この白いさつまいもを表すオノマトペはきっとまだない。
ホクホクとしっとりの二元論が横行する
さつまいも界の新星誕生?
最近、“食べる”に関連するオノマトペについて書かれた本を読んでいるんですよ。これが結構面白くって。
例えば、「ぱらぱら」と「ぽろぽろ」の比較。
パラパラは横(左右)の広がりがイメージできるのに対して、ポロポロは縦(上下)で溢れ落ちる様子。
何かを飲む時の音。
ごくごくは喉の奥を鳴らすような音。一方で、がぶがぶはどちらかというと口の上の部分を使う印象。
つぶつぶは、滑らかさと粒感が同時に来た時に感じる食感で。「つ」と「ぶ」を入れ替えるとまるで違う印象。ぶつぶつはケーキ生地やホワイトソースにダマが残ってしまう時に使われる印象。
食事を音から楽しむってなんだか新鮮でいいですね。さてさて。本日ご紹介するのは長野県産の”白いさつまいも”です。
見た目にちなんで付けられた名前は“ホワイトスイート”
“ボクイイヒトダヨ”
そんな自己紹介をされると逆に疑ってしまいます。
それと同様に、“シロクテアマイヨ”などとあまりにも直球な名前だと、甘くなかった時気まずいです。さつまいもと気まずい関係になります。
さつまいもと気まずいと
なんとなくじゃがいもとも気まずいし
里芋とも気まずいです。
芋栗かぼちゃなんていうから、
栗とも気まずくなるし
かぼちゃとも気まずくなります。
なので、簡単に『甘くて美味しかったです』と単調に紹介するとそれはそれで怒られそうです。中身が紫のさつまいもはあるけれど、皮の色から自我を出してくる時点で多分相当クセありです。
そこで今回は敢えて小難しい調理をせず、シンプルに電子レンジで数分加熱したものと、じっくりと火を入れる焼き芋の2通りで味わうこととしました。ちなみに八百屋出身の小娘の伝授する焼き芋の作成方法。
①芋を洗って銀紙をピッタリと巻き付ける。
②170℃で90分。裏返して150℃で60分。
③一晩冷蔵庫で寝かせる。
これにて完了です。
結構冷たいまま食べちゃったりするので
温めたい方は独自の方法で独自に温めてくださいね。
さて。食べた感想ですが、間違いなく甘かったです。ホワイトスイート、でした。ただ、ホワイトさは焼き芋にしたことで消え去り味のスイートのみが残りました。
さつまいもで使われるオノマトペといえばホクホクかしっとりの二元論。ちょっと機転を効かせてほっくりとか。ねっとりとかもあるでしょう。ですが面白いことに、このホワイトロードは全てを網羅していました。
電子レンジのものはほっくり。ほくほっくでした。
繊維質も多少感じられるほどで水分を持っていかれます。ただ、パサパサとも違い、甘みがあるので嫌なホクホク感ではないです。
一方、焼き芋。ぬっとり。というのでしょうか。
つるんとした表面と甘みがキュッと凝縮されて舌触りの良い質感。これを総合して表すオノマトペはきっとまだないです。
“シロクテアマイヨ”では少々勿体無いような気がします。
とはいえ代替案も思い浮かばないので
それまではホワイトロードに合わせてれいちゃんも
“23サイオンナ”
というネーミングで生きようかなと思いました。
こういう時って市役所に行けばいいんですかね?
今日はもう閉まっていると思うので
今週のどこかで行けたらまた報告します。
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