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エビの旨味たっぷり海の幸のパエリア スペイン・バルのハウスワインに

年末はいつもより会食の機会が増える。時節側、人数や頻度には注意を払いつつ。
写真を撮りそびれたが、先日、中華料理店での鮑ときのこのクリーム煮込みにチリワインのテラザスが素晴らしい組み合わせだった。大ぶりの鮑の旨味はきのことクリームの風味に包まれて風味のリッチなひと皿に昇華、そこにカジュアルな価格帯ながら、チリ産シャルドネの完熟した陽気な果実味に厚めの樽のフレーバーが絡んだボリュームの大きなワインと見事にバランスした。などと妄想していると、周囲のグラスが空いてしまっていて、もう一杯同じものにされますか、と発声しつつ我に返る。
 
さて、今回は東京駅付近での同僚たちとの食事。
スペイン・バルのコースでハムの盛り合わせ、スペイン風オムレツ、マッシュルームのアヒージョの後の〆に海の幸のパエリアが運ばれてきた。魚介のスープをたっぷりと吸った米にアサリ、ムール貝、小エビと大ぶりなエビがゴロゴロと混じっている。

スペイン料理にはエビがよく使われるので、エビ殻の調達には困らないはずだ。エビ殻からのエキスをふんだんに溶かし込まれたお米のエビフレーバーは、家庭料理にはとうてい真似できない。自宅での週末料理ではとうてい再現できないな、などと考えつつ飲み放題でぐびぐびとやっていたビールから、ハウスワインに切り替えて合わせてみる。
 
ボデガス・ロケタ, ロス・コンデス・ブランコ, カタルーニャ, スペイン13%
Los Condes Blanco, Spain

ブドウはスペインの地場品種マカベオに国際品種シャルドネをブレンド。小売価格は1,000円程度のカジュアルなワイン。
香りにはリンゴにグレープフルーツの柑橘がバランスよい果実香、白い花のフラワリーなニュアンスに富む。
風味にはみずみずしく伸びやかな果実味、酸味は中庸ながら的確に存在、全体的にフレッシュでシンプルながら余韻に微かに乳飲料系のタッチがリッチな印象も。
海の幸のパエリアに合わせる。口内にたっぷり残るエビの風味の余韻を、ワインの快活な果実香が心地よく寄り添い、そしてリセットしてくれる。ワインの余韻の乳飲料系のまったりとしたタッチは甲殻類のコクに心地よくバランス。パエリアに絞ったレモンがワインとの良い繋ぎ役に。
相性: ★★★★☆
 
カジュアルなワインながら地場品種がしっかりとスペイン料理に繋がってくれた楽しい相性だった。

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