二つ上の先輩が初めて敬語以外で僕にかけてくれた言葉は「ありがとう」だった
人生復帰を懸けたバイトを実はコソッと行っている。そのうちの一つが文房具屋なのだがバイトなど雇っておらず正社員の巣に私が特別バイト生としてお邪魔している。
年齢層は高い。空気もまぁ少しピリピリしているかな。
その中に若い可愛らしい背の小さい先輩がいる。
その先輩の行動を見ると私に近いものがある。
優しいんだろうけど。他人を幸せにするだけで自分を幸せにできない子。
今日はそんな彼女と二人きりで。話した。
実は私周りの目が怖くてさ、この仕事もあってなくて。と話を切り出してくれた。
先輩はとにかく優しい人だから。その優しさを自分からこの人にあげたいって思える場所を探して!
人のために優しくならなきゃって言う世界は先輩にはもったいないから。先輩みたいな人には幸せになる権利がある!
本音だ。
その本音に彼女は今にも心の涙を流してくれそうだった。
彼女は本当に人のことを考えてあげられる人で、すれ違うたびに年下の俺にまで敬語で心配してくれるのだが。
そんな先輩の安心した本音のタメ語が。
ありがとう
と漏れた。
その瞬間が女の子として多分1番彼女が可愛くて純粋だった。幸せになってほしい
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