永汐れい

1996年岩手県生まれ。短歌を書いています。

永汐れい

1996年岩手県生まれ。短歌を書いています。

マガジン

  • 【短歌】毎日歌壇 加藤治郎選

    毎日歌壇(加藤治郎選)掲載歌を含む記事をまとめました。

  • 【短歌】毎日歌壇 水原紫苑選

    毎日歌壇(水原紫苑選)掲載歌を含む記事をまとめました。

  • 【短歌】既発表歌まとめ一覧

  • 【短歌】東京歌壇 東直子選

    東京歌壇(東直子選)掲載歌を含む記事をまとめました。

  • 短歌雑談

    一首評とエッセイの記事です。不定期連載。毎回思い入れのある短歌を一首とりあげて、その短歌の自分なりの解釈や、短歌にまつわる思い出などを自由に書いています。

最近の記事

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見に行く前に桜の見ごろは終わっていた。見に行こうと思っていたのに。とぼんやり思ったけれど悲しくはならなかった。昼も夜も心身が重い。会いたい人はひとりもいない。愛する人とあたたかい場所で暮らしている人たちを眩しいと思う。素直に。短歌はこういう素直すぎる言葉では書けない(個人的には、の話。敢えて素直に書く時もある)。短歌を書く元気がない。本当は文章を書く元気もそれほどないけれど、書かなければ書かないほど書けなくなる気がしたから書いている。死ぬ方法と生きる方法を両方考えて、そのどち

    • 3月19日の新聞歌壇スペースについて

      こんにちは。永汐れいと申します。 本稿でお話ししたいことについては以下の目次をご覧ください。 以降、「記事」という言葉はこちらの記事のことを指します。未読の方で、もしご興味のある方がいらっしゃれば、ご一読いただければと思います。 スペースから日が経ち、この文章を公開するべきか随分悩みました。わたしの目的はスペースのホストの方を追い詰めることでは決してないのですが、この文章を公開すればおそらくそうならざるを得ないからです。このまま文章を公開せず、簡略的な声明のみをX上で出

      • 新聞歌壇の話をします

        こんにちは。永汐れいと申します。 新聞歌壇への投稿歴が2年を超え、昨年個人的にかなり思い入れのあった東京歌壇で年間賞を受賞することもできたので、ひとつの区切りとして、かつ新聞歌壇関連のことで悩んでおられる方々のお役に立てることを願って、新聞歌壇Q&Aというものを作成してみました。「Q」はすべてわたしが投稿をはじめたころに知りたかったこと・誰かに訊きたかったことを思い出しながら書いたものです。目次は以下の通りです(かなり長いので、必要な部分のみ読みたい方は、目次下部「すべて表

        • 既発表歌まとめ20(2024年1‐2月)

          パンクロックに思いいれがなくなって車が雨を轢くのをみてる 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2023.5.19 【投稿日】2023.11.14 【掲載日】2024.1.15 冬の月光におびえることのない白樺の眼は死後も閉じない 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2023.10.30 【投稿日】2023.11.21 【掲載日】2024.1.22 どんな火もひとの匂いをさせているうまれかわりの痣のかわりに 【初出】毎日歌壇 水原紫苑選 【作成日】2023.10.4

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        • 【短歌】毎日歌壇 加藤治郎選
          15本
        • 【短歌】毎日歌壇 水原紫苑選
          8本
        • 【短歌】既発表歌まとめ一覧
          19本
        • 【短歌】東京歌壇 東直子選
          10本
        • 短歌雑談
          0本
        • 【短歌】毎日歌壇 米川千嘉子選
          4本

        記事

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          おそらく近頃のわたしがあまりにも閉鎖的な暮らしをしているせいなのだろうが、昔好きだった人が結構な頻度で夢に現れるようになった。つい先日の夢では一緒に電車に揺られていて、その前の夢では船で一緒に旅をしていた。その人とは一緒に電車に乗ったこともないし、船に乗ったこともない。夢のなかではただ漠然とした、ああ早く何か話さないと、できるかぎり沢山話しておかないとこの人はすぐに居なくなってしまう、という焦りだけがあって、どういうわけか言葉がうまく出てこない。ようやくこちらが何らかの言葉を

          既発表歌まとめ19(2023年11-12月)

          冷凍庫に詰める生ごみ生きててって言われたあとの深夜の散歩 【初出】東京歌壇 東直子選 特選一席 月間賞 【作成日】2023.8.10 【投稿日】2023.10.4 【掲載日】2023.11.5 *2024.1.28追記 こちらの歌で2023年東京歌壇年間賞を頂きました。 ゆうやけよ 海馬がこわれるまでずっと生きていけるというかんちがい 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2023.9.12 【投稿日】2023.9.19 【掲載日】2023.11.6 首のながい鳥みな

          既発表歌まとめ19(2023年11-12月)

          既発表歌まとめ18(2023年10月)

          琥珀のなかで悪夢がみたいわたしにはあなたに教えたい過去がない 【初出】毎日歌壇 水原紫苑選 特選一席 【作成日】2023.9.9 【投稿日】2023.9.19 【掲載日】2023.10.9 爪を塗るのは善意のしるし ほんものの楽園はいつも図書館の外 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2023.8.17 【投稿日】2023.8.22 【掲載日】2023.10.9 たいせつな自転車を売りにゆく背をみていた風のないベランダで 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】202

          既発表歌まとめ18(2023年10月)

          既発表歌まとめ17(2023年9月)

