#10 サムエル記第二

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レジュメ

※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。

1.はじめに

(1)書名
①本来は「サムエル記」という一書である。
②七十人訳が便宜的に第一と第二に分けた。
③それ以降、その習慣が定着した(ヘブル語聖書も同様)。
④サムエルが最初に登場し、中心人物として活躍するので、この名が付いた。
※普通に考えたら、サムエル記第二というよりは、ダビデ記になるところ。

(2)内容
①サムエル記全体は、前1120年頃から約150年間の出来事を記している。
②サムエル記から列王記までの歴史書の流れ
*単独の王国(ユダ族のみ)
*統一王国(12部族すべて)
*統一王国(ソロモンが継承)
*単独の王国(ユダ族とベニヤミン族)

※神が不完全な人間を用いて、御心を実現しようとする物語。

2.アウトライン

Ⅰ.権威ある座に上るダビデ( 1 ~ 10 章)
1.サウルとヨナタンの死(1:1~27)
2.ヘブロンでの即位(2:1~4:12)※単一王国
3.統一王国の王として統治(5:1~10:19)
(1)エルサレム遷都(5:1~25)
(2)神の箱の移動(6:1~23)
(3)ダビデ契約の締結(7:1~29)
(4)外敵に対する勝利(8:1~18)

Ⅱ.権威ある座から転落するダビデ( 11 ~ 20 章)
1.バテ・シェバとウリヤに対する罪(11:1~12:31)
2.家族問題(13:1~14:33)
3.アブシャロムの謀反(15:1~20:26)

Ⅲ.補足説明( 21 ~ 24 章)
3.結論(物語の背後に神学的意味がある)
(1)ダビデ契約(7:1~29)
(2)ダビデの最後の言葉(23:1~7)※ダビデの最後の預言

サムエル記第二を通して、ダビデの生涯の意味について考える。

Ⅰ.権威ある座に上るダビデ( 1 ~ 10 章)

1.サウルとヨナタンの死(1:1~27)

(1)主によって開かれた扉
①試練の中にありながら、ダビデはすべての状況を主に委ねていた。
②彼はサウルの死を望んではいなかった。
③そのダビデのために、突如扉が開かれた。
④時が良くても悪くても、主に信頼することを学ぼうではないか。

(2)ダビデの悲しみ
①アマレク人の若者が、褒賞目当てに、サウルとヨナタンの訃報をもたらした。
②ダビデは、深い悲しみと哀悼の意を表わした。演技ではない。
③アマレク人の若者は、処刑された。

(3)弓の歌
①ダビデは、サウルとヨナタンのために哀歌を作った。
②これをユダの子らに教えるように命じた。
③3連から成る哀歌で、各連の始まりが「ああ、勇士たちは倒れた」である。

2.ヘブロンでの即位(2:1~4:12)

(1)主の指示を仰ぐ
①次の行動に移るために、主にお伺いを立てる。
②主はダビデに、ヘブロンを示された。
*ユダ部族の中心の町、父祖アブラハムの墓のある町

(2)油注ぎ
①ヘブロンの長老たちは、ダビデに油を注ぎ、王とした。
②預言者サムエルによる油注ぎに続く第2の油注ぎであった。
③ダビデは「ユダの家」だけのための王となった。
④この時からヘブロンがダビデ王国の首都となった。
⑤サムエルによって油注がれ、主の霊の注ぎを受けたのは、十数年も前のこと。
⑥ヘブロンで油注ぎを受けた時、ダビデは30歳になっていた。
⑦主の器は、一朝一夕で完成するものではない。

(3)ダビデの忍耐
①彼が統一王国の王になるのに、さらに7年半かかった。
②ダビデを有能な王、またより成長した主の器に育てるための神の計画。
③ダビデは、メシアであるイエスの型である。
④イエスはメシアとしての油注ぎを受けていたが、民は信じなかった。
⑤ダビデは統一王国の王としての油注ぎを受けていたが、民は認めなかった。

3.統一王国の王として統治(5:1~10:19)

