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#10 Rugby World Cup ‐ ニース近郊の町2

10月7日にパリからスタートした、 Rugby World Cup 旅行も最終日の10月20日となりました。最後に訪れたのはニース近郊の町、カンヌ (Cannes)アンティーブ (Antibes) そしてエズ (Eze) です。ニースにて、朝一番でレンタカーを借り出して最初の目的地カンヌへと向かいました。

カンヌは、毎年映画祭が行われる海辺の町として有名ですが、実はお金持ちが遊びにくるリゾートタウンでもあったようです。ビーチに沿って高級ホテル&高級ブランドが軒を連ねていました。ただ、高級レストランらしいものは目にしなかったような。2つ残念だったのは、そのブランドが軒を連ねる大通りが大工事の真っ最中で、高級感のある町には見えなかったこと。そして、カンヌ映画祭会場のパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ(Palais des Festivals et des Congrès) は、映画とは全く関係の無いイベントの準備中で、外観すら良く見ることができませんでした。季節は秋でしたが、ビーチは有料のゾーンと無料のゾーンに分かれておりました。有料のビーチで遊ぶ人にはパラソルやボンボンチェアー(ビーチベット)が用意されています。また、オープンカフェ・バーがあり、ビーチにいながら飲んだり食べたりもできるシステムのようでした。対して無料ゾーンが提供しているのは、屋外シャワーのみだったと思います。そのビーチの長さですが、おおよそ1キロくらいと、ニースのビーチ比べると4分の一ほどです。ただ、カンヌのビーチはニースの小石のビーチとは違い、”砂”のビーチです。有料ゾーンでは、前日の嵐の後の清掃に追われておりました。

カンヌの次に立ち寄ったのはアンティーブです。観光スポットは大雑把に言えば旧市街方面とヨットハーバー&城塞方面です。私が選択したのは城塞( Fort Carré) です。実はアンティーブを訪れる前、ガイドブックに殆ど目を通していなかったので、運転中に遠方から見えた、高台にある Fort Carré を選択しただけであります。車をヨットハーバーに停め、高級クルーザーなんかを見ながら Fort Carré へと向かったのですが、Fort Carré が目の前に迫る位置から見上げても、人がいる気配が全くしません。2つほどの道が城塞へと繋がっているように思っていたらば、どこも入り口らしいところが閉まっています。城塞の中には入れないのかと思っていたらば、ようやく城塞へと続く道を見つけ、無事城塞見学をすることができました。ただ、城塞見学はガイドの案内のもとでのみなので、勝手に中を歩くことはできません。この城塞は16世頃からあり、その頃のアンティーブはフランス領では無かったそうですが、常時150人くらいの兵士が駐屯しており、赴任期間は7年くらいに及んだとかの話です。そして映画 (ショーン・コネリー版) 007 Never Say Never Again の撮影地にもなったとか。ガイドはフランス語と英語の両方で説明をしてくれます。ちなみにですが、ヨットハーバー&Fort Carré にはカフェやレストラン、そして売店も無かったので気をつけて下さい (おかげで昼飯を食いそびれました) 。 

アンティーブを最後にニースに戻ろうとしていたのですが、ニースの町に入る直前、エズ は車で行けばけっこう近いことが分かり、急遽、エズも訪れることにしました。実はフランス旅行に行く前、(多分 Google でフランス関連情報を検索しまくったから) Youtube のオススメにやたらと登場したのがエズの動画でした。一つも見なかったのですが、さぞかし美しい町なのであろうと期待して訪れました。エズ鷲の巣村と呼ばれる村の一つです。なんでも急斜面の岩山の上に密集している家々が、まるで鷲の巣の様だというのが由来だそうです。エズの村の外には立派な立体駐車場が完備されている、一大観光スポットでしたが、村自体は本当に小さく、その数日前に訪れたサン=ポール=ド=ヴァンスと比べても4分の一くらいしか無かったのでは思います。ただ、エズの方は本当に急斜面にある村で、車も入れないような細い道でよく生活ができるなと感心します。しかし、いくつもの紹介動画がある理由は、村のてっぺんまで登ると良く分かります。てっぺんの標高は 427 m と数字にすると大したことは無いと思うかもしれませんが、急斜面の下に広がる海を眼下に、素晴らしい眺望が広がっておりました。このてっぺんですが、サボテン公園 (入場料7ユーロくらい) を通った上にあるのでご注意を。サボテンの花が咲く季節に訪れると、サボテンが絶景に華を添えるかと思います。ちなみにですが、エズの村に行くにはニースからだとレンタカーかバスの利用となります。村の麓にはエズの駅がありますが、そこからだと 427 m の急斜面+距離にして2キロくらいあるので、1時間では着かないと思います (ニース駅からエズ駅は電車で10分くらい)。


