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ビジコンとはなんぞや.

 こばやしです.掲題のビジコンとはビジネスプランコンテストのことで,僕はこれまでこのビジコンに対し原因不明の違和感を抱いていた.が,最近実際にビジコンを会場で見させていただく機会があり,少し自分のなかで整理がついてきたので,この違和感の正体をnoteに書こうと思う.
(なおこれは所属とは関係のない個人の考えです.)


ビジコンには本質的な価値があるか?

 よく言われるこれ,will,can,must.それぞれ,
will=やりたいこと
can=できること
must=やるべきこと
この3点セットが揃ったものが,自分にとっても社会にとっても良いパフォーマンスをするよねというやつ.
 で,先日会場の端っこでビジコンを見させていただいた感想として,話の比重がwillやcanよりも圧倒的にmustであること,そしてきっとそれが根幹の審査基準なのだろうということ.つまるところ社会的にどれだけ価値があり,求められるビジネスプランかという点.でもそれ本当にやる気あんの?と思ってしまう.

 そもそも,willやcan,つまり『自分がやりたくて,自分でできること』であればビジコンなんか出してないで勝手にやってるよね,という話.なのでビジコンはその性質上,『社会的にやるべきこと(必要とされていること)』に比重が偏るのは当然と考えることができる.それのどこが問題か?

自分はやりたくもなく,自分でやれもしないが,ロジカルに説明できて審査員のウケがいいビジネスプラン=優秀なもの とされるところ.審査基準に合わせて事業をつくってみることに何の価値があるのか?

 つまり,ロジカルに説明できる範囲の現実性までは提示しているが,本当に自分が心からやりたいことか?と問われればYESとは言えないものである.審査員はそこを見極める必要があり,それはかなり難しいことだと思う.審査員が自分で事業をつくった方でない場合はなおさら.

 いやいや,賞金が出るのだからいいじゃないか,と思うかもしれないが,本気で事業を作ろうとすると一般的なビジコンの賞金額では到底足しにしかならない.(勿論必要資金額は一概には言えないが.)しかも自分のビジネスプランを公にすることになり,審査される側にはリスクがある

 さらに,ビジコンには審査員側にもリスクや問題があると思うのだ.
それは審査したことで,後々『真似した』と言われるリスク.元々審査員が個人的に考えていた内容と,ビジコンで審査を務めた内容とが一致もしくは近い場合,そのようなリスクが十二分に考えられる.そして問題は,審査員のリサーチが足りているか?という点.先日ビジコン会場で聞いている限り,ビジネスプランに関する審査員から登壇者への質問がそもそもかなり少なかったり,質問が極めて浅かったりして,僕はその点不安になったんだよね,じつは.一部で学校教育にビジコンを取り入れようみたいな動きがあるらしいけど,それは少し短絡的なのではと思う.

 つまるところ,ビジコンをやりたい人はやればいいし,そこで優秀とされれば喜べばいいと思うけど,本当に優れたアイディアで,かつ自分がやりたくてできることならビジコンなんか出なくてすんでるよねという話.そして主催側で審査しなければならない立場なら,mustではなくwillやcanを見極める必要があると思うんよ.さもないとそれはLogic gameだから.そういったビジネスを育てる,審査する,というものがビジネスプランを数打って,そのうちいずれかが社会で大当たりすればいいやスタイルなら別にいいけど,話を聞いてみる限り,どうにもそんな感じはしていない.そもそも本当に優れたプランを審査員が理解できるの?と思ってる.周りが理解できるものはその程度であるということ.僕はtwitterでLikeが集まるものはその程度のもので,大衆が誰もリアクションできないものにこそ価値があると思っているタイプの人間なので.


追記:“最終的に本当に起業している人を見ると、学生起業経験がある人は3人に1人もいるが、ビジコン経験者はほとんどいない”というデータ.なおこのデータの真偽は立証していませんので悪しからず.
(https://willfu.jp/willfulab-4/businesscontest_ng/)

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