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Winter break 1: ライティングの肝はリーディングにあり〜社会人17年目のイギリス留学🇬🇧

今日の写真は、クリスマス直前のステューデントセンターで自習をした時のものです。
授業が終わって一息つくタイミングだったので人がほとんどいませんでした。。!

さて、note更新が少し久しぶりになりました。
授業が終わって、3本のエッセイ提出が連続しており、合計8,000word(3,000、2,000、3,000)の山を超えました。
こんなに英語を書いたことがなく、最初の750wordの時に、あまりに辛くて自信喪失をしていたので、なんとか終えられてほっとしています。そして自信にも繋がりました。

ということで、先生たちからのガイダンスや、クラスメイト同士などの会話で気づいたライティングのコツをいくつか記録しておきたいと思います。

①"読んだ量"が書く量と質を左右する

読んだ量に比例する、というのはどの先生もおっしゃいます。考えてみれば学びに来ているので当たり前ですが、本当にリーディングが重要。その理由は、英語を第二言語とする前提で3つ。

  • 言い回しや表現量を増やす

  • 自分が採用するconcept(=専門領域。theory,lens,framework)を決める

  • 採用するコンセプトの中で起きている最新の議論に触れる

ひとつ目は、語学学習として一般に言われることとで、インプット(リーディング、リスニング)されていないものは、アウトプット(ライティング、スピーキング)できない、というシンプルな話です。どんな文章でも良いので触れる量を増やさないと、ワードを開いても白紙の前に立ち尽くすことになります。習うより慣れろ、ですね。

二つ目、三つ目は、この2つを分けて考えることを先生に薦められて、実践してみて有益だなと感じました。
二つ目は、どの専門領域についてこれから自分は語るのかを特定するために、そもそもどんな領域があるのか、を知るために論文を読むということです。アカウンティングの場合、管理会計、原価計算、説明責任、CSR、などであったり、もう少し広く、ステークホルダーセオリー、エージェンシーセオリー、などもあります。
自分の興味関心がある分野は何なのか、もっと言うと、好きな研究者群を特定する、という感じかなと思います。
授業中にいろいろな領域を説明されるので、あ、この考え方好きだな、と思った領域の研究者や、よくその領域を掲載している専門誌がどれなのかを見つけると探しやすくなります。また、読んだ論文の参考文献リストを確認すると、必ずいる研究者や論文があり、そうした論文は目を通すようにするのも有効でした。
今回のエッセイで、自分が好きな研究者はこの辺で、よくこの雑誌に載ってるなーというのがわかるようになったのは収穫でした。

三つ目は、例えば、原価計算一つをとっても、トレンドがあるので、その中で今の最新はどんな議論があるのかを理解するということです。
例えばコロナであったり、政治的な背景、技術トレンドの変化、などなどいろんな要素で議論は変わるので、今はどんなトレンドがあるのか、を知るというイメージです。
こちらは、とにかく専門誌の最新号で自分の気に入ったセオリーで検索かけて、たとえば、最近、説明責任に関してどんな議論がされてるの?を調べます。
Google scholarなんかでお気に入りの論文が引用されたらそれを読む、みたいなのも試してみたいなと思ってます。

②美は細部に宿る

エッセイを書き慣れていない頃にやりがちな失敗が、イントロで詰まってそのまんま先に進めない、というケースです。
私も最初のエッセイでこの沼にハマりました。そんな時に、クラスメイトが、
"私はfindingsから書き始めたよ。なぜならそこが一番要求される文字量が多いから。先生もここを最も採点で重要視すると思う"
と言っているのを聞いて、イントロを書くのを中断して、findings、つまりボディに着手しました。

ボディの部分は、読んだ内容をもとに、細部に矛盾がないよう、意見を組み立てていきます。実際に書いてみると、新たな発見やもう少し調べてみよう、みたいなものがどんどん産まれてくるので、この中身を細部に渡って埋めていくというのが論文の質、量ともに要になると感じました。
書きながら、ここはイントロで事前理解を説明してからの方がいいな、という時に戻って書き直すという流れで、イントロも自然に書き上がりました。
細部を詰める時は、全体の構成がまとまっていなくても、メモで文章をどんどん残していくようにしました。
私の場合は、
・読んだ論文に書き込み
・書いた内容見ながらノートに手書きで書き込み
・OneNoteでメモ書き、どんどん追記
・Wordに移して仕上げ
というようなステップを取ることが多かったです。OneNoteのメモ書きからWordに移るタイミングあたりは、机に向かっている時よりも、散歩したりゴロゴロしたり、お風呂タイムなどの方が、こういう構造で繋げよう、と閃くことが多かったので、わざとリラックスする時間を取ったりもしました。

