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プヲタが本を読んだなら~第1回・『若いカワイイからの卒業』~

2022年に入り、早1ヶ月が経過…。
今年の私は、プロレス生観戦が例年よりガッツリ減りそうな予感に満ち溢れております…(泣)。

そんな2022年の私ですが、『ネットで読書感想文を書く』事を1つの目標に出来たら…、と考えています。

前々から読書感想文を書きたいとは思っていたものの、中々手をつけられず…。
読書の習慣も絶えていたので、復活の為にも良いんじゃないかと思い、こうして筆を進めることにしました。

そんな第1回の感想文に選んだのは…、

『若いカワイイからの卒業』(著:遠藤舞)

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元『アイドリング!!!』のリーダーによるエッセイ本!
notプロレス!

何故私がこの本を選んだかと言いますと、Twitter上で見かけた、ある記事がキッカケでした。


アイドルのセカンドキャリアについて触れる筆者が気になった私は、直感で本を購入。


本を読み進めてみると、単なるアイドルのエッセイ本に留まらぬ、魅力と刺激に溢れた内容!
プロレス本では無いけれど、プロレスに通ずる気付きも感じた事が、今回選んだ理由でした。

今回は、そんなしがない一プヲタによる、遠藤舞エッセイ本の感想文になります。

①アイドル本に見せかけた『就活本』

「陰キャ」だったという学生生活から、アイドルグループのリーダーに就任することになった筆者のアイドル時代について書かれている本書。


とはいえ、この本が侮れないのは、語られるアイドル時代の経験が、そのまんま『就活本』のノウハウとしても通用する点。


リーダー就任にあたって、『頑張らなくてもできること』、『頑張らなくちゃできないこと』、『頑張ってもできないこと』を明確にしたという箇所や、オーディションを受けた時の感想や心持ちなんかは、モロ『就活本』のそれ!

特に前者は、「リーダーであっても、苦手な箇所は得意な後輩に訊くなどした」という経験談などから、自らのストロングポイントとウィークポイントを把握していなければ出来ないと思われる内容も登場。

実際、筆者は苦手で出来なかった事より、「歌が上手い」という得意を伸ばしてセカンドキャリア(ボイストレーナー)に繋げているからこそ、このノウハウにも説得力が生まれているんじゃないかと私は感じました。

②一プヲタに刺さった『アイドルは可愛くなければどうしようもないのか?』論

個人的に、作中で一番刺さったのは、『アイドルは可愛くなければどうしようもないのか?』という章でした。

題名通り、アイドルはルックス至上主義か否かついて触れているのですが、個人的には『レスラーにノる・ノれない論』に対するアンサーが弾き出されていたような気がして、凄く面白かったです。

この章では、海外ドラマを例に【ストーリー性】、【Qを出してどうAを導くのか?】という言葉が出されているのですが、もうこれまんま『レスラーのノる・ノれない論』じゃないか、と!
【ストーリーに感情移入できるか否か】という観点も、そういう思いをより強く感じさせました。

大袈裟かも知れませんが、この章を読むだけでも、プロレスファンは買いじゃないかな、と感じた次第。
全力でお薦めしたいです!


③元アイドルが提示する探求心

私自身、作中で印象に残ったのは、アイドル活動期間ないし、卒業後の比較的クローズドな内容についても触れていた点。


アイドルの"教養"問題、所謂ネットインタビューでも話題になった『低用量ピル』、自身の摂食障害の経験談に基づいたダイエットの話、アイドリング卒業後の就労経験、整形体験などなど…。


いわゆる、アイドル活動中に触れられない(触れづらい)内容にも踏み込んでいましたが、暴露本的テイストは皆無。
割とクローズドになりがちな話題に触れる姿勢は、【筆者の真っ直ぐな探求心】に他ならないのではないか、と。

29歳で引退した芸能活動の終盤、多忙なスケジュールの合間を縫ってアルバイトも経験したというポテンシャルなんか、まさに探求心の塊!

テイストやカラーは違うかもしれないですが、今の女子バレーボール界でいう、益子直美とか大山加奈みたいな存在になれるのが筆者なのかな、と私は感じました。

草の根だけど、業界の今後を切り拓くパイオニア、みたいな。

まとめ

私自身、アイドリング!!!は、サッカーのFC東京のチャント(『サマーライオン』)に使われているくらいしか知らなかったのですが、アイドルを知らない私でも楽しく読める一冊でした。

冒頭の擬音とか(「一人で下敷きを曲げてパユンパユンさせている」)、「ファンから貰ったクワガタを育てた」エピソードとか、独自のセンスが突き抜けていた印象。
これは次回作が読みたいやつ~!

握手会の話にしても、プロレスで時たま話題になる『物販のマナー問題』とモロに当てはまるなあ、と思いながら読み進めてました(笑)。


本書の終盤では、タイトルでもある『若いカワイイからの卒業』として、『消費』ではなく『投資』という観点から"若さ"が語られていたのもミソ。


ただのアイドルOG本ではない、自己啓発本や就活本の要素も含まれる一冊でした。
面白かったです!


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