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日本勢金8個で思い出す金八先生のこと

「バッハさんのことも、言い間違いも含めて、金メダルの話題が2つか3つ重なれば、みんな忘れます」

そう教えてくれたのは、金八先生、じゃなかった、武田鉄矢さん。フジテレビのワイドナショーでそんなことを語っていました。

人という字は、人と人が支えあって生きてます。

とは、金八先生の言葉ですが、開会式前の担当者の連続辞任劇には、日本では人と人が足を引っ張りあって生きているとしか思えないものでした。

金八先生、話が違うじゃないですか。

・戸惑いを飛び越えた「すげえっすわ」

ただ、大会が始まると、Twitterでは活躍を祝う声があふれてきます。みんな今までの事を忘れたかのようにオリンピックを楽しんでいます。

開会式ではバッハ会長の長い話、長引く式典にイライラ。
翌日の1日目以降、選手がメダルを獲得しますが、「これをただただ喜んでばかりでいいのか?」
そんな迷いや戸惑いにも似た、複雑な感情が日本中を覆っていたような気がします。

「うわーやべえー」
「すげえっすわ」

私たちの迷いや戸惑いを吹き飛ばすように解説のスケートボーダー瀬尻稜さんは、軽やかにひたすら前向きで率直な話術というトリックを決め、私たちに楽しむことが罪では無いことを教えてくれました。

「それがカルチャーなんです」

アナウンサーの倉田大誠さんがそう説明し、演技が失敗しても前を向いて、スケートボードを手に堂々と引き上げるスケーターたちの姿が映し出されます。

・金八先生(武田鉄矢さん)の教え

オリンピック、開催にたどり着くまで色々ありました。ありすぎるくらいでした。
やるべきか、やらないべきか。開催してもなお、やらないべきだったのではないか、そんな声ももちろん聞こえています。

ただ、今そこに身を投じている、実際にやっている選手たちはとても楽しそうだ、スケボーの映像を見て、多くの人がそう感じたことでしょう。
開催できて良かったんじゃないか? そう心に思ったのは、自分だけではないはずです。

そして、開催か中止か揺れていた観客の私達は、開会式においてバッハ会長の話長いねという1点において、まさかのまとまりを見せ始めました。

考えてみると、これ、小学生の運動会みたいじゃないですか?
やっている子たちは必死で楽しそうで、1番になれなければ悔しがる。
体育が得意でない見る専サイドも嫌々ながら参加してみて、開会式の校長先生の話長い、だるいとか友達と愚痴を言いながら、なんだかんだお祭りを批判の対象として"楽しんでいる"。

バカみたいに純粋にお祭りを楽しめているのは、裏を返せば、それまで大人の事情で色んなものがひっくり返ったからこそなのかも知れません。
周りはゴタゴタで、日本選手達は逆境からスタート。そんなドラマの序章が日本選手には形作られました。
そうして獲得した金メダルは感動を呼びます。その数を数えていくと、7月26日までになんと8個。
これで金八となった!と言ったら、「バカチンがぁ!」と怒られてしまいそうです。

そこは小学生みたいに楽しんでいる私たちです。
中学教師の金八先生役・武田鉄矢さんの言葉は少し難しすぎたのかもしれません。

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