欲しいゲームを買うお金はどこから?(探求学習・金銭編)

2月のある日、9歳長男が、毎日YouTubeを見ている中で、「俺、ドラビル2が欲しい」と言い出した。

ドラビルとは、ドラゴンクエストビルダーズで、ドラクエとマイクラを足した感じで、RPG要素を入れたマイクラみたいなゲーム。それの最新版の2が欲しい、と。

毎日のように攻略動画ばかり見ているから、もうほとんどゲームの内容はわかっているらしく、頭の中で、自分ならどうするかとかも考えてて、まるでゲームをやっているような感覚にもなるらしい。
それなら、買う必要なくない?と言ったのだけど、やっぱり絶対にやってみたい、と。

誕生日もクリスマスも過ぎたので、プレゼントとしてもらえるチャンスはまだまだ遠い。
でも、お年玉があったり、お小遣いがあったりもするから、がんばれば買えるかもしれない。
お金のことを考えるのにいい機会だなと思って、ちょっと探求学習要素を入れてみることにした。

本人に気持ちのないゴール設定の探求学習は意味がない、というのが私の信念なので、今回の目標は、ゲームを手に入れること。
まずは、ゲーム名とゲームの基礎情報、他のゲームと違うところ、つまり欲しいものと欲しい理由をノートに書き出し、最後に買うのに必要なお金を書く。そして、今自分が持っているお金を書き、残りいくら必要なのかを計算する。

ソフトは、約8000円。お年玉と貯めてきたお小遣いを合わせて、現在所持金は約4450円。
残りの3550円をどうやって手に入れるのか、方法を考えてみよ、と課題を与える。

・誰かにお金をもらう

と書いたところで、手が止まる。
長男にとってお金は、誰かからもらうものでしかなかった。
なので、「自分で稼ぐという方法もあるかもよ?」とアドバイス。
長男「さすがに無理でしょー」
私「この前のマルシェでは子どもが自分でお店だしてたよ?やり方はいろいろあるけど、別に子どもでも稼いでいいんだよ。」

・お金を稼ぐ

そこから、長男はどうやって稼ごうかと考え出したので、私も一緒にいろんな可能性を考えていく。
「自作ゲームを開発して、ゲームを1回10円とかでやってもらう!」
「お手伝いをもっとがんばって、小遣いの額を増やす!」
「いらなくなったゲームを売る!」
どうやら子どもでもお金を稼ぐ方法はあるらしい!

・中古でゲームを買う

古いゲームを売る、というあたりで、中古なら安くて買えるかも!と気が付く。
そこで、中古の価格がいくらなのか、ゲオに調べに行くことに。
すると、ゲオでは新品も7300円で手に入ることを知る。さらに、自分で店員さんに「ドラゴンクエストビルダーズ2の中古ソフトはありますか?」と聞き、このお店にはないけど近くのお店で6900円で売ってることを知る。
中古ソフトなら買えるかも!

・マッサージ屋さん開業

そんな風に考えているある日、夫が「今からガチでめっちゃマッサージしてくれたら100円あげるよ」と言い出した。
長男のマッサージは、私が小さい頃から仕込んでるから、かなり上手い。なので、繁忙期に入って、身体がしんどくなってきた夫にとって、それはめっちゃアリな話。長男は大喜びでマッサージをして、早速その日に100円を稼ぐ。

・お祝い金とお小遣い

そして、3月に入り、前に受けた漢字検定に合格してることがわかり、お祝い金1500円をゲット。さらに2月のお手伝いの成果としてお小遣い250円をゲット。所持金が6300円に増えた。

・期間限定の20%オフセール!

そしたら、なんと期間限定で、ソフト20%オフのセールが始まり、ソフトの値段が6700円に!
ついに、差額400円!!

期間限定というのもあるので即金が欲しい長男、マッサージをチケット化して販売することに。
3月4月限定・本気でガチでやる、という条件付きで、夫が5回チケット(500円)を購入!

ついにゲームをゲットー!!
おめでとう!!よくがんばった!!
「めっちゃ考えて、自分でゲットしたゲームをできるなんて、めっちゃ感動するー✨」

貨幣社会の存在

とりあえず、お金はもらうもの、から、自分で作り出すもの、に意識は変わったみたい。
お金を稼ぐことの大変さ、手元にあるお金を大切にする意味、お金があるからできること。
それらを真剣に考えたので、金銭学習としては、もう十分!!がんばったね!!
と思っていたら、長男が今日ふとこんなことを言った。

「ねぇ、なんで、1000円はただの紙切れなのに、あんな高価なものが買えるの?100円玉とかはギリわかるけど、ただの紙じゃん。まじで意味がわかんない。」と、貨幣社会の本質に切り込んできた。

貨幣は、みんなが価値があると信じているから貨幣なんだよ、とかのいわゆる"正解"はまだ伝えていない。
「なんでだろうね?」
「紙のお金がなかったらどうなるのかな?」

欲しいゲームのことから、長男は貨幣社会について考えている。
貨幣社会についてイチから教えてもピンとこなかったと思うけど、自分でゲームを買うお金を稼ごうと思って、お金の価値について考えると、自然と貨幣社会の存在にたどり着く。

あー、探求学習ってこういうことよね。
毎日が学び。毎日が育ち。
イベント的な学習も悪くはないけど、やっぱり日常が探求の場にならないと、もったいない!!

長男が次はどんな問いを見つけてくるのか。
それが今の楽しみです。

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