          寝ていないひとの寝顔をながめつつ煉獄にふる雨をおもった 【初出】毎日歌壇 水原紫苑選 特選二席 【作成日】2023.8.10 【投稿日】2023.8.15 【掲載日】2023.9.4 版画のなかの森で暮らそうわたしたち恋にも夕焼けにも触れないで 【初出】東京歌壇 東直子選 特選二席 【作成日】2023.7.18 【投稿日】2023.8.15 【掲載日】2023.9.10 あのひともあのひとの後悔も老いる絵画のそとの異国のように 【初出】毎日歌壇 水原紫苑選 特選一席 【作

          既発表歌まとめ17(2023年9月)

          既発表歌まとめ16(2023年8月)

          雨のふる畑のなかにうつむいて座ってばかり死後のあなたは 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2022.12.6 【投稿日】2023.6.20 【掲載日】2023.8.7 死者の名をよべば一角獣がきて殖やしてくれるつめたい硬貨 【初出】毎日歌壇 水原紫苑選 【作成日】2023.7.12 【投稿日】2023.7.18 【掲載日】2023.8.7 ひとりだと思わなくてもひとり 綿棒の先でかわいている昨日の血 【初出】東京歌壇 東直子選 【作成日】2022.9.1 【投稿日】

          既発表歌まとめ16(2023年8月)

          既発表歌まとめ15(2023年7月)

          あしたには他人になると知りながらする約束にお墓がほしい 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2023.5.12 【投稿日】2023.5.16 【掲載日】2023.7.3 ちいさな虫にお祈りをする七夕にあなたの声で予言がしたい 【初出】suiu 【作成日】2023.7.7 【投稿日】2023.7.7 いままでの恋人がみんな生きている 身をのりだして川底をみる 【初出】東京歌壇 東直子選 特選一席 【作成日】2022.11.28 【投稿日】2023.6.13 【掲載日】2

          既発表歌まとめ15(2023年7月)

          既発表歌まとめ14(2023年6月)

          あなたがわたしを刺さない不思議 おたがいの生き霊をみたこともあるのに 【初出】suiu 【作成日】2023.6.2 【投稿日】2023.6.2 死をねがわないきみはやさしい 永遠に立入禁止の埠頭のように 【初出】suiu (今年の短歌2023上半期) 【作成日】2023.6.4 【投稿日】2023.6.4 あのひとと見たい川面をこのひとと見ている夜の呼気なまぬるい 【初出】毎日歌壇 米川千嘉子選 【作成日】2022.11.28 【投稿日】2023.5.9 【掲載日】202

          既発表歌まとめ14(2023年6月)

          既発表歌まとめ13(2023年5月)

          二千円の宿のくずかごに湧く蟻 ただしくなさのために死にたい 【初出】suiu 【作成日】2022.11.13 【投稿日】2023.5.1 呪詛でした からだのあおい鳥それはそれは宗教だったわたしの 【初出】suiu 【作成日】2022.4.11 【投稿日】2023.5.1 色とりどりの顔に焼かれて泣いている記憶のだれからも遠ざかる 【初出】suiu 【作成日】2023.1.17 【投稿日】2023.5.1 その電話をいまも待ってる 海風にわたしの骨が砂になるまで 【初出

          既発表歌まとめ13(2023年5月)

          既発表歌まとめ12(2023年4月)

          ケースを百ぺんひらいても変わらないきみが白目を剥いている白黒のジャケット 【初出】suiu 【作成日】2022.11.23 【投稿日】2023.4.1 なみだを吸ってなみだを流さないままで影を濃くしてゆくぬいぐるみ 【初出】Twitter(点滅社主催「すこしさみしい短歌展」応募) 【作成日】2023.4.2 【投稿日】2023.4.2 信じないことはたやすい 折りぐせのついた楽譜をしんしん燃やす 【初出】読売歌壇 俵万智選 特選一席 【作成日】2022.2.3 【投稿日】

          既発表歌まとめ12(2023年4月)

          既発表歌まとめ11(2023年3月)

          おとうとは額をあおく燃やしつつわたしの恋のかなたを生きる 【初出】インスタグラム(@rei_nagashio)※削除済 【作成日】2021.9.22 【投稿日】インスタグラム:? suiu:2023.3.7 踏み抜いていますぐここへ落ちてきて雨の夜に弾くラ・カンパネラ 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 特選二席 【作成日】2023.1.29 【投稿日】2023.1.30 【掲載日】2023.3.20 みんなみんな誰かとはぐれてここに居るような気がする空港の椅子 【初出】読売歌

          既発表歌まとめ11(2023年3月)

          既発表歌まとめ10(2023年2月)

          言いかけて、言ってしまった虫食いのように浮かんでいる夜の雲 【初出】suiu 【作成日】2023.2.3 【投稿日】2023.2.3 電話に出ればきみでうれしい昼さがり『完全自殺マニュアル』未読 【初出】suiu 【作成日】2022.7.9 【投稿日】2023.2.12 母親になれない、だから鏡から喚(よ)びだしているこころの焦土 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2022.5.19 【投稿日】2023.1.2 【掲載日】2023.2.14 きみがドラムをひどく叩

          既発表歌まとめ10(2023年2月)

          既発表歌まとめ9(2022年12月~1月)

          行くあてもなくて車で抱き合ったあなたのそばで壊れたかった 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2022.10.11 【投稿日】2022.10.24 【掲載日】2022.12.5 叫びつづける祈りつづける生き延びるためにあなたはステージに立つ 【初出】毎日歌壇 加藤治郎選 【作成日】2022.10.26 【投稿日】2022.11.7 【掲載日】2022.12.19 こめかみで燃えている星がみえるよ だんだん声になるきみの息 【初出】suiu 【作成日】2023.1.19

          既発表歌まとめ9(2022年12月~1月)