(1)エルサレム遷都(5:1~25)
①サウルの息子イシュ・ボシェテの死
②イスラエルの10部族の長老たちがダビデに油を注ぎ、王として迎えた。
③ダビデが油注ぎを受けるのは、これが3度目。
④ダビデの在位期間は40年(ヘブロンで7年6ヶ月、エルサレムで33年)。
⑤30歳で王となり、70歳まで王として統治した。
⑥エルサレム遷都の理由
*中間の町
*防衛上の理由(三方が谷。北だけ守ればいい。)
*ギホンの泉(生活用水)
⑦神ご自身がエルサレムを神の都として選ばれた。

(2)神の箱の移動(6:1~23)
①神の箱はキルヤテ・エアリムのアビナダブの家に安置されたままであった。
②神の箱をエルサレムに運び上ることは、国家的な事業であった。
③ダビデはイスラエルの精鋭3万人集め、この事業に当たろうとした。
④前王のサウルは、神の命令と神の箱を顧みようとしなかった。
⑤ダビデは、神の命令と神の箱に対する敬意を表明した。
⑥ダビデは、神の箱を新しい車に載せて運んだが、これが問題であった。
⑦ウザは、神の箱に手を伸ばしたため、その場で即死した。
⑧2度目は、モーセの律法が命じるとおりにレビ人たちが主の箱を担いだ。
⑨このときダビデは、主の前で力の限り踊った。
※国民に菓子も配った。
⑩(踊ってる所を)さげすんだ妻のミカル(サウルの娘)は、生涯子を産むことがなかった。
⑪神の箱は、所定の天幕の真中に安置された。

(3)ダビデ契約の締結(7:1~29)
①ダビデは、神の箱のために神殿を建てたいと願う。
※神殿:幕屋に代わるもの
②預言者ナタンを通して主のことばが届けられる。
③戦士ダビデではなく、ダビデから出る世継ぎの子が神殿を建設する。
④それに続いて、ダビデ契約が締結される。
*無条件契約、永遠の契約である。※ダビデやソロモンが堕落しても有効
*アブラハム契約やシナイ契約に匹敵するほど重要な契約である。

(4)外敵に対する勝利(8:1~10:19)
①ペリシテ
②モアブ
③北方の小国ツォバ
④ダマスコのアラム

Ⅱ.権威ある座から転落するダビデ( 11 ~ 20 章)

1.バテ・シェバとウリヤに対する罪(11:1~12:31)

(1)誘惑の舞台設定
①「年が改まり」。雨季から乾季に入ると、戦争ができる状態になる。
②アモン人との戦いが再開された(10:14で一時中断していた戦い)。
③ダビデは、将軍ヨアブを指揮官とし、自分はエルサレムの王宮に留まった。
④それが、ダビデが誘惑に会うための舞台を用意した。

(2)罪の内容
①バテ・シェバと姦淫の罪を犯した。
②ウリヤを殺害した。

(3)罪の結果
①側近の信頼を失った。
*将軍ヨアブの暴走が始まった。
※ヨアブはダビデの甥
②民の信頼を失った。
③国家でも個人でも、正義を行えば祝され、それに反すれば呪われる。

(4)預言者ナタンの糾弾と詩51篇(詩篇)
①自分が犯した罪は、何よりも主に対するものであった。
②自分には、弁解の余地がない。
③罪の結果、聖霊が取り去られ、自分は神の臨在から切り離された。
※新約時代は取りさられることはない。
④しかし、神の恵みによって神に立ち返ることができると信じる。

(5)バテ・シェバを妻に迎える。
①最初の子は死ぬ。
②次に生まれたのがソロモンである。

2.家族問題(13:1~14:33)

(1)家族内での近親相姦と兄弟殺しの悲劇
①アムノンが異母妹であるタマルを強姦する。
②アブシャロム(タマルの兄)は、2年後に長兄アムノンを暗殺する。

(2)ダビデはアブシャロムに対してあいまいな態度を取る。
①息子のことである。
②自分自身も問題を犯した。

3.アブシャロムの謀反(15:20:26)

