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れいわ新選組の政党組織についての提言

このnoteは、れいわ新選組の政党組織のあり方についての提言です。ここで公開するだけでなく、機会があれば山本代表や候補者の方々にも手渡したいと考えています。

---2019/12/1追記---
山本代表、安冨先生、てる子さん、つねきさんにお渡しすることができました。また、安冨先生にはブログで取り上げていただきました。これを受けて、提言の経緯と補足を書きました。各方面で議論が盛り上がっています。しめしめ。
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---2021/11/24追記---
古くなっていた部分など、若干情報を修正しました。とはいえ、大枠で言いたいことは2年前とそんなに変わっていないかなと思います。
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私がれいわ新選組に期待することは3つあります。

まず、全ての生きづらさに立ち向かう政策です。消費税廃止、奨学金チャラといった、生活に直に効くであろう政策はぜひ実現したいと思います。

次に、しがらみのない政党です。特定の支持母体を持たないために、政策の方向性を自由に定めることができるということは、れいわ新選組の大きな利点であるといえるでしょう。

そして、私がれいわ新選組に最も期待することは、支持者が主役の政党であってほしいということです。多くの政党が、ヒエラルキー型の組織であるために、末端の支持者の声はなかなか中央に届かないというのが現状であると思います。それに対して、れいわ新選組には、全く新たな政党となる可能性があると期待しています。

しかし、れいわ新選組の現状を見たときに、必ずしも期待通りには進んでいないと感じる部分があります。それは特に、政党組織に関することです。

第1に、情報公開が不十分なことです。例えば、政党の運営方針、寄付金の収支など、支持者が知りたいと思う情報が十分に公開されていません。

第2に、政党組織の方向性が見えないことです。山本代表もガチガチの組織にはしたくないと発言されています(下記動画参照)が、現状は完全なるカオス状態です。ガチガチの組織でもなく、カオス状態でもない組織のあり方を考える必要があります。

参考)
山本太郎(れいわ新選組代表)おしゃべり会 山形市 201911月14日
https://youtu.be/Ikvnw1E6I6U?t=3645

第3に、カオス状態ゆえに、結果として密室での決定とトップダウンに陥っていることです。支持者・ボランティアには、党の決定について粛々と協力をするか、それとも協力をしないか、という選択肢しかありません。

第4に、支持者のリソースが十分に活用できていないことです。支持者の中にはいろいろな専門家がいます。私は一応政策学を専門としていますし、デザインができる人、マーケティングが分かる人、さまざまな能力を持った支持者がれいわ新選組にはたくさんいます。しかし、「私にはこんな知識・技術があるので、こんな協力をしたい」と思っていてもそれが活かされず、支持者のリソースが十分に活用できていないのが現状です。

以上のことから、れいわ新選組の現状として、支持者が主役の組織になっているとはとても言い難い、ということが問題です。以下、れいわ新選組を支持者が主役の政党にするために、5つの提言をしていきます。

提言の1つ目は、積極的な情報公開です。綱領・規約については既に公開されていますが、内容が不十分な点もあります。運営会議の議事録(あるいは運営会議そのもの)を公開するなど、決定過程をもっと透明化してもらいたいです。また、役職や運営方針についても公開してもらいたいところです。更に、寄付金の収支を毎月公開することは、より多くの寄付を集める上でも重要だと思います。

なお、これらを実行するのに人的資源が足りない、という問題があるのであれば、その問題を含めてオープンにすべきです。そうすれば、支持者もアイデアを出したり労力を提供したりということがスムーズにできるようになります。

提言の2つめは、政党組織の方向性です。

まず、ガチガチのヒエラルキー組織でもなく、秩序のない組織でもない、ゆるやかな分散型ネットワークを作ることです。

金子郁容は、指揮者のいないオルフェウス室内管弦楽団や、リナックス・コミュニティを例に、自発性が集まることで成立する新たな組織のあり方を提案しています。また、オープンソースプロジェクトが開発過程をすべて公開にするということの利点として、プログラムをテストしてくれる人がたくさん出てくること、参加者が誇りをもち、ひとりひとりが責任感をもってプロセスにかかわっていることを挙げています(金子2002:55)。

参考)
金子郁容(2002)『新版コミュニティ・ソリューション:ボランタリーな問題解決に向けて』岩波書店。

次に、出入り自由なメンバーシップとすることです。具体的には、党費は取らず全て自発的な寄付でまかなう、メンバーになるのも外れるのも自由とするといったことです。

そして、ほぼ全ての会議をオープンにすることです。例えば、ほぼ全ての党内会議をYouTubeで中継すれば、支持者は今何が問題になっているのか、自分に何ができるかということを知ることが出来ますし、アイデアがあればコメントすることもでき、双方向のコミュニケーションが成立します。

なお、政党組織の呼び名としては、「れいわ新選組オーナーズ」や「れいわプラットフォーム」を提案したいと思います。

提言の3つ目は、決定のルールです。民主的な決定というと、多数決を思い浮かべる人が多いと思いますが、多数決は必ずしも民主的ではありません。組織が多数派と少数派に別れている場合、必ず多数派が勝ってしまうからです。民主主義において重要なのは、第1に全ての意見を出し尽くすということ、第2に決定方法に全てのメンバーが納得していることです。ここでは、決定方法としてリーダー(すなわち山本代表)による決断を提案します。「それは結局独裁ではないか」と思われるかもしれませんが、2つのルールが守られている以上、多くの人は決定に納得するはずです。この納得こそが民主主義の肝です。

提言の4つ目は、支持者との関係構築です。組織が人々との信頼関係を構築し、維持する一つの方法は、問題提起と意見募集を組み合わせることです。

政党組織の側は、支持者に向けて定期的に、今課題となっていることを問題提起という形で発信します。そして、その課題についての意見を募集します。支持者は、問題提起に応えて意見を寄せます。政党組織は寄せられた意見を集約し、代表的なものを取り上げながら、更なる問題提起につなげます。これを繰り返すことで、決定のルールで取り上げた「全ての意見を出し尽くす」ということにつながっていきます。

このような仕組みを作ることで、何らかの不満を抱えていた支持者も、少なくとも自分の意見を受け止めてもらえた、尊重された、ということで納得感が向上します。また、特に不満を持っていなかった他の支持者にとっても、こういう問題点もあるのか、と多様な視点を知ることができます。こうしてコミュニケーションを円滑にすることが、政党組織と支持者との信頼関係につながります。

以上の提言を実現するための具体的な方法が、提言の5つ目です。Teams、Slack、Chatworkといったグループウェアやチャットツールが、ビジネスの世界で社内コミュニケーションの手段として急速に広まっています。これらのツールによって、全国の支持者と、山本代表、議員、候補者、事務所スタッフが共有するプラットフォームを構築してはいかがでしょうか。そうすれば、全ての情報が一箇所に集約され、迅速にコミュニケーションを行うことができます。こうして、ゆるやかな分散型ネットワーク、そして支持者が主役の政党組織が実現できると考えています。

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