お見合いおばちゃんはむずかしい

先日、久しぶりに連絡をとった友人から、「顔が広そうだから」ということで、その友人の「婚活中」の女友達に誰か素敵な独身男性を紹介してもらえないかと打診された。直接の友人から「誰か良い人いない?」と聞かれることはよくあるけれど、友人の友人となると人となりもわからないし、全くどこから手を付けて良いかわからない。写真を拝見したら綺麗なかただったしご経歴も素晴らしいし、年齢も所謂"適齢期"で文句のつけようがない。所謂「婚活市場」ではさぞ需要がありそうなのだが、自分を持った優秀な方ならなおさら、ただそんな風に客観的な好条件を並べて商品としてご自身を売り出そうとしているわけではなかろうと思ってしまうのである。そこに双方向の「主観」に訴えかける何か温かく特別なものがあってほしいのではないだろうか。才色兼備な適齢期の女性が世の中にはそれなりにいて、でも彼女たちが望む結婚をできないと感じる理由はそこにあるのではないかと思ったりする。スペックのみで合いそうな男性をてきとーにご紹介したところで、双方の時間を無駄に使わせるだけなのではないか。

無駄に考えを巡らせたあげく、私では力不足と判断。「探してはみるけど、結婚が第一目的ならやはり相談所が一番手っ取り早いのでは・・・」と何のアドバリューもないコメントをしてしまって、自らの無力さを実感したのでした。

「婚活」をしていると言っても本当に「結婚」にフォーカスしきった活動をしている人って実はそんなに多くなくて、どこかでまだやっぱり「恋愛」の要素を求めていることが多いように思う。だから結婚相談所には抵抗があったりするのかもしれない。ならまず真剣に恋愛をすることにフォーカスすればいいのだけど、それだとその後の「結婚」までの道のりが長引く可能性が高く時間が無駄だから仕方なしにその過程をすっ飛ばそうと思うんだろうな。でもその仕方なしに捨てた「恋愛」への未練があとでジワジワと結婚相手との関係を蝕んだりするんじゃないのかな。

じゃあどうすりゃいいんだ!って話なんだけど、第一印象で恋愛対象が否かを直感で見極めてしまってなかなか逆転のしようがない男性に対し、女性はあとから恋愛感情がジワジワあがってくることが大いにあり得るから、それをうまく使ったらいいのかな。男性の場合、多くの場合最初にピンと来ないならその先に無理やり進めてもあまり良い結果は待っていない気がする。一方、女性は最初にピンとくる必要なんかまったくないと思う。「いい人じゃん」くらいで十分だから、自分に好意を向けてくれる人になるべく間口を広げてみたらいいのにな。
で、そういう意味では、女性に頼まれて男性を紹介するのってすごく難しい。男性がその女性にピンと来なければもう何も始まりすらしないんだもの。しかも、「この子は一生懸命相手を探している」という印象で入ると、ハンター気質の男性は途端に興味を失ったりするし。(笑)(でも実際は女性はデスパレートなわけじゃなくて、ここから俄然ふるいにかけるんだけどね。)どうせふるいにかけるなら一本釣り狙うより定置網漁法の方が急がば回れなんじゃないかと思ったり。

近年、女性もどんどん男前になっていって、恋愛においても雄々しく一本釣りで男性を落そうとすることが増えたなあと思う。でもこれは結構高等テクニックだと思うんだなあ。沖合にわざわざ出向いて、巨大魚にターゲットを見定めて狙い撃ちにするのって結構エネルギー使うだろうし、そのあとがめんどくさい。男性はアドレナリン出やすいしあんまり何も考えていないから(ごめん(笑))、一本釣り後も「大物とったどー!」で幸せでいられるけど、女性は冷静になって、いったいこのでっかい魚をどうさばけというのだ、と愕然としたりする。そしてミソは、巨大魚が本当に美味しいとは限らないところなのだな。そこに結婚妊娠出産育児なんて乗っかってきた日には、見掛け倒しの巨大魚は最初にお役御免になるだろう。(ごめん(笑))

「結婚」というひとつの言葉が無数の全く異なるタイプの結婚を包含するのと同じように、「婚活」というひとつの言葉は使う人によって全然意味が違うんだよね。自分が本質的に何を求めているのだろうって、そこを深堀していかないと、他人の言う「婚活」に当てはめられたって一向に無限ループから出られない感覚に陥りそう。

というわけでなかなか「誰か良い人いない?」の需要にこたえられずにいる私。私の大好きな独身男友達は結構いるのだ。でも彼らに刺さるかどうか私が見極めるのは至難の業だし、何よりこの女性の「婚活」の意味を私は知らない。
ここまで言っておいてあれですが、もし私とSNSでつながっている独身男性でご興味ある方いればぜひご連絡くださいませ。(笑)

思い返してみれば、私もシングルのとき、男友達に「お前にあうやつとか俺は知らん。自分で見つけろ。」と一蹴されたものでした。
漠然と、結婚したいと思えるくらい好きな人と結婚できたら幸せだろうなあという思いはあったものの、結局私には前段が大事で、結婚が第一目的化することはなかった。この先何十年と、相手の求める基準点をクリアし続ける努力をして生きるのは考えただけで頭痛くなるから、相手にも条件で私を選んでほしくなかったし。そんなことより、私という人間をまるっと面白がってくれる人が良かった。どうやってそんな人と「結婚」に至るのかさっぱりわからなかったし、プランなんてなーんにもなかった。ただ、いまある自分を大事にして生きることと、人の良いところを探すこと、それだけやりながら楽しく生きていたら、夫がある日ぽんと現れてニコニコしながら全部決めてくれた。そんな感じ。本当に運と縁としか言いようがない。ほぼ宝くじ。全く参考にならない。人生には計画的に進められることと、自分のコントロールの及ばないどこか上空から降ってくることとがどちらも存在するのだな、と学んだ経験でした。そしてそれは良いことも悪いこともあり得る。


娘もお腹の息子も、大きくなっていく過程でそういうことを少しずつ経験していくのだろう。良いことばかりじゃない、理不尽な経験だってするよね、きっと。それでも、その都度真摯に向き合って、考えて、自分が幸せだと思う方向に向かってちゃんと歩ける人になってほしいな。まだ11か月と産まれてもいない胎児。気が早いにも程があるけれど。

婚活やら子供の人生やらに思いを馳せながら、腰痛・骨盤痛に負けず、会社ではタヌキっ腹にヒールで上司を追い掛け回し、家では中腰で11か月児を追い掛け回す。そんな毎日はすごく生活感にあふれ、スタイリッシュでもインスタジェニックでもなく、最高に温かい。
健康な体に感謝し、今日も明日も明後日もがんばろう!

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