画書の中にあった「ユーザーによる共創」という考え方がキーになっているのでは?そしてそれはいろんなフェスが掲げる「参加者が主役」的なテーゼとつながっているのでは?という編集サイドからいただいた示唆が大きく影響している。

正直なところ、これが「フック」として機能するものになっているかは今時点でもまだわからない。ただこういうのはスパッと言い切ることも大事だろう、という知人からのアドバイスもあり、この考え方をひとつの柱にしたうえでそれぞれの章の構成・書くべきコンテンツを整理していった。正解か不正解かは誰もわからないが、ひとつ拠って立つものが決まると物事は一気に進んでいく。6月の半ばくらいには本を書き進めていくにあたっての大まかな羅針盤が出来上がった。最初の打ち合わせから1ヵ月半。時間がかかったのかスムーズなのかは初めてなのでよくわからないが、自分的にはこれが精一杯だったと思う。

このあたりから本文を少しずつ書き始め、あとは上記モデルを適宜アップデートしていくという作業に突入する。ただ、当然自分が今持っているだけの知識や妄想、思い込みだけで論を固めていくのはなかなか難しい。章立てはあくまでも「現時点での仮説」にすぎないので、書いていく中でブラッシュアップが必要である。で、ブラッシュアップするために必要なのは当然ファクトになる。次回はそのファクトをどうやって集めていくか、という話をします。

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