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○○ニキと言われたい願望と、その理由について


はじめに

2020年春に訪れた新型コロナウイルス禍。

当時、春以降に予定されていた数多くのイベントやエンターテインメントが中止や延期に追い込まれ、外出を自粛する風潮が強まった。
私の好きなプロレスも例外ではなく、ほぼ毎週のように足を運んでいたプロレス会場に3~4ヵ月行けなかったし、その間はテレビの無観客配信やプロレス以外の事(自炊や音楽鑑賞etc)で心の飢えを凌いでいた。

今振り返ってみても辛く苦しい時期ではあったけれど、個人的にコロナ禍で唯一良かったと感じている事がある。
それは、動画配信サービスの存在である。


コロナ禍以前はプロレスの動画配信サービスに加入していなかった私だけど、現地観戦が出来ない時期が流石に耐えきれず、無観客の大会を配信する有料サービスに加入することになったのだが、加入して以降は利便性をまざまざと実感させられることになった。


プロレスの動画配信サービスだけでなく、配信サービスでは追えない範囲の小規模興行までツイキャス等で配信が始まり、録画配信も含めれば今や「現地組だけが勝ち」という状況は、(特に有料興行に関して言うと)コロナ禍以降のプロレス界では殆ど無くなったような気がする。
だから、良い興行の時は大体「現地組も配信組も見逃し視聴組も全員勝ち組!」と私は言いがち。


だけど、そんな私でも「配信では絶対現地に勝てない」と痛感した箇所がある。
声援や拍手に代表される、会場の雰囲気作りだ。

配信時代だからこそ感じる、現地にしかない優位性。
それを踏まえた上で、今年私が目標にしている事がある。

「配信視聴時のチャットやツイートで、『○○(※)ニキ』と言われたい」
※○○には、選手名が入る


前置きすると、これは別に「トップヲタになりたい!」とか「関係者に認知されたい」というものでは決してない。
会場が盛り上がっていると捉えられたい、一種の見栄を拗らせたものだ。


配信視聴でも出来ないこと

会場でも配信でも、SNSを通じてリアルタイムで感想を呟けるけれど、現地の歓声や手拍子は現地にいる観客にしか出せない。
当たり前だけど、だからこそ痛感したこと。





私にとって、今でも忘れられない出来事がある。

自分の好きな団体の選手が他団体が管轄しているベルトを保持していた当時、その他団体で防衛戦を行った事だ。
防衛戦は大会の約1週間前に急遽決まったので、当日行けるファンも少なかったように思うのだが、その時に見かけたSNSのコメントに、私は思わず悔しさを隠すことが出来なかった。

「○○ファンって、他団体参戦の時にあんまり声出して応援しないよね…」


配信視聴でも「盛り上げてない」、「盛り上がってない」とジャッジされてしまう残酷な現実。
声を出す・出さないは人それぞれだし、今回こういうnoteを書いている私自身も、(どちらかと言えば)声を出して観戦しているタイプではないという自覚がある。


でも、動員数とか客席の声量で「つまらない」、「面白くない」とジャッジされるのは個人的に凄く悔しくて…。

だから、「現地にいる時で頑張れたら、少しずつでも声を出して選手を応援していこう」と思ったのだ。


直近だと、2024.1.2に行われた『拳王vs征矢学』のGHCヘビー級王座戦を見ていた時は、ほぼそういうマインドで声を出していたような気がする。

有明アリーナで行われたプロレスリング・ノアのビッグマッチで行われた団体の最高峰王座戦は、『丸藤正道vs飯伏幸太』が組まれたこともありメインイベントとはならなかった。

でも、「試合内容も盛り上がってなかったね」と対外的に言われる事だけは個人的に死ぬほど嫌だったので、そういうのを少しでも避けられたらという一心で、当日は会場で必死こきながら声を出していた記憶がある。
(今振り返っても、凄まじい私の一方的なエゴだと思うんだけど)

でも、当日の試合も盛り上がって、拳王と征矢にも声援が注がれて、大会後に「会場から声出てて盛り上がってたね」みたいな感想ツイートを見かけた時にはグッときたし、何より「声を出して良かった」と思わずにいられなかった。


誤解を恐れず言うと、声を出して会場が「盛り上がってる!」、「楽しそう!」とジャッジされるなら、見栄を張ってでもそう思われたい欲は、以前より確実に増した。


憧れの"ホームジャック"

声を出して観戦するタイプではない私だけれども、明確に憧れのようなものを感じたり、触発されたりした出来事が2024年に訪れた。

2024.2.7に行われた、DDTプロレスリング新宿FACE大会での事だ。


坂口征夫引退試合もあり、全席完売となったこの日の大会では、DDTと全日本プロレスによる対抗戦が組まれていた。
当日、全日本プロレスからは本田竜輝と安齊勇馬の新鋭が参戦したのだけれども、DDTというアウェーにも関わらず、試合前から安齊と本田に沢山の声援が飛んでいたのである。

ホームの全日本プロレスと同じような雰囲気を形成して、見事にホームジャックしてしまったファンの存在を見て、私はただただカッコいいという感情を抱いてしまった。


「自分もそういうファンになりたいな」という憧れは、すぐさま私の生観戦に反映されることとなった。

2024.2.16、あの時と同じ新宿FACEで行われたREAL ZERO1の興行。
結論から言ってしまうと動員そのものは苦戦して、観客数は200人を辛うじて超えるほどだった。
(満員だと500人前後で発表される印象)


でも、こういう時に「不入りで盛り上がってないね」と思われるのが一番悔しいので、この日はオープニングからメインイベントまで声を出しまくった。


でも、不思議なもので、声を出して応援していると、自然と応援してる選手の勝敗に対して気持ちがこもるように見てしまうし、何より声援合戦で会場の盛り上がりは加速していく。


この日も最後は「楽しかった!」で終われたし、後日配信された映像を見ていても盛り上がっている様子はパッケージされていたから、この大会も「声出して良かった」という思い出が残っている。


まとめ

声を出すキッカケなんて、本来なら「選手を応援する」のが先に来た方が良いし、私が書いてきたような「盛り上がってないと言われるのが嫌だから」という見栄でやるのも、正直健全ではないという自覚は私自身ある。

「○○ニキになりたい」なんてタイトルで書いているけれど、選手・関係者へ認知厨みたいな距離感のバグを引き起こしたら終わりだとも思っている。


その一方で、そういう見栄で声を出してきた中で、「小規模な会場なら、声援の不利とか印象はひっくり返しやすい」という事にも気付いた。

2024.2.28プロレスリング・ノア新宿FACE大会
『ジェイク・リーvs谷口周平』で谷口の名を叫び続けた私は、動画配信サービスのチャット欄で「谷口ニキ」の1人にカウントされていた(笑)


最初の動機は歪でも、声を出す中で思い入れが増したり、アウェーで応援していた選手が勝った時のカタルシスな酔いしれたりする瞬間は、何にも替えがたい財産となる。

2024.2.4プロレスリング・ノア仙台サンプラザ大会より
『拳王vsイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.』のGHCヘビー級王座戦は、声援でアウェーだったワグナーJr.を応援して、ワグナーJr.が勝った瞬間は一生忘れられない思い出になった。


認知厨にもトップヲタにもコールリーダーにもなるつもりは一切ないけれど、好きな団体が盛り上がってるとは思われたい。

そんな気持ちを、プロレス観戦前に綴ってみました。
今日も楽しもう!!!!

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