(1)4年かけて準備し、ヘブロンで蜂起した。
①ユダ族の人たちの心を掴む作戦

(2)ダビデの都落ち
①敵と味方が明らかになる。

(3)アブシャロムの死
①ヨアブは王の命令に背いて、アブシャロムを殺した。
※ダビデを尊敬してないから。

(4)ダビデの復権
①ダビデは最後まで、ヨアブに対して強い態度を取ることができなかった。
②ヨアブに弱みを握られているから。

※罪を犯して、それが処理で来てない時は、サタンがしっぽを握ってる。突き抜ける喜びも青空もない。

Ⅲ.補足説明( 21 ~ 24 章)

結論:歴史的事件の内にある神学的意味

1 .ダビデ契約( 7 : 1 ~ 29 )

( 1 ) 2 サム7:4~ 17 (ソロモンに焦点を合わせた契約内容)
2Sa 7:14 わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。もし彼が罪を犯すときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。

( 2 ) 1 歴 17 :7~ 14 (メシアに焦点を合わせた契約内容)
1Ch 17:13 わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。わたしはわたしの恵みをあなたの先にいた者から取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。
1Ch 17:14 わたしは、彼をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。」
※ソロモンのことではなく、イエスのことを指してると考えられる。

( 3 )ダビデ契約の本質(無条件契約)
①アブラム契約の「子孫」の条項に関係している。
②ユダ族の中のどの家系からメシアが誕生するかを明らかにした。
※ユダ族から出るのはヤコブの預言で分かってた。
③ダビデの息子の 1 人が王座を確立し、神殿を建設する。
④その息子は、罪を犯したなら罰を受けるが王位から退けられることはない。
⑤メシアはダビデの家系から出る。
⑥その王国は、永久に確立される(メシア的王国)。※千年王国

※聖母マリアもダビデの家系。ヨセフの実の子でないとしても、やはり、ダビデの家系

2 .ダビデの最後の言葉( 23 : 1 ~ 7 )

2Sa 23:1 これはダビデの最後のことばである。/エッサイの子ダビデの告げたことば。/高くあげられた者、/ヤコブの神に油そそがれた者の告げたことば。/イスラエルの麗しい歌。
2Sa 23:2 「【主】の霊は、私を通して語り、/そのことばは、私の舌の上にある。
2Sa 23:3 イスラエルの神は仰せられた。/イスラエルの岩は私に語られた。/『義をもって人を治める者、/神を恐れて治める者は、
2Sa 23:4 太陽の上る朝の光、/雲一つない朝の光のようだ。/雨の後に、/地の若草を照らすようだ。』
2Sa 23:5 まことにわが家は、このように神とともにある。/とこしえの契約が私に立てられているからだ。/このすべては備えられ、また守られる。/まことに神は、私の救いと願いとを、/すべて、育て上げてくださる。
2Sa 23:6 よこしまな者は/いばらのように、みな投げ捨てられる。/手で取る値うちがないからだ。
2Sa 23:7 これに触れる者はだれでも、/鉄や槍の柄でこれを集め、/その場で、これらはことごとく/火で焼かれてしまう。」
( 1 )遺言ではなく、ダビデの最後の詩、最後の預言という意味である。
①主の霊(聖霊)によって霊感を受けて語ったものである。

( 2 )この詩の内容
①名君とは、公義と敬虔をもって人々を治める王のことである。
*そのような王は、さん然と輝く朝日のようであり、雨に濡れた若草を照
らす日の光のようである。
*それは、ダビデの子である主イエスの生涯を預言したことばでもある。
②彼は、自らの生涯を振り返り、自分が完璧でも義なる王でもなかったと感
じている。
③しかし、とこしえの契約(ダビデ契約)のゆえに、不十分な自分でも主の守りの中にあることを信じ、主に感謝している。
④さらに、主は自分の救いを完成してくださるとの信仰を告白している。
⑤最後に彼は、「よこしまな支配者は人々に害と苦痛しか与えない存在であ
り、それに触れる者は傷を負わされるだけである。その者には苛酷なさばき
と、滅亡とが待っている」と預言している。

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