れい子

山あいの鄙びたOLです

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最近の記事

サブカル映画のワンシーンみたいな現実

何でもない飲み会。 「最近読んだ本がとてもよくて」 「『傲慢と善良』やろ」 「なんでわかったんですか」 「2人とも同じ本読んでたんですか、すごい、僕にも貸して下さい」 サブカル映画のワンシーンみたいだと思った。 ただ、激烈に流行っていた小説の名前を言っただけだった。 人間の脳は優秀だ。 いくらでもウンメー的に修正可能。 サブカル映画のワンシーンみたいだと思った。 ウンメーを注入してキマった2人は恋人同士になる。 そして時は経ち、ウンメーというドラッグの効力が切れる

    • 「二度と行けないあの店」の話

      都築響一編集の「Neverland Diner 二度と行けないあの店で」というエッセイ集がある。 そこには、100人にとっての100軒の二度と行けないあの店についてのお話が収録されている。 私の人生においてもいくつかの二度と行けないあの店があるが、つい昨日リストに一軒が追加された。 店の名前や場所が分からないわけではない。 Googleマップにはぴしっと旗が立ててある。 手元には、ご丁寧にスタンプカードまである。 2人分のコーヒーとおやつ。 4つのスタンプが押されたスタン

      • 素うどんと先輩

        「つまり素うどんだよ。素うどんを愛し愛される人と結婚すればいいんだよ。」 そう言い残して先輩はタバコ休憩に行ってしまった。 タバコ休憩から戻った先輩に私はたまらず詰め寄った。 「素うどんは何を例えていますか?素のうどんは"素の自分"ということですか?愛し愛されるということはお互いに素うどんを有している状態ですか?素うどんが美味いと思えばその店のうどんは自分の嗜好に合致しているということですか?味付けを変える日もあるし少し豪華に着飾る日もあるが全てを愛する自信がある。そして

        • 「見せ菓子」よ永遠に

          見せ菓子 それは 今日は配らないが机の上に置いておくことで 明日以降に配ることを仄めかすお菓子 のことである わたしはこの言葉がだいすきだ いや正しくは こういう言葉がだいすきだ あるちっぽけな界隈であるちっぽけなことを 言い表したいがために生まれた言葉 それに出会うたびに 私はこのために生きているとさえ思う なんで愛おしいんだろう 見せ菓子 みせがし この言葉を作ったのは 今の私の主力となる分人を作ったのと同じ 職場のお姉様方だ お姉様方の逸話はほんとう

        サブカル映画のワンシーンみたいな現実

          美容院にて「趣味は盆栽」

          『生命式』を読みました 敬愛する友人が教えてくれた本 大事に大事に読みました 一番好きだったのは最終章 孵化 園子温の『紀子の食卓』にて繰り返し登場する "あなたとあなたの関係は?"という台詞を思い出しました ペルソナがたくさんあるのは正常と 言い切ってくれるのはとても助かる はたまた正常という言葉ほど 危ういものはないけれど "変わったね"と"変わらないね"の狭間で 苦笑いしてやり過ごしている私にとっては 少なくとも 結論としては 家族に恋人を紹介できる人

          美容院にて「趣味は盆栽」

          泣きながらご飯を食べるシーン

          日曜日の夜。 アマゾンプライムを開く。 ぽちぽちぽちぽち ご飯のお供に何を観よう。 可愛い女の子が出てくるやつがいい。 あんまり重くないといい。 あっ これにしよう。 「さよならくちびる」 ハルレオというユニットをめぐる物語。 日曜日の夜にぴったりの味付けだった。 なんといってもあの名シーン。 ハルの作ったカレーを乱暴に口に運びながら レオが泣き出すシーン。 ここで一時停止ボタンを押して しばし泣いた。 皆さんは覚えているだろうか。 「カルテット」の名シー

          泣きながらご飯を食べるシーン

          「時をかける愛」子維に恋をして

          こんにちは。 マッチングアプリに登録して二ヶ月。 ようやく初めて会う約束を取りつけた今日。 昨日接種したワクチンの副反応 発熱により土壇場キャンセルを余儀なくされた そんな土曜日の昼下がりです。 ベッドの上で霜降り明星のオールナイトニッポンを聴きながら 意気揚々とペアーズの退会ボタンを押下し noteを開き 人差し指を懸命に動かしている今です。 今日は、わたしのひと夏の恋について 書き残しておきたいと思います。 さて、掲題の「時をかける愛」とは 台湾では人気ナンバー

          「時をかける愛」子維に恋をして

          「正欲」を引きずり続けた夏

          夏が終わりました。 朝井リョウ「正欲」を読み ひたすらに引きずった夏でした。 誰と何を話していても すぐに正欲と結びつけてしまったり とにかくずっと頭の中にいた。 そりゃもう 寝ても覚めても 食べても吐いても 押しても引いても 出しても入れても 浮いても着いても 泣いても笑っても 勝っても負けても 言語隠蔽効果って言うけれど。 その時の感情をそのまま 持っていられたらいいんだけれど。 せめて盛り上がっていたあんな気持ちやこんな気持ちを 性と向き合った夏の記録、断片

          「正欲」を引きずり続けた夏

          Aマッソと並行世界

          昨日、Aマッソのコントライブ 『Aマッソと並行世界』を観に行きました。 ライブを通して一貫したテーマがあり とんでもない満足感。満腹感。 そんな言葉で「分かった感」出す女、 一番嫌いですよね。わかる。 そういう人って、すぐ「センス」って言うね。わかる。 「才能」とかね。 たぶん「エモい」という言葉流行らせたのそいつでしょ。 絶対そう。 本題に戻りまして。 失礼を臆さず私の言葉でそのテーマを 語らせていただくとすれば "AマッソがAマッソではなく Bマッソであったとしたら

          Aマッソと並行世界