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鶴岡東史上初の山形県内無敗の代に(鶴岡東高校OB 北原晴翔インタビュー)

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中学の先輩の存在が進学のきっかけに

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 きっかけは小学一年生の時に、通っていた小学校のグラウンドで少年野球をやっているのを見かけて、野球をやりたいと思い始めました。

――鶴岡東高校への進学を決めた理由を教えてください
 中学校で同じチームだった先輩の中に憧れている人がいて、その先輩が鶴岡東高校に進学したというのと、中学校のチームのOBの先輩方が鶴岡東で甲子園に出場した時にチームで応援に行って、その時に「鶴岡東ってこういうチームなんだ」と思って、そこを目指すきっかけになりました。

攻撃力アップのための練習を

――高校時代に掲げていた目標について教えてください
 春夏甲子園出場と、甲子園ベスト8以上を目標にやっていました。

――甲子園を目標としていた当時の練習に対する思いなどを教えてください
 自分たちの代が新チームで始動した頃は、週3日以上は絶対に全体でミーティングをしていて、目標がブレないようにすることと、直近の目標を立ててそれに向けて練習をどうするかということを話し合っていました。

――当時の印象的なエピソードなどがあれば教えてください 
 新チームになった時に、自分たちの代はどんどん点が取れる、攻撃力のあるチームにしようということを話していました。そのためバッティング練習もそうですし、バットはめちゃくちゃ振ったと思います。

――打撃練習の中で印象に残っていることはありますか?
 自分たちは普通のスイングだけではなく、変わった方法のスイングも行っていました。例えば前足を上げてスイングしたり、ゴルフスイングだったりと、普通のスイングを10回したら変わったスイングも10回するということをやっていました。
 あとは鉄バットというものがあって、ただただ重い鉄の棒をひたすら振ったり、タイヤをめっちゃ叩いたりもしていました。

打撃練習の結果が出た秋季大会、そして選抜出場へ

――春夏甲子園出場を目標に掲げていたとのことですが、春の選抜に繋がる大事な大会である秋季大会を振り返っていかがでしたか?
 初戦は不安というか、チームが出来上がっていない状態で、その中でのベストメンバーで挑んだ試合でした。やはり1回戦は緊張感がありましたね。

――そういった緊張感のある状況から、試合を重ねていくことでどのように変わっていきましたか?
 打線が繋がっていったことで練習の結果が出ていると全員が自信を持ち始めていました。打線はもちろん、投手陣も頑張ってくれたので、すごくいい形で試合を進められたと思います。

――2020年の2月に春の選抜出場の知らせを聞いた時はどういった心境でしたか?
 めちゃくちゃ嬉しかったですね。全員が室内練習場で待機させられていて、校長室に電話がかかってきてから体育館に呼ばれるという形でした。
 皆「選ばれるのかな……?」という緊張感があって、選ばれてからは全員が喜んでいて、嬉し泣きしているやつもいました。

甲子園中止は悔しさと共に、申し訳なさも

――春の選抜中止の発表を聞いた時はどういった思いでしたか?
 選抜が決まってからは雪国の山形ではまともに練習ができないので、高い遠征費を保護者の方々から出していただき関東で練習をしていたので、両親にも申し訳ない気持ちがありました。自分たちとしてもやっと決まった選抜がないというのは正直悔しかったです。
 その中でもまだモチベーションを保つことができたのは、夏の甲子園はまだ希望があったから、練習に耐えながら夏を待っていました。

――夏の甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 言葉に表すのも難しいのですが、各自部屋から出なかったですね。同級生とも顔合わせできなくて、気持ちの整理も全くつかない状況で、目標が完全に失われたという感じでした。

――そういった中での監督の言葉で印象に残っている言葉はありますか?
 「悔しい気持ちはお前たちだけじゃないぞ」と言われました。
 「野球界で同級生もそうだし、他のスポーツも全国大会がなくなっている中で、お前たちだけじゃないんだから、ずっと下を向くんじゃない。もしかしたら独自大会も開催されるかもしれないし、そこで優勝して終わった方がいいだろう」というお話をいただきました。

心強いチームとなったことを感じた決勝戦

――先程のお話しにもありましたが、各都道府県で独自大会開催の動きが進み、山形県でも大会が開催されると聞いたときの心境を教えてください
 正直なことを言えば、独自大会を頑張ろうというメンバーと、この先野球はやらないから裏方に回ろうとしているメンバーとでバラついていました。

――そういった状況で、チーム内でのミーティングなどはありましたか?
 最初は独自大会は3年生全員がベンチに入って記念作りのような形にするという意見と、ちゃんとしたメンバーで本気で優勝を目指すかという意見で分かれていました。ミーティングをする中で、自分たちの代が1年生大会から山形県大会では負けなしだったということがあり、「鶴岡東史上初めて山形で負けなかった代になろうぜ」という話になり、優勝を目指そうという形にまとまりました。

