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Zoho FormsのSalesforce連携

Salesforce連携できるアンケートツールを調べたところ、
無料で使えるツールがZoho Formsのみしか見つけられませんでした。
そこで、Zoho Formsが無料でどこまでできるか調べてみました。

プラン

まずプランですが、無料の場合以下の制限があります

フォーム数:3 | レポート:無制限
送信:500件/月
支払方法:10
ファイルストレージ容量:200 MB

・フォームの「Powered by Zoho」フッターが入る

https://www.zoho.com/jp/forms/pricing.html

プランを上げるごとに送信数や機能が増えますが、それでも比較的お安い価格帯です。

              https://www.zoho.com/jp/forms/pricing.html

フォーム作成機能


ユーザ登録フォーム作成

無料アカウントからフォームを作成してみます。フォームから『新しいフォーム』をクリックすると、空欄のフォームかフォームのテンプレートを選択できます。
テンプレートは50近く用意されています。
ユーザ登録のテンプレートを利用してみます。

項目の追加

基本的な項目はそろっており、ドラックして配置するので直感的に利用できそうです。項目のグループ化やページ遷移も可能です。また、フォーム内に数式や、マトリックスの選択肢など複雑な項目も利用できます。
メールアドレスや電話番号のバリデーションも優秀で、メールアドレスの大文字排除、電話番号の無意味な記号や全角排除も自動で動きます。

バリデーションチェック

ルールでは項目の表示制限や、ページの遷移先・お礼メールなどの設定、ページのスキップ設定ができます。

ルール

おしゃれなテーマも選べます。

テーマ
ユーザ登録っぽい画面

いい感じのページができました。ヘッダーを消すには有料プランへの申込が必要です。

Salesforce連携

Zohoの各サービスやSalesforceと連携することができます。
Salesforceはユーザ認証をすることで連携されます。
項目のマッピングも行います。

既存のデータを更新するには、データの連携/更新の項目を指定します。
Salesforce で外部 ID プロパティが有効になっているフィールドのみが、レコードの upsert に使用できます。
このあたりはクエリをうまく使うことで既存レコードを更新することができるようになりますので、この後説明します。

Salesforceマッピング

一つのアンケートを別の関連リストに追加することもできます。
あらかじめ、Salesforce側で取引先責任者を参照する項目をもつカスタムオブジェクトを作成しておくことでアンケート回答を責任者に関連付けることができます。

関連リスト

既存の取引先責任者にアンケートを送る

Salesforceの取引先責任者の画面でアンケートのURLを送るにはどうしたらよいでしょうか。CreativeSurveyのように、Salesforce上の機能を提供してくれているアンケートツールもありますが、Zoho Formsはそのあたりは自分で設定する必要があります。
また、レコード更新のキーが外部ID項目のみなので、あらかじめSalesforce側に一意の外部ID項目を作成する必要があります。

事前準備

  1. Salesforce側にユニーク|外部ID|大文字小文字を区別するにチェックを入れ、カスタム項目を追加します。

  2. 一意の値が入るように設定します。
    まだレコードがない場合、作成するカスタム項目の項目タイプを自動採番にすると自動で一意の値を入れることができます。

  3. すでにレコードがある場合、フローやデータローダで一意の値を入れる必要があります。一番シンプルな方法は、フローでレコードIDをカスタム項目に反映する方法です。

  4. フローを作成し、レコードが作成/更新時にカスタム項目がIDと異なる場合、レコードIDをカスタム項目に反映し、レコードを保存します。

Zoho Formsとの連携

  1. Zoho Forms側でアンケートフォームの作成時に、取引先責任者の外部IDを識別できる項目(例:SalesforceID)を作成します。

  2. 設定で項目のエイリアスを設定します。エイリアスを設定することで、項目の事前入力が可能になります(例:SalesforceID)。

  3. Salesforce連携画面で、事前準備で作ったカスタム項目と、1.で作った項目を連携します。
    また、データ追加/更新にチェックを入れ事前準備で作ったカスタム項目を指定します。

アンケート配信の準備

  1. Salesforce側でアンケートの配信の準備をします。Zoho Formsの共有タブからアンケートの公開URLをコピーしておきます。

  2. Salesforceでメールテンプレートを作成します。アプリケーションで、メールテンプレートを検索し、新規メールテンプレートを作成します。

  3. アンケートURLを張り付けます。その際に、文末に「?」「エイリアス名」「=」を記入し、最後に差し込み項目で外部IDカスタム項目を追加します。

https://forms.zohopublic.jp/~~~~~~
?SalesforceID={{外部IDカスタム項目のAPI名}}

このように設定することで、自動的にフォームにSalesforceIDが連携され、どのレコードの回答か識別できるようになります。
テンプレートを利用しなくても、フローで同様にアンケートURLの最後に「?」以下の値を差し込みすれば、一括でアンケートメールを送付することもできます。

外部IDがはいっていることを確認し、アンケートを回答してみると
無事Salesforce側のデータが更新されていることが確認できました。

気になったこと

Salesforceの連携に出てくる項目数に制限がありそう

ステージングの大量に項目がある環境と連携したためか、マッピング項目にすべての項目が表示されていないようでした。
問合せは投げてみましたが、現状未解消です。

外部IDキーがネック

デフォルトのSalesforceIDやメールアドレス項目をキーにした更新ができないため、Salesforce側の知識が多少必要そうです。

レコードの更新のみは設定できない

既存レコードにのみ送るのであれば、レコード作成はNGにしたいというニーズはありそうですが、Zoho Formsの場合は作成のみ、作成/更新のどちらかしか選択できません。
更新のみできるように制限をかけたい場合には、Creativesurveyなどの別のツールを検討する必要がありそうです。

まとめ

簡単なフォームを作る以外の設定は少し難しいですが、
この機能が無料から、フォームのフッター消して使う場合でも、月額1200円使えるのは、非常に魅力的です。

フォームのテーマが豊富にあったり、項目設定が柔軟にできたりとアンケートフォームとしては利用しやすい印象です。

また、Salesforceのオブジェクトの作成/更新ができる、自動関連付けができる点で、Salesforceと連携しても十分に利用できそうです。
ある程度設定が必要なため、多少のSalesforceの知識は必要ですが、基本的なフローやオブジェクトの知識があれば問題なく利用できるかと思います。


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