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Week10: EV自動車普及の鍵?バッテリースワッピング〜社会人17年目のイギリス留学🇬🇧

今日の写真は、イースターでお国に帰っていたパキスタン🇵🇰の友達からもらったお土産品です。
パキスタンでは、アートトラックと言われるいわゆるデコトラが物流を担っていて、そのデザインにインスパイアされたお土産品がたくさんあるそうです。そんなアートトラックをモチーフにしたコースターなどをいただきました。
日本でもデコトラってのがあるよ!同じだね!考えること同じだね!と盛り上がりました。
こんな日常生活に溶け込んだ文化を知ることも友達作りには大事だなぁと思いました。

ということで、今日は、脱炭素の中でも身近なEV(電気自動車)と、その普及の鍵になるかもしれないバッテリースワッピングのユニコーン企業について書きたいと思います。

1. なぜEV?🚗

日本では、ハイブリッド車が浸透していることもあって、EVってほんとにくるの?と懐疑的な人が多いんじゃないかなと思います。
正直なところ、新しくEVのための電気スタンドを作るためにもエネルギーが必要だし、ハイブリッドで徹底的に効率化した方が良いのでは?、と思ってしまうのですが、脱炭素のためには、少しずつでもシフトしていく必要があると考えを改め始めました。

理由はそのエネルギー効率。

知らなかったのですが、ガソリン車は走る時にエネルギーを熱として消費してしまい、モーターを回す運動エネルギーとして使われるのはわずか40 %なのだそう。
一方、電気自動車は走る時は90%のエネルギー効率で、熱エネルギーとして逃げることなく、走るための運動エネルギーに使われます。
また、EVの蓄電池に電気を溜めておけることもメリットです。

発電所での発電効率や排出される炭素の問題は残りますが、EV化と並行して、電力源を再生可能エネルギーに移していったり効率化を進めることで、要は、”自然界にある資源を効率よく使える”ようになるわけです。

例えると、ガソリンなどの化石燃料は、地球がゆっくり貯金した埋蔵金、太陽光や風力は月給みたいだな、と思います。
月給の中でやりくりするために、いったん、「電気」といういろんな用途に使える形に変えることで、地球が長い年月をかけて蓄えてくれていた埋蔵金を取り崩す必要もなくなるわけです。
月給をしっかり認識して、なるべくセール(晴れ)の時に買い物(太陽光発電)して、電気として貯めたり(蓄電池)、安い時に贅沢する(自動車だけでなく掃除機とか洗濯機とか電車とかいろんな用途に電気を使う)ってイメージですね。
なので、なるべく電気に統合していくといろんな用途に使えるので、長い目で見るとお得!と理解するとわかりやすいと思います。

2. 面倒なチャージ🔋をカンタンに!バッテリースワッピング

ただ、ユーザー目線ではガソリンを入れる方が電気を充電するより簡単だよな、と思いませんか?

充電方式にもよりますが、急速充電でも20分ほどかかるそうで、しかも、急速充電するとバッテリーが早く傷んじゃう。これはケータイを長く使っているとバッテリーが痛むのと同じ原理です。

この面倒くさい、を解決するために、バッテリースワッピング🔋↔︎🪫というサービスがチラホラ生まれ始めています。
充電をするのではなく、バッテリーをカセットテープ📼を変えるみたいにガシャコン!っと満タンなものと取り替えるわけです。

日本では、修学旅行でおなじみの京都のMKタクシーで実証実験が始まっています。

3. バッテリースワッピングはまだまだ生まれたて👶

IEAのEV Outlookによると、世界では中国がEVの普及が進んでいることもあり、バッテリースワッピングも先行しています。また、インドの二輪車や三輪車の市場も、成長市場になっているそうです。インドの友人いわく、四輪の車は高くて買えないから、二輪からイノベーションが起きるのは納得、って言ってました。

ただ、いわゆる先進国はすでにある程度の人が車を所有していますし、マーケットの様相が異なります。
そんな市場を牽引しているのが、アメリカカリフォルニアのユニコーン企業のample

一般の乗用車ではなく、タクシーやUber、宅配便など、近距離の中でたくさん走行するビジネスをしている企業を対象に、まとまった需要を生み出そうとしています。
こうした運搬系のビジネスは、チャージのための時間がその日の売上の低下につながるので、バッテリースワッピングと相性がいいのです。
逆に一般乗用車だと、夜間に充電すればよいので相性がよくないのだそう。

ただ、車種やメーカーによって当然ながらバッテリーの形状が違う。
好みや用途によって車種を選べるのが車好きの人たちの醍醐味だと思いますが、バッテリースワッピング目線だとデメリットになります。
ampleの強みは、モジュール化したバッテリーを組み合わせてどんな車種でも対応できるようにしていることなのですが、日産やトヨタのような自動車メーカーとのパートナーシップは必須です。
既存の自動車メーカーがEVに舵をきっているかというとまだまだハイブリッド車の方が売上としては大きいですし、ユーザーとしてもハイブリッドの方が現状ではまだガソリン代などを考えてもお得だったりします。

ただ、冒頭の通り、EV化は脱炭素に向けて必要な取り組みではあるので、ampleのように、近距離の運搬ビジネスなど、マーケットを絞って一定の需要を掘り起こしていくこと、自動車メーカーとしてもそのマーケットに限定した車種の開発、政府としても特定のマーケットが一定の規模に育つための助成や金融機関の投資の促進策などの取り組みが必要になるように思います。

成長するならものすごい成長となるでしょうし、とても興味深いマーケットだなと思います。

おまけ)再訪したい国、中国はやっぱりすごい🇨🇳

EVに限らず、何かと中国の脱炭素テクノロジーの進歩は凄まじく、例えば太陽光パネルのシェアも世界一です。
私が高校や大学の頃の途上国のイメージは数値を見る限り、過去のことになっています。このダイナミックな変化を感じるためにも、ぜひ、中国には行ってみたいなと思ってます。

高校生の時の修学旅行が中国で、かれこれもう20年以上前になりますが、当時はいかにも途上国で、これから成長するんだ、というものすごいエネルギーを感じました。どこもかしこも工事していて、気を抜くと「10元10元」といって、お土産もののストラップを売ろうとしてくる。どこもだいたい同じようなものばかりなのですが、翌年、後輩たちからもらったお土産は、一年前のそれからは、ちょっとグレードアップしていて、1年で変わるんだー!とびっくりしたのを覚えています。

かたや今は、周りの留学生たちを見る限りなんだかめちゃくちゃオシャレだし、ライブ翻訳機能を使って授業を受けていたり、近未来感があります。中国出身の先生も、コロナ後久々に帰国したらEVが走りまくってて驚いた、イノベーションが起きていると言っていました。

アメリカやヨーロッパの脱炭素は、すでに化石燃料ベースの社会が出来上がっているので、既存のインフラから移行するというワンステップを挟む必要があり、どんどん発展していく国のスピード感とは違うのかな?という印象。

一方で、世界の工場と呼ばれて久しいだけに、二酸化炭素排出量もピカイチなのですが、ものすごい勢いで脱炭素していくんだろうなと思います。

それでは今日はこの辺で。
みなさま、ご機嫌よう。

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