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股関節の可動域について深掘る!! -屈曲制限編-

こんにちは,リハ研です!
股関節の可動域制限ってなんか理解しにくくないですか?

球関節なので中々イメージもつきずらく,
他の関節に比べると考えなきゃいけないことがたくさんあります!

そこで今回は皆さんにわかりやすく股関節について紹介していきたいと思います!
今回はまず股関節屈曲制限について紹介します!

1,股関節の機能解剖について
股関節は球関節に分類されるので、屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋といって3軸の動きをします!

実際に股関節はこの動きが複合して動きます!

具体的には、
屈曲+外転+外旋 伸展+内転+内旋

単純に屈曲・伸展などといった1軸だけの動きというのは構造上ありえない動きなので,ROMexや筋力exを行う際はこの動きを意識しておこなうべきです!

この3軸の動きを実現しているのが「前捻角」と「頚体角」です。

前捻角は,大腿骨の頚部が成人では約12~15°前方に捻れているというものです!
頚体角は,大腿骨頚部と骨幹部がなす角度のことで,成人では約125~135°の角度があります!

この前捻角と頚体角があることで,股関節の3軸を伴った動きが実現されています!

2,股関節可動域制限の原因


ー屈曲可動域の制限についてー

1,筋肉による可動域制限
①大臀筋、中臀筋の柔軟性低下
股関節屈曲運動に伴って,臀筋群は伸張されるので,十分な柔軟性が必要となります!
股関節の屈曲時,大腿骨は臼蓋に対して後方に滑り,臀筋群など後方の筋群の柔軟性がないと十分に後方に滑ることができず,臼蓋の前方でインピンジメントを起こしてしまい痛みの原因となる可能性があります!
さらに,腹斜筋群や胸腰筋膜を介して対側の広背筋とも連結していますので,腰部や対側の上肢からの影響で臀筋群が硬くなり,屈曲制限を起こすことも考えられます!

②ハムストリングスの柔軟性低下
 ハムストリングスは膝関節の屈曲と股関節の伸展にも作用するため,柔軟性の低下により屈曲制限因子となります!
浅層にある大臀筋,隣接する外側広筋,大内転筋と癒着を起こしやすく,癒着することでハムストリングスや臀筋群単体の柔軟性の問題ではなく,筋同士が滑らないことによる制限が引き起こされます!
さらに,ハムストリングスは大腿二頭筋と腓腹筋外側頭,半腱・半膜様筋と腓腹筋外側頭間でも癒着が起こりやすく,下腿からハムストリングスを介して屈曲制限を起こしている場合もあります!

③梨状筋の柔軟性低下
梨状筋は股関節におけるインナーマッスルの一つであり,臀筋群の深層に位置しています.
梨状筋は仙骨の前面から大腿骨頭のちょうど中央辺りを通って大腿骨大転子上縁に付着しており,直接的に大腿骨頭の後方への滑りを阻害する可能性が考えられます!
この筋が正常に機能することで,臼蓋に対して大腿骨頭が求心位を保つことができるので,関節適合性が良好に保たれます.
逆に機能不全を起こすと,関節適合性が不良となり,臀筋群で股関節の安定性を得ようとします.
結果的に,臀筋群が過剰に収縮し,筋緊張が高くなり制限になります.

④腸腰筋の機能不全
梨状筋と同様に関節の適合性を高めているため,腸腰筋による股関節の適合性が得られない場合,臀筋群や大腿四頭筋などのアウターマッスルで固めて適合性を得ようとするため制限因子となります.

ハムストリングスと癒着を起こしやすい大内転筋とディープフロントライン(DFL)上で連結しており,ハムストリングス-大内転筋由来の腸腰筋の硬さが屈曲制限を起こすこともありますし,逆もまた然りです.

2,骨の要素
①腰椎・骨盤の可動性低下
「股関節屈曲-骨盤後傾-腰椎後弯」といった関係性があるため,骨盤前傾で固まっていると,後傾が十分にでないので股関節屈曲も制限されます.
腰椎も伸展位で固まっていると,股関節屈曲,骨盤後傾に伴って腰椎が後弯できないので股関節の屈曲にも制限が出ます.

骨盤後傾の制限因子としては,腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋,中臀筋前部線維・縫工筋などの短縮・過緊張があります.
腰椎後弯の制限因子として,腸腰筋・脊柱起立筋などの短縮・過緊張があります.

・大腿骨の外転・外旋制限
股関節の屈曲において,股関節屈曲+外転+外旋が複合的に起こります.
大腿骨に焦点を当てると,大腿骨が内転,内旋方向へ制限されていると屈曲の制限因子となります.
具体的には、長内転筋・大内転筋・大腿筋膜張筋・腸腰筋などが制限因子として挙げられます.

今回は,股関節屈曲制限について紹介しました.
臨床で悩んでいる患者さんの屈曲制限改善してあげてください!

改善できたよ〜って方はコメントで教えてください!

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