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めちゃくちゃに遅ればせながら『ファイナンス思考 (著・朝倉祐介さん)を、今読んでみた理由

2018年7月に出版された #ファイナンス思考  を読んでみました。

実は具体的な事例が紹介されている第3章、「ファイナンス思考を活かした経営」は未読です。巻末の特別付録、”会計とファイナンスの基礎とポイント”は斜め読みです。が、エッセンスが凝縮されているのを感じます。


PL脳

この本の最大のキーワードの一つが、タイトルとなっている「ファイナンス思考」の対概念的に示されている「PL脳」です。

「PL脳」とは、「売上高や利益といった損益計算書上の指標を、目先で最大化することを目的視する思考態度」のことです。

第1章 PL脳に侵された日本の会社とビジネスパーソン

PLを次のように説明されています。

損益計算書の内容はあくまで、過去の一定期間における業績の「結果」を示しているにすぎません。一定期間の売上高や利益といった損益計算書上の数値を最大化しようとする取り組みは、必ずしも会社の長期的な成長につながるとは限りません。

PL脳は短期的なもので、将来に向けて連続的なものではない、ということです。

ファイナンス思考

ファイナンス思考。そのエッセンスは次のようにまとめられています。

会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方

したがい、ファイナンス思考は次の特徴を備えていると説明されています。

価値志向であり、長期志向、未来志向

第1章では PL脳の行動パターン が5つ紹介されています。その4つ目に「事業特有の時間感覚を勘案しない」が挙げられています。PLは単年度、1年で区切られます。事業のステージやその特徴からもう少し時間軸を広げる必要があるものも、1年で評価、判断してしまう。

清水大吾さん著『資本主義の中心で、資本主義を変える』 で印象深いキーワード #アワビは3年  が思い起こされました。

PL脳の時間感覚とは対照的に、ファイナンス思考は

長期的であり、自発的

第2章 ファイナンス思考なくして日本からアマゾンは生まれない

ファイナンス思考では、事業の時間感覚に即した方法で、資金を調達し、活用します。

紹介されているビル・ゲイツ氏の言葉が印象的です。

うまくお金を使うことは、それを稼ぐのと同じくらい難しい

ファイナンス思考を次のようにも説明されています。

会計は、会社の「現在地」を知るために必要なスキルセットです。対してファイナンス思考は、会社がどの「目的地」に対してどのように進むべきかを構想する考え方です。

ファイナンス思考は未来をどうイメージして、そこに向けてどんな打ち手を実行するか考えるためのもの。

ファイナンス思考に関する朝倉さんの著書は既に読みました。

今、この本を読んでみた理由

会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方

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