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大鰐温泉小唄。

藤本二三吉の歌う新民謡「大鰐温泉小唄」。國井淳一作詞、中山晋平作曲で、当時盛んに制作された御当地ソングの一曲です。大鰐温泉とは、青森県津軽地方南部の山間に位置する長閑な温泉地であり、すぐ横を奥羽本線が通っており大変アクセスの良い所にあります。此の温泉が発見されたのは古く平安〜鎌倉時代との事。江戸時代には時の藩主である津軽為信公が、夢の中で聞いた『お告げ』がきっかけとなって大鰐の湯で眼病を治したと言われております。そして藩の保養地となり、時代が下るにつれて温泉街が形成されて行き、いつしか有名なスポットとなりました。鉄道が延びて駅が出来ると客も増えて繁栄し、更なるアピールの為に書かれたのが「大鰐温泉小唄」でした♨️。

歌うは人気芸者歌手として有名な藤本二三吉、作曲は「三朝小唄」や「野澤温泉小唄」など、各地の観光地の歌を手掛けていた中山晋平と云う鉄壁のコンビでした。作詞者の國井淳一に関しては存じ上げないのですが、恐らく現地在住の観光課のスタッフか、または詩人ではないかと思います。三味線やピアノが絡む陰旋法の御座敷小唄で、歌詞には阿闍羅山(あじゃらやま)や相生橋などの地名が出て来ます。私が大鰐と云う縁ゆかりない地の温泉を知ったのも、此の歌の曲名をレコード発売資料で見つけた時でした。俄然興味が湧いて、遥々と鈍行列車に揺られて過去五回も泊まりに行ったのはもう何十年も前。時間に余裕がない今、私は此の歌を聴いて大鰐の地に思いを馳せるのです😀。

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