「東へ征(ゆ)け」第57話 ヤマト平定
「磐余彦さまである!」
衛兵の掛け声とともに、王宮に居並ぶヤマトの群臣たちは一斉に蹲った。
「どんな田舎者が来るのやら」
「きっと獣臭い若造だろう」
そう陰口を叩いていた群臣たちも、引き締まった身体に整った顔立ちの貴公子然とした姿に嘆息を漏らした。
「皆と力を合わせ、倭国を千年、二千年続く豊かな国にしていきたいと思う。皆の力を貸してほしい」
磐余彦が朝堂に響き渡る声で力強く宣言した。
涼やかな目をしているが、時折放つ光は尋常ではない。射竦められた者は震えた。
日向か