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一緒に食べる事だけが“食”じゃないと知った日。

夏休みに、虫取りあみと虫かごを持っている子供たちは見たことがあるけれど。虫かごに、虫が入っている子供はあんまり見たことがないなあ。きっと夏休み中であろうキッズ達を最近よく目にするれいちゃんが本日もお送りいたします。

本日は、『れいちゃんのぼっち飯』の中の人であるれいちゃんが。

”食”の楽しみ方って、きっと
”誰かと一緒に食べることだけじゃないよね”

そんな新しい気付きをくれた、とある日の御依頼から始まるお話をしていきたいと思います。


〇2月にいただいた1本のご連絡

2月。
約半年前の2月といえば、おむすびをマルシェで初めて販売してから約4カ月ほど経った頃のこと。

突然、SNSのDMに1本のご連絡が届きました。

大学時代の後輩からでした。

実は、大学ではダンスサークルに所属していたれいちゃん。ぼっちからは想像も出来ないほど、大所帯のサークル。大学4学年合わせると200人規模です。

大所帯であることに加え、私自身がどちらかというと先輩っ子なこともありあまり特定の後輩の子と仲良くお話をする機会がありませんでした。今回、御依頼をしてくれた美桜も例外ではありません。1度、ナンバー(有志でつくるチームのようなもの)で一緒に踊った機会はあるけれど、2人きりで話したことなどはもちろんなかったです。

なので、卒業してこうしてメッセージを頂くこと自体がなんだか嬉しさと緊張でソワソワしました。”私の活動を目にしてくれていたの!?”って。

そんな美桜からのご依頼は
『お母さんのビアノ教室の発表会でおむすびお弁当を作ってほしい』
というものでした。

久しぶりの連絡だった事。自分へのご依頼をいただく経験がほぼ初めてだったこと(というか多分初めて)もあってとてつもなく嬉しかったです。美桜とも電話をしたりして、どうしたらご希望に沿えるのか色々試行錯誤する日々でした。

ですが、結論からいうと2月のこのご依頼はお断りすることにしました。理由は3つ。
〇依頼日前日にマルシェがあり体力面の不安
〇マルシェ出店のため、仕込みが間に合わない
〇心身が疲れて、自分と上手く会話できない時期だった
があります。

私は、関係性が途切れたり、自分が不要になったことを実感することが怖くて“何かを断る”という行為が苦手です。もうどうすれば良いか分からななって、凄く頼りにしている私の友人や、年齢はれいちゃんよりもうんと年上だけどよくお茶をする友達に相談しました。2人からは

『れいちゃんは今少しエネルギー不足だと思うよ』
『お断りしても途切れない関係性もある。大丈夫だよ』

という声を頂きました。改めて自分の心に『ごめんね、今回はお断りしようね。またご縁があればきっと繋がれるはずだよ。しっかり理由を伝えれば大丈夫』そう言い聞かせて、美桜にメッセージを送りました。

また、秋頃にイベントがあると言っていたからその時にご縁があればいいな。そんな風に少し落ち着いて考えられるようになっていました。

〇嬉しかった再依頼のご連絡

丁度、1ヵ月前の7月頭。
れいちゃんが山形からちょうど帰宅した頃のことです。

前回と同じように、SNSのDMに『リクエスト1件』とメッセージが1本入っていました。ただ、前回と違ったのは美桜からではなかったこと。初めて見かける名前に”誰かしら…”と恐る恐るメッセージを開きました。

200人ってすごい規模…。

美桜のお母さんからでした。ピアノの教室を開いている事、夏のミニキャンプで私のおむすびワークショップを開いて欲しい事。素直に嬉しかったです。以前、お断りをしてしまっている手前、もうお声がけはきっとかからないだろうな~なんて思っていたのですから。

嬉しかったのと同時に頭の中を駆け巡った『どうやって実現させよう?』という考え。マルシェに出店したことがあるくらいで、ワークショップを開いたことも。40人近い子供達と触れ合ったことも。なんなら羽釜を2つ持ち歩いたこともありませんでしたから。

