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【Day20】取り返しのつかない後悔


それしか選べなかった22歳の選択

これまでで1番の後悔……

それは22歳の時の選択。

書く前から気が重くなる。私の全てが変わってしまったと言っても過言ではない選択。

その選択で自分の人生を狂わせることになった。

自分で決めたことだから後悔はしていないと言い続けてきた。正確には言い聞かせてきた。自分で後悔していると言ってしまったら、自分自身を否定することになって、自分の気持ちのやり場を失ってしまうから。

でもやっぱり、ずっと、本当は、後悔していた。

ある日突然、急に病気になった

後悔の選択のきっかけは大学2年、19歳の時。ある日突然の病に見舞われたことだった。病院に行って検査を受け病名が判明し、投薬療法を受けて始めた。ところが、薬でコントロールがうまくできず、病状が悪化していった。

私自身はその当時の記憶はあいまいだが、本人以上に両親が困り果てていた。大学卒業を迎えても体調が落ち着かず、就職も出来なかった。両親いわく病院を転々としていたが、病状は変わらず尽くす手がなくなってしまったようだった。

転落の始まり、ある霊媒師との出会い

そんな折、両親が私のことを信頼する知人に相談し、その知人からある"霊媒師"を紹介された。その霊媒師が除霊で私の病気を治してくれると言ったそうだ。

藁にもすがる思いとはこのことだろうか。両親はその霊媒師の元へ私を預けることにした。両親の計らいとはいえ、私にも選択権はあったので、最終的に私が決めたんだと思う。でもハッキリ覚えていない。

この選択を機に、霊媒師の元で除霊を受けながらの共同生活が始まった。それが最大の後悔。転落の始まりだった。

信頼する知人というのは私自身は知らない人。父が古くからの知人で信頼できる人だったようだ。母は自分自身が霊感が強かったこともあってか、そういう目に見えない力みたいなモノをわりと信じていたのかも知れない。

もう私自身はどうにもできなかったし、自分自身が情けなかった。病気が治る可能性のあることなら何でもやろうという気持ちに追い込まれていたし、両親に迷惑をかけたくなくて、霊媒師のところへ行ったんだろう。


洗脳状態に陥った私の行動

その霊媒師に言われるまますべてを受け入れ、だんだん洗脳状態に陥った。病気を治すためなら…私が洗脳されるのにそう時間はかからなかった。何でも言うことを聞いた。

そのいびつな暮らしの中で違和感がなかったわけではない。しかし「言うことを聞かずに文句を言うのは良くない」とさらに自分で自分自身を洗脳していた。まじめに受け止め、純粋に一生懸命だった。

霊媒師の斡旋を受け、何とか就職もできた。社会人デビューをしたとはいえ、フレッシュで活き活きした20代とは程遠い生活。仕事や恋人を自由に選べるような立場ではなく、真綿で絞めるような様々な制約。病気が治るなら。それが私の中での呪文であり呪縛だった。

病院には通院するとこや投薬治療を受けることは禁止されなかった。いま思えば霊媒師側の保険だったのだろうか。服薬と除霊を並行しながらの”治療”。若かったこともあり、何の効果の現れないことにイラだち、霊媒師をまくしたてることもあった。

22歳の選択と同じくらいの後悔

するとめんどくさくなったのだろうか、霊媒師が「結婚し子どもを産めば治る」と言い出した。私は鵜吞みにした。方角や干支、生年月日で相性や運勢を判断する霊媒師。身近にいた男性の生年月日を伝え、ゴーサインの末3ヶ月の交際期間で結婚。翌年長男を出産した。

しかし病状が治まることはなかった。好きでもない男性と結婚した罪悪感、後悔、苦しさ…。取り返しのつかない自分の判断。自分の気持ちにウソをつき続けながら暮らす偽りの”家族”。その後の結婚生活も、私には取り繕うことはできなかった。

結局子どもを産んでも病気が治ることはなく、最終的には新たに尋ねた病院で自分に合う薬に出合い、症状は治まった。

追い詰めらた人間の決断

出産で病気が治るわけないのに。そもそも病気の根源を狐憑きみたいなとらえ方で除霊で施し治すなんて。あり得ないことの分別さえつかない状態だった。

結婚や出産を後悔してはいけないけれど、それは私にとってキレイごと。他人事だから冷静に倫理観や道徳観を語れる。子どもたちはかわいいとは思っている。しかし、私の心は情緒不安定で満たされることはなく、すさんでいく一方だった。 

今は霊媒師との縁は切り、普通の生活をしているつもりである。

取り返しのつかない後悔

あの日霊媒師の元へ行ったこと。それがすべての間違いだった。これはもうどうやっても自分をごまかせない、最大にして最悪の後悔。

ただ今は子どもたちを一生懸命育てたい。

この件に関して、今回のお題では書ききれないことがたくさんあるが、以上が人生でいちばんの後悔である。

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