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あきらめ上手は生き方上手 第3章 あきらめのプログラムの誤作動

あきらめをその人が現在持っているエネルギーとの関係で考えてみよう。エネルギーが十分な時は、どんな選択肢をとってもやっていける。ところが、.....。

蒲公英(たんぽぽ)カウンセラーの読書note No.
今日も読書ノート、開いていきますね🤗

2021/04/26 62日目
お待たせいたしました。今度こそ!再開いたします。
また、下園壮太先生の本を小分けして、読んでいきます。
第3弾です。

<1book>
あきらめ上手は生き方上手
第3章 あきらめのプログラムの誤作動
下園壮太 
マガジンハウス 2005年

<3point>
①あきらめをその人が現在持っているエネルギーとの関係で考えてみよう。
 エネルギーが十分な時は、どんな選択肢をとってもやっていける。ところが、エネルギーが枯渇し始めるとそうはいかない。1回の乗り換えは、最後の力を振り絞って行う大転換だ。それで失敗したら、本当にすべてのエネルギーを使いはたしてしまうかもしれない。つまり生死をかけている。これまでやってこられた方法を捨てて新しい方法に乗り換えるのは、最後の燃料しかない今はとても怖いことになる。それにより、現在の方法の苦しさに耐えて、このまま進んだ方が良いと感じてしまう。
 この観点で現代人もあきらめを見てみると、まさに誤作動と言う感じがしてくる。例えば、失恋をしたときの苦しさは、他の人にとってみれば、「世の中の半分は女性なんだね」などと言うことになるが、失恋したことで自分の命を立ってしまいたいほど苦しむ人も多いのだ。1つの失敗(あきらめ)を全体のあきらめとしてしまう。絶望を感じてしまうのだ。そして自分で自分に「ダメ人間」と言う烙印を押してしまう。その結果、自信を失い、もう戦うことをやめてしまったり、すねてみたり、投げ出したりしてしまったりする。もったいないことだ。まだまだ十分に戦えるのに、たったひとつのあきらめで、人生全体をあきらめてしまうのだから。
 あきらめのプログラムは、生きるための大切なプログラムだ。ところが、その活動のタイミングやきっかけが異なると、逆に私たちの人生の可能性を狭めてしまうことになる。私はこれを「あきらめのプログラムの誤作動」と呼んでいる。

②どうしてこんなにも諦めるのが難しいのかについて考えてみよう。
 「生命エネルギー保存の法則」、つまり、人は生きる為のエネルギーを使うことについて、とてもシビアにコントロールしている。言い換えれば、「人はエネルギーを使うことをとても嫌っている生き物だ」と言うことになる。この法則は、我々の行動に大きな影響を及ぼしている重要なルールなのだ。
 いつでも色に不自由しない現代の日本人には、生命エネルギー保存と言う感覚があまりない。しかし、原始人は通常、飢餓状態の中で生活していた。もし次の作業を行うためエネルギーを使いすぎたら、原始人は動けなくなって死んでしまうかもしれない。原始人にとって少ないエネルギーで何をするかは、命に関わるとても重要な選択だった。だから、貴重なエネルギーを決して無駄遣いしたくないと言う強い欲求を持ったのである。これが、生命エネルギー保存の法則だ。
 私たちは、無駄な仕事ややりがいのない仕事をさせられると、とても苦しく感じる。その苦しさも、生命エネルギーに敏感な人の性である。最も辛い刑罰は、ある場所に穴を降らせて、それが終わるとその穴を埋めさせ、また同じところに穴を終わらせると言う作業を延々と続けさせるものらしい。この、全く意味のない作業を続けて生命エネルギーがどんどん消耗される恐怖や怒りは、通常の人には耐えられない苦痛になる。

③生命エネルギー保存の法則は、常に「今はエネルギー危機だぞ」という指令を発している。あることを止めるか、続けるかの重要性が課題に感じられ、とりあえず今のまま(何かを続けている状態)を維持してしまう。事態が重要であればあるほど、方向転換に伴うリスクは大きくなるからだ。またその不安がそれほど強くない場合も、もったいない感覚が大きくなり、行動を止められなくなる。本当は、まだ余裕があるのに、焦ったギリギリの対応をしてしまうのだ。
 もちろん、生命エネルギー保存の法則は、人類が生き延びるためには大切な法則で、それだけ取り出せば大変合理的でもある。しかし現代社会を見てみると、この法則に縛られて(あきらめきれず)、人々はギャンブルにはまり、先物取引で失敗し、結婚詐欺に引っかかる。
 一旦始めたことをなかなか止められないことや現状に満足しない、過去の出来事や事実を受け入れられない、などで苦しむことがある。これらは全てあきらめのプログラムの誤作動である。

<1episode> あきらめの天秤
 あきらめとは、本質的には、費用対効果のバランスによって発動する。効果というのはある行為を続けることによって得られるものだ。費用はそれに伴う代償である。
 現代社会の進化したあきらめのプログラムでは、行動を起こす前、あるいは行動中も常に「作業の進捗見通し」と「自分の能力(イメージ)」を未来のあきらめの天秤にかけているのだ。つまりこの天秤によって、自分の力でこの作業をやり遂げられるかどうかと言う見通しを立てる。
 未来の諦めの天平を動かすためのお守りにはどんなものがあるだろうか。
・その出来事の重大さ(イメージ)
・他の手段の有無(目標)やその達成の可能性(イメージ)
・つぎ込んだエネルギーや時間
・残されたエネルギーや時間
・行動(生活・継続)に伴う苦しさ
・見返りの大きさ
・自分に対する自信(自分の能力に対するイメージ)
 自分が今の課題をできると感じればあきらめない。それを諦めても外で何とかやれる自分であると言う自信があれば、諦めやすい。
 
 実は、「苦しみのプログラム」と「幸せのプログラム」があきらめの天秤の動きに大きな影響を与えているのだ。次章では、幸せとあきらめの関係について考えてみたい。
 私たちの目的はあきらめることではなく、幸せになることなのだ。幸せと言う大きな目的のために、あきらめがどういう意味を持つのかを理解して、初めてあきらめの活用法がわかってくる。

<1action>
 私たちは、「あきらめる」という言葉に、強くマイナスのイメージを持っています。それまでに努力した時間、エネルギーが無駄になるのがもったいないですし、それまでに描いてきた成功イメージをなかなか捨てられないものです。しかし、「あきらめる」という決断で、人類はあらゆる進化を遂げてきました。この「あきらめる」ということの「なぞ」を知るために、この本、読み進めていきます。次が楽しみです。

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カウンセラーをやっております。お気軽にどうぞ☺️
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