僅かに痕跡を残す要塞から、街の中心を眺めて。真ん中に写る広場の向こうにカンヌ映画祭会場のパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレがあります。そして、ヨットハーバーの向こう見える海岸線がカンヌのビーチになります。
カンヌの町の目抜き通りから、要塞跡にあるノートルダム・エスペランス教会 (Église Notre-Dame d'Espérance) を見上げて。
ノートルダム・エスペランス教会
ノートルダム・エスペランス教会。どうも赤ん坊の洗礼を祝っていたようで、入り口からのぞいただけにしました。
今まで見なかった、ちょっと豪華なキャンドル。
こちらもカンヌの目抜き通り。後ろ方向にブランド店や高級ホテルが並んでおり、この当たりからは庶民感が強くなります。
カンヌの有料ビーチゾーン。前日の嵐で海藻やゴミがかなり打ち上げられており、従業員の方々は後片付けに追われておりました。ちなみに、この写真は無料ゾーンから撮影しております。
この当たりは無料ゾーンですが、桟橋らしい当たりから有料ゾーンとなります。ところで、上の方に登場した要塞跡の向こう側にもビーチがあります。
こちらはカンヌからアンティーブへの移動中に立ち寄ったヴァロリス (Vallauris) という町です。ピカソ美術館があったのですが、休館しておりました。この銅像はピカソ作です。
ヴァロリスの裏通りです。この町は昔の趣を残しているというよりは、現代の落ち着いた感じの町でした。観光客には厳しく(?) 、レストランの外にあったメニューはフランス語のみで、何料理だったのかも分からず、退散した次第です。
アンティーブ近郊の海岸線より。左端の大きな建物はリゾートマンションのようでした。
写真右端に、ニースの町がかすかに見えています。この当たりから小石のビーチがニースまで続いています。
ヨットハーバーにあったドックでは、どでかいクルーザーが整備中でした。
Fort Carré。この辺りから見上げても人影がなかったのは、1時間に一回だけあるガイドツアーのもとでしか見て回れないからでした。
Fort Carré の麓にて
Fort Carré を上空から写した Google Map のスクリーンショット。16世紀によくこんなカッコいい城塞を築いたものです。記憶が正しければ砲台が50あったと説明を受けましたが、なんでも、この大きさの要塞に対して50の砲門は少ないのだそうです。
Fort Carré からの眺望。どうもヨットの操船練習かレースの模擬戦を行っていたようでした。
Fort Carré から旧市街方面を望んで。
見事なまでに鋭角な城壁
この要塞に使われた石はアンティーブの海で採掘されたものだそうです。石の種類は壁も床も同一なのですが、壁に使われたのは、大砲を打ち込まれたときに細かく割れるような石にした物が使われたそうです。つまり、大きく割れてしまうと、守兵に当たって大怪我をしてしまうので。
手裏剣型の城塞だけに、上を歩いていても変な感じでした。また、7年もの赴任期間を讃える意味もあったのか、兵士は自分の名前や階級だけは壁に彫ることが許されていたのだとか。
16世紀に要塞として築かれた訳ですが、時代の変遷とともに城塞としての役割を終えると、兵隊学校となったり、アウトドアスクールにもなったりしたそうです。
いつ作られたのか忘れましたが、駐留兵士の願いによって作られた礼拝堂です。作られた当時、要塞に礼拝堂があることは大変珍しかったのだそうです。この壁画は、作られた当時から修復がされていないそうです。
エズの麓の道を行くと、左に写る半島へ行けるようでした。ちなみにこの船ですが、フェリーかと思ったのですが、どうも錨泊している何らかの作業船だったみたいです。
(写っていませんが)右へ内陸に少し入ったところにエズ駅があります。なぜ整然とヨットが沖止めされているのかは謎です。この写真は途中にあった休憩・展望スポットのような場所から撮影したのですが、けっこうな勾配を一気に上ってきています。
エズの村のてっぺんからの眺め。ここでも高い場所にある家々は遠目からでも”お屋敷”であることがうかがい知れます。
エズの村は小さく、古い町並みを楽しむと言うよりは絶景を楽しむスポットという感じでした。でも、町の雰囲気に溶け込んだギャラリーやお土産屋さんもありますから、買い物を楽しむ人も大勢いそうです。
サボテン公園からの眺め。右手に写る小高い丘の向こうがニースです。
左の建物と大きな木の間に写っているのは ”絶景” レストランであります。村の中には2、3軒のレストラン・カフェがありました。
サボテン公園、フランス語での案内にはエキゾチック・ガーデンとなっていたような。公園は大変小さく、サボテンも花を咲かせていなかったので、残念の一言です。
この丘の向こうがモナコなのですが、車だと10分そこらで行ってしまうようです。

これにて Rugby World Cup 旅行記は終了です。

Rugby World Cup の過去記事。

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