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スズキのオーブン焼き地中海風 海無し州ウンブリアの白ワイン

週末、宿泊中のホテルに入っているイタリアンレストランでのシーフードとワインの相性の探求。
過去にも何度か来たことはあるが、円安がここまで進んでいるタイミングでは初めてだ。ビストロちっくなイタリアンだが、メニューの金額を今のレートで日本円換算するとリストランテ級だ。
ワインはリスト上部のお手頃価格のものから探す。グラスでも提供しているハウスワイン的なものが目に入る。ルフィーノ オルヴィエート クラシコ。

造り手のルフィーノは1877年にトスカーナ州フィレンツェ近郊で創業、キャンティなどでもよく知られる。このワインは彼らの本拠ではなく、イタリア中部、唯一、海に面していないウンブリア州で造られたもの。オルヴィエートはウンブリア州の地方都市の名で、古くからのワイン造りで知られる。エルトリア時代 (紀元前8~1世紀) からブドウが栽培されていたとされる。

ルフィーノ オルヴィエート クラシコ 9,000円 (レストラン価格。USD 68ほどだが円安でここまでに・・・)
Ruffino, Orvieto Classico, Italy, 2020, 12%
ブドウ品種はグレケット、プロカニコ、ヴェルデッロ、カナイオーロ・ビアンコのブレンド。
青リンゴ、グレープフルーツの香りが程よく混じり、爽やかで親しみやすい芳香。微かに白い花とハーバルなタッチ。
みずみずしい果実味、酸味は穏やかでやや残糖を感じるチャーミングな余韻。やや垢抜けない感は否めない。
日本での小売価格は1,000円台といったところで、気軽なワインなのだが、ちょっとこの値段は閉口だ。

さて、海に面していないウンブリア州のワイン、シーフードとの相性は如何に。オーダーしたのはタコのグリル、スズキのオーブン焼き地中海風。

タコのグリル Polpo alla griglia
Grilled octopus, potatoes, carrots
海外サイズのおおぶりのタコ。弾力が強い。ややおおあじな感はあるが、シンプルな味付けでタコの旨味を力強く感じる。ワインのやや軽い甘みを伴う、親しみのある果実味がタコの旨味に心地よく寄り添う。
相性: ★★★☆☆

続いてスズキのオーブン焼き地中海風に。

スズキのオーブン焼き地中海風 Branzino alla meditrranea
Seabass, cherry tomato, capers, taggiasche olives, garlic, bread crums, pecorino
皮がカリカリに焼かれて香ばしい。一方で魚肉は柔らかい触感が残る素晴らしい塩梅の火入れ。淡白な印象のスズキの旨味を力強く感じさせる素晴らしい調理だ。残糖のあるやや甘みを感じる果実味に反応してか、魚の臭みが微かにだが立ち上がってしまう。そこでオリーブオイルを少々、バルサミコ酢を少々かけると、オイルで臭みがコーティングされ、バルサミコ酢の酸にワインが心地よく繋がりつつ、魚肉の旨味も真価を発揮した。
相性: ★★★☆☆

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