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L3+R3 己を受け入れる『Final Fantasy XVI』

皆さんは、どんな物語が好きだろうか。
心揺さぶる物語、泣ける物語、ギャグでどっかんどっかん笑わせてくる物語などなど。
その中でも私は魂揺さぶる激熱な物語が好きでたまらない。そんな私が今年もっとも燃え上がったゲームが、Final Fantasy XVI (以下FF16)だ。そして、激熱展開が好きな人にオススメしたい。


FF16とは

FF16とは、ファイナルファンタジーシリーズのナンバリングタイトルの16作目。今作はシリーズ初のアクションRPGでありながら、アクション初心者でも安心できるバトルスタイルでもプレイできる。
ストーリーは、黄昏を迎える大地・ヴァリスゼアで、召喚獣をその身に呼び降ろす力を持つドミナント達が過酷な運命に翻弄されていく姿を描いた物語となっている。

きっかけ

最初はほんの何気ない気持ちだった。
「今年はFFシリーズのナンバリング最新作が出るし、ゲーム翻訳をしているんだから触れておかない手はないよね」、「『Marvel’s Spider-Man』シリーズのマイルズ役の勝杏里さんが出てるの?!買おうかな(筆者は大のスパイダーマン好き)」
かくして、ダウンロードした体験版をクリアし、続きが気になって仕方なくなり、製品版を購入したのであった。

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Find The Flame

いきなりだが、この曲を聴いてくれ!!!

どうだ、燃え上がる炎を感じるだろう?!
それもそうでなくてもそのはず、物語序盤の最も盛り上がる所で流れるのだから。
初めてその場面をプレイしている時は、主人公クライヴの己を受け入れ前に進むと決めた姿に、シンプルにただひたすらかっこよく分厚い音楽に、それらすべてを乗せた大迫力のバトルとエフェクトに、ただただ圧倒された。
何よりも、タイトルの「L3+R3 己を受け入れる」というプロンプトのボタンを押してこの曲が再生されクライヴが覚醒する、プレイヤーの手でクライヴを覚醒させる、その演出がただひたすら凄まじく、心が燃え上がる。その前までの展開が相まり、激熱展開ここに極まる。
そしてFF16の音楽はThe Game AwardsのBest Score & Musicを受賞した。非常におめでたい。やっぱりかっこいい音楽は最高だよな!!!

境遇

初めて"Find The Flame"の場面を終え、その後しばらくして何気なく"Find The Flame"を聴き…無性にボロボロと泣いてしまった。この曲が流れる場面が最高にかっこよくてものすごく熱くて当時プレイしていた自分の境遇に重なるから。
というのも、自分語りになるが、今年の夏は実家の引っ越しが控えていた。私が生まれて22年暮らした実家の老朽化が激しかったからだ。それを残して新しい家に住む事に、心のどこかでは受け入れられない気持ちでいたからかもしれない。そんな私に「前へ進もう」と背中を押してくれたのが、この曲だ。物語をクリアしてしばらく経った今でも聴くほど、大事な音楽になった。

自我マシマシのまとめ

FF16は、魅せたい画!!!ドーーン!!!!!カメラ!!!ピキーン!!!重厚な音楽!!!ズーン!!!なスーパー激熱シーンの連続なのに、儚さ辛さやるせなさ『月を見ていた』の落差が激しすぎて心奪われちまったんだよ。
それに「よく聴くと"Find The Flame"のテーマと似ている」と見つけた人すごくないか…?

FF16は泣き顔も笑顔も苦痛に歪む顔もすべての表情の造形が美しいからこそ、残酷な世界で泥水啜りながら生きる人々の生き様に心を奪われる。何気なく惹かれたゲームのクソデカ感情で情緒を壊される。だから私は激熱展開が好きなんだ。

※この記事は、#ゲームとことば Advent Calendar 2023のお題 「○○な人にオススメしたいゲーム」に則り書いたものです。今年の主催のゲーム翻訳者の燻丸さん、ありがとうございました。
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