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-明日の臨床に役立つ-肩甲上神経障害の評価

皆さんおはようございます。桑原です。

Instagram→@kei_6918

今回の記事で学べることですが

肩関節後方に痛みのある患者さんを担当したがどう評価していいかわからない。
棘上筋や棘下筋の萎縮・筋力低下がある患者さんに遭遇したがどう評価していいかわからない。

↑こういった方にオススメです↑


皆さん臨床で肩関節後方の痛みや重怠さを訴えたり、棘上筋や棘下筋の萎縮がある患者さんに出会ったことはあるでしょうか?

こういった場合、肩甲上神経障害も一つ視野に入れながら評価を行うことが大切です。

ここで肩甲上神経ってどんな走行だったっけという方のために基礎の復習から入ります。


1)肩甲上神経の基礎

肩甲上神経は腕神経叢c5~6からなり棘上筋と棘下筋を支配します。

感覚枝は肩関節後面上方から後面中央を支配しています。

走行は肩甲切痕を通過して2つの枝に分岐します。

棘上窩へ走行し棘上筋を支配する枝と棘下切痕を通過して棘下窩へ走行し棘下筋を支配する枝です。

この肩甲切痕と棘下切痕が絞扼ポイントとして臨床上重要になります。

肩甲切痕で絞扼されると絞扼性神経障害の症状はそれ以下で起こるので棘上筋と棘下筋の両方に痛み・重怠さ・脱力感・痺れ・感覚異常・萎縮・筋力低下などのの症状が起こります。

棘下切痕で絞扼されると棘下筋のみにこれらの症状がでます。


大切なのでもう一度いいます。

肩甲切痕での絞扼→棘上筋と棘下筋の両方に症状がでる
棘下切痕での絞扼→棘下筋のみに症状がでる



2)肩甲上神経の評価

ではどう評価していけば良いかですが、肩関節後面の症状は腋窩神経の関与もあるので(特に後面中央から下部にかけて)

QLSでの圧痛や小円筋・三角筋に筋力低下が起こっていないか?などの評価も大切です。

詳しくは→こちらの記事で

そして頚椎由来の可能性あるのでspurling testやjackson testは行い頸部疾患を除外します。

腋窩神経由来・頚部疾患のものが除外できたら、肩甲上神経がどのレベルで障害されてるいるかが問題です。

評価の内容として

疼痛範囲の確認
萎縮の有無
肩甲骨アライメント
筋力低下の有無(棘上筋・棘下筋)

これらの症状が両方に出ているのか或は棘下筋のみなのかを評価します。

萎縮などは触診した際にべっこり凹んでいる患者さんもいるのでかなり大切所見です。

また肩甲骨アライメントも「下方回旋・前傾・外転」などの典型的なマルアライメントを呈していたりすると肩甲上神経は伸長ストレスを受けているとも解釈できます。

肩甲骨下方回旋→前額面で見た時に肩甲上神経が伸長される。
肩甲骨外転→水平面で見た時に肩甲上神経が伸長される。

一つの例ですが、肩関節上部組織の炎症で、上部組織の伸長ストレスを減らそうと肩甲骨下方回旋させ相対的に外転位の疼痛回肢位をとった結果、小胸筋や前鋸筋上部などの影響で前傾や外転など起こり肩甲上神経が伸長される肢位になるというのも実際起こります。

この際症状が複雑になるので、先ほどのように細かい評価をしないと原因が見えてこない場合もあります。

筋力検査も下垂位外旋だと棘下筋の影響で顕著に左右左がでますが、屈曲90
°や外転90°などの外旋では小円筋の方が比較的働くので左右左はそこまで出ないのも特徴です。左右左のみではなく肢位も変えて評価すると大体の検討がついてきます。


治療に関してですが

肩甲骨・胸椎アライメントの是正
絞扼ポイントの柔軟性
肩甲上神経の段階的な伸長による絞扼ポイントでの滑走性をだす

基本的にはこんな感じになります。

詳しくはまたの機会に〜

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