③メッセージを固める

セオリー、最新のトレンドは、自分の言いたいことを伝えるための道具なので、結局、自分はここで何を言いたいのか?を細部に渡って考えている間も、少し客観的な目で自分を観察するのが大切でした。
期日が次から次へとやってくると、プレッシャーもあって、upsetしてしまうため、この客観性がなくなりがちです。なので、そんなタイミングでは、クラスメイトに声をかけて、とりあえずzoomを繋いでディスカッションしてみたりすると、頭がスッキリして進んだりもしました。

④セオリー、レンズ、フレームワークで言いたいことを言い換える

②③と関連しますが、自分が言いたいことを表現する際に、その専門領域の用語で言い換えるとどうなるのか?にこだわることで、自分の内部の興味関心と、アカデミックの世界がつながります。
アタカマ砂漠で起きている事象は、説明責任の世界ではどう表現できるのか?原価計算の面からみての課題は?あるいは、政策領域からはなんと考えて表現できるのか?
今回の3つのレポートは、いずれもファッション業界を取り上げて、いろんな角度から検証をしてみたのですが、あー、一つ目のレポートで説明しきれなかったことは、二つ目、三つ目のレポートの概念を使えば、理解できるんだな、という感じで深まっていく感覚がありました。
こちらはまた別記事にしたいと思っています。

⑤読み手(先生とクラスメイト)へのおもてなしがスパイス

最後に、誰のために書くの?読み手は誰?というのを意識して、先生が読んで発見があって、楽しいエッセイを書こう、という気持ちを忘れないようにしました。
先生の専門分野はもちろん、授業を通じて理解している(はず)なので、それに対して自分なりの意見や発見を書くことで、先生たちの研究にインサイトが少しでも与えられると、アカデミックの一員としても役割を果たせるかなと。
日本人はそんなに多いわけでもないですし、私の場合はキャリアがコンサルなので、そういったバックグラウンドから言える意見というのを、専門用語を使って表現する、というのをエンジョイしました。

おまけ〜参考文献は何本になった?

3,000wordのエッセイの時に、先生から以下の文献量を読み込むことを推奨されました。

・コンセプト(領域)の最新動向を理解する直近5年以内の論文を4本
・その他の文献を10本

この目安に対して、実際どうだったのか?を書いてみたいと思います。

①Sustainability Accounting and Reporting (3,000) 合計18本

a) Concept定義のための論文 1本
b) Concept内のトレンドを知る論文 4本
c) 関連領域の論文 4本
 ※会計基準(IFRS S1, S2)含む
d) その他 9本
 ※企業のアニュアルレポート
  NGOのレポート
  ニュース記事など

②Sustainable Developmet (2,000word) 合計11本

a) Concept定義のための論文 2本
b) Concept内のトレンドを知る論文 1本
c) 関連領域の論文 3本
d) その他 5本
 ※NGOのレポート、ニュース記事など

③ Accounting, Organisations, and Society (3,000word) 19本

a) Concept定義のための論文 2本
b) Concept内のトレンドを知る論文 4本
c) 関連領域の論文 1本
d) その他 12本
 ※企業のアニュアルレポート
  NGOのレポート
  ニュース記事など

参考文献数は、10を超えていますが、論文ではないその他がボリュームが多いです。
また、関連文献やその他は、①〜③で共通しているものも多いです。あと、これは引用した文献の数なので、ここに至るまでに、読んだけど使わなかった文献もあります。

なお、先生がおっしゃった10本が学術的な論文を指していたのか、ニュース記事なども含めていたのか、よくわかっておりません。。。

春学期もたくさんインプットして、アウトプットに繋げていきたいと思います。

それでは今日はこの辺で。
みなさま、ごきげんよう。

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