菅首相が会食に行ってなかったら...? 【ニュースの背理報】

12月14日 首相動静
午後8時50分、東京・銀座のステーキ店「銀座ひらやま」。自民党の二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長、俳優の杉良太郎氏、政治評論家の森田実氏らと会食。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/74361

菅首相の大人数での会食が「自粛を呼びかけといて言行不一致だ」と批判を浴びています。ダメと言っている人がそれをやっているという変わりやすい構図に多くの人が怒りに似た感情を持ったようです。

もともと会食の面会の人数の多さは以前から指摘されていました。ジャーナリストの田原総一郎氏も「首相動静を見ていても面会の人数がやたらと多い」(文藝春秋2021.1月号)というほど。多くの人と(この時節柄なのに)会おうとする姿勢は菅首相の特徴のようです。

では、菅首相が人を呼ばず、食事をしていたらどうなるのでしょうか。

午後8時50分、東京・銀座のステーキ店「銀座ひらやま」。秘書官と会食。9時57分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

秘書官はその役職として総理につく立場なので、朝の会食などに同席しています。これはこれで、側近ばっかりと飯を食べて、広く意見を聞かない、見識を広げようとしないと言われてしまいそうです。「耳を閉ざす総理」みたいな見出しが新聞紙に踊るのがなんとなく想像できます。
では総理秘書官もいない食事を取ろうとしたらどうなるでしょうか。

午後6時30分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

直帰です。総理に仕えるキャリア官僚もここまで早い時間にはなかなか帰れないのではないでしょうか。
自宅に帰って奥さんの料理を食しながら、リモートで政治評論家や財界、芸能界の人物たちとzoom飲みをするとしたらどうなるでしょうか。

午後6時30分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

首相動静は何も変化がありません。この欄はあくまで出入りを記載するものなのです。
厚労大臣もzoomなどを使っての情報収集を以下記事の通り、推奨しています。
www.jiji.com/amp/article%3fk=2020121800666&g=pol

ただ、これを実行していくとある問題が報じられるのではないかと思います。

「菅首相、不透明な面会、接触が増加」

首相動静である程度メディアが把握出来ていた総理が誰と会ったかという記録。それが不可能になることを意味します。
メディアは会食の多さや少なさ、人選や時期を論じます。しかしその基盤には自分たちが総理のいるところを見張って作った記録の存在があるのです。
これはジレンマだと思うのですが、
自分たちが総理の動きを把握するために、今はしない方がいいとされる会食や外での移動をしてもらう必要があります。
総理の会食を批判していたら、誰と会っているか、話しているか分からなくなっていた--。
そんなことがこれから起きる、いやもう既に起きているのかもしれません。

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