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島からでもできることを証明した独自大会優勝(八重山高校OB 内間敬太郎インタビュー)

ずっと一緒の仲間と島から甲子園に

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 野球を始めたきっかけは祖父が野球好きで、小さい頃から一緒に野球を観ていたのがきっかけで始めました。

――八重山高校への入学を決めた理由などを教えてください
 最初は県外の強豪校に進学しようということも考えていました。ただ、島に住んでいるということもあり小中学校でずっと一緒の子たちが多かったので、その子たちと島から甲子園に出たいという気持ちがあったので、その気持ちが八重山高校を選んだ決め手になったと思います。

自分に打ち勝ち、試合にも打ち勝つ

――甲子園を目標としていた当時の思いなどを教えてください
 小さい頃から野球をやってきて、高校野球をするうえで一番の目標は甲子園に出場するということだったので、やっぱり島というハンデがないといったら嘘になるのですが、その中でも自分たちがどうしたらいいかということを考えて日々練習に取り組んできました。

――当時の練習で印象に残っているエピソードなどはありますか?
 僕たちのチームのモットーとして『克己心』という言葉を決めていて、『自分に打ち勝つ』という意味でした。またチームのカラーとしても『圧倒的に打ち勝つ野球』というものを掲げていて、1日に1500スイングをノルマにしていました。バッティング練習は自分たちのチームカラーを磨くための練習だったので、それが一番心に残っています。

――内間さんはキャプテンを務められていましたが、キャプテン就任当時はどのような心境でしたか?
 高校野球時代を振り返ると、1年生の時は怪我をしていてずっと試合に出ていませんでした。中学校の時にキャプテンをさせてもらって優勝したという経験があったので、怪我をしている中でもチームのために何をするかを考え、グラウンドの外から見て感じたことを伝えるようにしました。練習していない人が意見するということは「お前はやっていないのに……」と思われるかもしれませんが、チームのためにということを1,2年生の時からやっていました。
 キャプテンを決めるときに、その決定方法が皆からの投票で決めるという方法だったのですが、ほとんど全員の選手から僕を指名してもらいました。嬉しかった半面、大丈夫かなという思いもありました。ただそれよりも自信が勝っていたと思います。

夢か現実か分からなかった甲子園中止

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 本当にその時は何も考えることができなかったというか、夢か現実か分からなかったということは今でも覚えています。

――チームメイトの皆さんとはどのようなお話をされましたか?
 発表のあった日の放課後に一旦3年生だけで集まろうという話になって、その時には「まだ完全決定ではないかもしれないし、また何かあってやっぱり開催するとなるかもしれない」という風なことを伝えたのは覚えています。

島からの応援を背に受けて

――その後、各都道府県で独自大会開催の動きが進みましたが、大会の開催を聞いたときの心境を教えてください
 本当にありがたいという気持ちでした。独自大会が開催されることも当たり前ではなく、他の県では最後まで開催できなかった県もあり、その部分では当たり前ではないということで、感謝の気持ちでいっぱいでした。

――独自大会の計6試合で印象に残っている試合はありましたか?
 準決勝の日本ウェルネス戦ですね。全部の試合が印象に残っていますが、逆転できたということでは1番印象に残っています。

――独自大会開幕直後は保護者の方が入場できましたが、途中から感染拡大などにより保護者の方も入場できないという状況になりました。そのような状況での試合ということに関してはどう感じていましたか?
 やっぱり球場に来てもらえないということになった時は、テレビで放送しているということもあったので、そこで自分たちが成長した姿を見せられたらということを話したことは覚えています。

――決勝戦に勝利し、優勝した瞬間はどういったお気持ちでしたか?
 最初は嬉しかったという気持ちよりは、やってきたことが報われて良かったというホッとした気持ちになりました。

――優勝後にチームメイトと交わした言葉で印象に残っていることなどはありましたか?
 それまで副キャプテンと共にチームを引っ張ってきたので、副キャプテンと「キツいことたくさんあったな」「辛かったな」というようなことを話したのは鮮明に覚えています。

――決勝戦の翌日、新石垣空港で多くの方々による出迎えがあったとのことですが、そういった光景を見てどう感じましたか?
 これだけの人が応援してくれていたのだということを改めて感じましたし、「島だからできない」と思っている小さい子たちに「島からでもこれだけできるんだよ」ということを見せられたのではないかと思います。

――優勝した際にチャンピオンTシャツを作られたとのことですが、その点に関して思ったことなどはありましたか?
 こうやって形に残るものを作ってくれるというのは本当にありがたい事だったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

聖地甲子園であの頃を思い出して

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 甲子園は僕たちが高校野球をやるうえで目指していた聖地なので、本当にありがたい気持ちが強かったです。

――当時のチームメイトの皆さんはどういった反応でしたか?
 自分が最初にこのプロジェクトのことを知ったわけではなく、高校時代にエースだった子が「こういうのあるらしいよ」といってくれたことで知りました。そして皆に聞いて、応募してみようという話になったので参加することになりました。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 今は野球を続けていない子たちもたくさんいるので、一番はあの頃を感じられたら、楽しめたらいいなと思っています。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 まずはこのプロジェクトを応援していただきありがとうございます。当時の高校球児が目指していた甲子園という場所で野球ができるということで、ぜひ協力してほしいです。
 チームとしては勝つことよりも楽しんで、あの頃を少しでも思い出せたらと思います。ぜひ今後とも協力お願いします。
 絶対頑張ります!


プロジェクト公式サイト:https://www.re2020.jp/
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