――独自大会計5試合の中で印象に残っている試合はありますか?
 決勝の東海大山形戦は、初回に相手チームに先制ホームランを打たれてしまいました。その時のチームの雰囲気が「1点くらいなんともない」という感じで、新チームを結成してからここまでやってきて、こんなに心強いチームになったんだという感動がありました。

――北原さんご自身は5試合に出場し打率.429と打撃に力を入れた成果が表れた成績だったかと思いますが、ご自身の成績を振り返っていかがですか?
 自分は下位打線で、もちろん全員が心強かったのですが、特に1,2番打者しっかり打ってくれるバッターだったので、そこになんとか繋げればと思っていました。気持ち的にはプレッシャーというよりも、楽な感じで打席に入れたので、そういった結果につながったのではないかと思います。

――決勝戦に勝利し、優勝した瞬間はどういった心境でしたか?
 ネットニュースか何かにも取り上げられたのですが、自分は嬉しくてコロナ禍なのにマウンドに上がりたくて行きかけました。周りを見たら出てこようとしている選手と、そのまま整列しようとしている選手で「あれ?」ってなって集まれませんでした。ただその後ベンチに戻ってから喜んでいました。

――優勝後の出来事で印象に残っていることはありましたか?
 優勝して学校に戻った時に、先生方と応援には来られなかったのですがチアと吹奏楽部の方々がいて、「優勝おめでとう」という感じで出迎えてもらった記憶があります。

濃密だが、それでも『やり残した夏』

――東北地方は6県の優勝校による東北大会が開催されましたが、東北大会の開催を聞いた時はどういった心境でしたか?
 まだこの仲間と試合ができるんだなと思ったら、こういった大会を組んでくださった運営の方々には感謝の気持ちでいっぱいでした。

――東北大会は計2試合を戦い、初戦の青森山田高校には4-1で勝利、準決勝の聖光学院には惜しくも敗れてしまいましたが、それらの試合を振り返っていかがでしたか?
 青森山田はライバル視というか、秋の東北大会でも当たっていてライバル意識はあったので、初戦は勝てて嬉しかったです。次の試合の聖光学院戦はサヨナラ負けで悔しかったのですが、その1週間後には甲子園交流試合だったので、帰りのバスでは次を見据えていました。

――お話しにもありました甲子園交流試合ですが、選抜の出場予定校が1試合ずつ甲子園で試合をすると聞いた時はどう感じましたか?
 本当に周りの方々に助けてもらったなという感じで、運営の方々がどれだけ動いてくださったか想像にもつかないのですが、1試合でもやれるというのは嬉しくて、感謝が大きかったです。

――その甲子園交流試合では日本航空石川と対戦し、5-3で勝利されましたが、試合を振り返っていかがでしたか?
 すごい接戦だったのと、日本航空石川さんも強いチームで、ピッチャーの方もプロ注目だったということで、試合が終わるまでどうなるか本当に分からないゲームだったのが一番印象的ですね。

――2020年の夏は甲子園中止から始まり、独自大会優勝、東北大会出場、そして甲子園交流試合と、とても濃密な期間だったと思いますが、どのような夏でしたか?
 一応交流試合で1試合やらせてもらいましたが、自分たちの中では『やり残した夏』かなと思います。やはりどこまで行けるか知りたかったので、やり残したと感じています。

甲子園に立っている姿を両親に

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 最初は半信半疑で、グループに誰かが「こんな取り組みあるで」という風に送ってきて、「え?イチかバチか応募してみるか」みたいな感じで応募しましたね。

――甲子園での開催が決まったり、記者会見が行われたりと、少しずつプロジェクトが現実味を帯びてきたと思いますが、今はどのように感じていますか?
 甲子園の抽選に当選した時に、グループで「このプロジェクトを全力でやれたらいいな」と話しましたし、徐々にプロジェクトの全体像が見えてくることが素直に嬉しいですね。どのようになるかも楽しみです。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 改めて、何でもいいので甲子園に立っている姿をもう一度支えてもらった両親に見せて感謝を伝えたいです。そういったところで、甲子園に元気な姿で立てたらと思います。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 この度、あの夏を取り戻せプロジェクトに参加させていただくことになりました。
 プロジェクトを通して色々な方々の協力が必要で、代表さんや周りの方々が立ち上げてくれたプロジェクトなので、全員で成功させたいと思います。
 なのでご協力の方、よろしくお願いします。


プロジェクト公式サイト:https://www.re2020.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/remember__2020
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