それでも、恵美子さん(美桜のお母さん)は前日からの浸水が必要なこと、飲食の提供に際した資格がある環境かなどをお聞きすると丁寧に

『食品衛生許可のある場所か、確認しておきますね』『浸水だけであれば、もしよかったらうちを使ってください』

など凄く丁寧に、私の要望を聞いてくださいました。なんならイベントの4日前には1度お会いし、どんなワークショップにしたいか。どんな具材が子供たちが喜びそうか。一緒に色々模索してくださいました。おかげで安心して仕込みや準備をすすめることが出来ました。

〇40人の子供達とおむすびを握る経験

迎えた当日。早朝に恵美子さんが車でイベント会場の最寄り駅までお迎えに来てくれました。前日に仕込んで持って行っていた、お米や具材も一緒に。

会場の調理室に到着して、羽釜でお米を炊き上げます。人数が多いこともあって、初めての2台炊き。具材を取り分けたり、ワークショップ用に作ったシートを並べたり。

昆布分け分け中

忙しなかったけれど、美桜をはじめ、スタッフの皆さんが総出で助けてくれました。

具材は5種用意してみました

気付けば子供たちが来る時間。元気な声が聞こえてきます。

『こんにちは~!』
『こんにちは~!』

『お米がある~!』
『しゃけだ~~!』

普段のマルシェ出店とはまるで違う雰囲気の始まりにワクワクしました。

超緊張

『おむすび作ったことあるよ~って方いますか~?』『は~い!』
と沢山の子供たちが手を挙げてくれました。

お母さんと作ったことあるよ~って

”おむすび博士の心得”をみんなに配布し、みんなにはおむすび博士になってもらう…というれいちゃん必死の策で進めてみました。

おむすび博士になっちゃおう☆
優しく握りましょ!

おむすびに正解なんてこれっぽちもないけれど、少しだけ美味しく握れるコツをお伝え出来たら、と思って前に立ってデモンストレーション。恵美子さんの”れいちゃん先生”とういうワードがくすぐったいくらい嬉しかったです。

皆、真剣…!
こんな感じだよ~

中には覗き込んで話しかけてくれる子もいました。

お米はこれくらいね!と

そうしたら早速みんなが握る時間です。

班になってみんなでご飯を分けっこ

中にはお母さんと一緒に参加してくれた子も。

うちの子が3つも食べたの初めてです!
いつもは2つとかなのに…と
話してくださったお母さん
何の具にする~?
とお友達と話していた子

時々、不器用なりに話しかけてみたり。

何の具入れたの~?

『今度お母さんに作ってあげよ~』と話す子。
『梅と塩で作ったの!私梅大好きなの』とニコニコの子。
『お米余ったら3つ作ってもいい~?』とまだまだ握り足りなそうな子。
『先生、海苔もう少しちょうだい』と3つも4つも作っちゃう子。

わけわけ
にぎにぎ

皆のキラキラの笑顔と真剣に握る姿が愛おしくて眩しかったです。

〇一緒に食べる事だけが”食”じゃないと知った日。

れいちゃま先生

私は人と食事が出来ません。正確には、苦手です。

できる相手もいるけれど食べられない食事や、食事のペースが分からなくなってしまって上手く食べられないです。『ぼっち飯』であることは間違いなくれいちゃんをれいちゃんでいさせてくれるけれど、時々不安なれいちゃんも連れてきます。

だけど、今回のワークショップでキラッキラの笑顔でおむすびを握る子供達を見て。間違いなく思えたこと。
『人と一緒に食事が出来なくても”食”を楽しむことって出来るんだな』
『美味しいってきっともっと沢山の形があるんだろうな』
美桜と恵美子さんがご依頼をくださって。こうして『食』の色んな選択肢に気づけて。子供たちが教えてくれました。ありがとう。

帰ってから、翌日もなんだか余韻で胸がいっぱいでした。そして翌々日に、恵美子さんが、当日子供たちがおむすびを食べた写真を沢山送ってくださいました。みんな嬉しそう。

3つ作った~って
笑っていたな
頬張っちゃう!

おむすびワークショップ。初めての御依頼でしたが、すごく新しいおむすびの道を見せてくれた素敵な経験でした。恵美子さん経由で、素敵なメッセージも沢山。有難いなあ。

お家でも握るなんて凄すぎる!
私も楽しかった!
自分で握ると美味しいよね

沢山のご縁と貴重な経験に感謝です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
(※掲載致しました写真は全てお母様方の許可を頂いております)

〇れいちゃんのInstagram


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