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歴史研究715号を刊行いたします

2023年10月末に『歴史研究』715号を刊行いたします。
本号の特集は「四国遍路――祈りと修行のみち」です。

 

2023年は、弘法大師・空海の誕生1250年の節目です。真言宗の開祖で、日本仏教界に大きな影響をもたらした空海ゆかりの地である四国の札所八十八ヶ所をめぐる四国遍路は、世界でも類をみない巡礼文化として、2015年に日本遺産にも認定されました。

本特集では、四国遍路日本遺産協議会、四国遍路研究を牽引する愛媛大学四国遍路・世界の巡礼センターの先生方にご寄稿いただきました。古代の僧侶が海岸部を巡り歩く辺地修行の時代、戦国時代の札所、江戸時代になって大衆化する巡礼、近代をむかえ変化した四国遍路の実態などを明らかいたします。
夏の暑さも和らぎ、おでかけ日和の季節がやってきました。みなさまも本書を手に取って、四国遍路の旅へでてみてはいかがでしょうか。

【目次】
カラーグラフ
 四国遍路――祈りと修行のみち

巻頭随想  いま、伝えたいこと
 高齢者こそ電子器機の活用が有効   所   功

特集 四国遍路――祈り修行のみち
 四国遍路と日本遺産   下村 裕
 四国遍路の原型――辺地修行の時代   寺内 浩
 四国遍路成立前夜――巡礼の萌芽と戦国動乱   川島佳弘
 四国遍路の隆盛――八十八ヶ所の成立   胡  光
 四国遍路の盛衰――明治維新による変化とその特徴   中川未来

新発見! 文化財ニュース 編集部

特別企画
天正元年の波乱万丈、四五〇年の昔と今、恩讐を超えての三好義継四五〇年遠忌法要挙行   出水康生

研究ノート
織田信長との対比で考察する三好長慶の政治的先進性――「戦国初の天下人・三好長慶」の政治手法が織田政権に及ぼした影響   三日木 人

研究ノート
重い甲冑、軽い甲冑――戦国・桃山期、東と西の甲冑   竹村雅夫

縄張り図で読み解く近世城郭 第8回
田丸城――近世初頭の縄張りを留める紀州藩領の支城   髙田 徹

大和王権と古代氏族 第19回
膳氏の伝承と特性   松尾 光

戦国の国衆文書を読む 第17回
壬生義雄、北条家へ救援を求めたことを長沼氏に伝える   久保田順一

古文書講座
取り調べ願い   庄司恵一

文化教養講座「歴史の質問帳」第25回
小判の改鋳について   渡邊洋一

地域史新論
大分一宮巡り(二十四孝)   大澤俊彦

史談往来 
【会員随想】
家康長男信康の自刃場面に関する異説   野村武男
京都における信長公および一族の墓所を訪ねて   竹本義昭
【掃苔行脚】
将軍家綱の大奥を取り仕切った近江局墓――大田区池上本門寺   加藤健太郎