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リフォームのプロが自宅用に中古住宅を購入してリフォームした話 #2「中古戸建&リフォームか、新築かの迷い」

新居の準備に差し当たり、「新築にしようか、それとも中古戸建を買ってリフォームしようか」については大いに悩みました。

本業で対応させていただくお客様の中にも、やはり同じ悩みをお持ちの方は数多くおられます。皆さん、悩まれるポイントはだいたい同じなんですね。

そこで今回は、「どんな手順でその悩みを解決したか」ということについてお話してみたいと思います。かなり再現性の高い内容になっていると思いますので、参考にしていただけましたら幸いです。


▼まずは希望エリアの不動産取引データ分析から


我が家の場合、家族からの強い要望があり、エリアは限定されていました。
なので、新築の場合と、中古戸建&リフォームの場合の両方の相場観を掴むために、希望エリアの不動産の取引データ分析から始めました。

ちなみに、当時使ったデータは保存していなかったので、本日(2023年10月10日)時点で国土交通省の土地総合情報システムで実際に行われた不動産の取引価格について調べてみると、こんな感じでした👇

不動産取引価格情報①
https://www.land.mlit.go.jp/webland/

大事なところを拡大したものがこちら👇

不動産取引価格情報①の価格と面積部分の拡大

面積の割に、かなり安いです。
つまり、ちょっと生活に不便な田舎なんですね。

なので、平凡なサラリーマンである私でも、家族4人が暮らすには十分な広さの建物を新築で計画することは不可能ではありませんでした。



〈余談〉
ちなみに、このサイトは便利ではありますが、解像度の粗い情報しか掲載されていませんので、写真や間取り図があるような詳しい情報が知りたい場合は、不動産屋さんに「〇〇町〇丁目」の取引事例を教えてください」と頼めば出してくれるはずです。住みたいエリア周辺の取引事例は物件の価格交渉をする上でも大切な情報になりますので、必ずチェックするようにしてください。


▼希望する建物の性能や設備・建材のグレードを選択した場合の相場観を掴む


新築でも手が届くとなると、日本人の私は、例に漏れず「そら新築の方がええわ!」と思い、例に漏れず、住宅展示場にも夫婦で足を運んだのでした。

目的は「一〇工務店と住友〇業のグレードラインナップの内容と坪単価を知るため」でした。

何故この2社だったのかと言えば、ハウスメーカーで新築を建てるつもりは全くなかったのですが(当日接客してくださったご担当者様、本当にごめんなさい!)、もしハウスメーカーで選ぶとしたらこの2社で検討するかな、という個人的な好みです。

結果、自分が新築に求めるグレード(断熱や耐震性能、住設や建材のグレード等)を実現させるとなると、妥協できるギリギリが坪80万円程で、願わくは110万円程かかることが分かりました。


▼希望の間取りから、必要な建物の大きさを知る


我が家の希望の間取りはこんな感じでした👇
・20~25帖のLDK(対面キッチンにしたい)
・8帖の書斎(W1800の大きなデスクを置きたい)
・子供部屋2部屋 各6帖程度
・共用のウォークインクローゼット6帖程度
・夫婦の寝室 8帖程度(キングサイズのベッドを置きたい)

部屋の広さだけに限定して考えるとこんな感じ。

ここに玄関や廊下、トイレや風呂などを含めて考えると、床面積は40~45坪くらいあればいいよねということが分かりました。

この床面積に先ほどの坪単価を掛け合わせると、妥協ギリギリで3,200万円くらい。満足プランで4,950万円程が建物価格になりそうだということが見えてきました。


▼建物以外にかかる諸費用のうち、住宅ローンに組み込めるものを抽出する


新築の場合、外構、ライフライン敷設が別途必要になります。
ここは状況に因り大きく異なりますので、少し幅を持たせて300~600万円を想定。

次に希望する外構プランから必要な土地の面積を割り出します。
床面積40~45坪の建物を建てるための土地面積は、車2台駐車可能な駐車場と、外壁や屋根のメンテナンスの際、足場を立てるのに十分なスペースを考慮すると43~45坪は欲しいよね、ということが見えてきました。

ここで先ほどの国土交通省の土地総合情報システムで付近の地価公示を確認すると、凡そ40,000円/㎡であることが分かりました。
(地価公示:実勢価格は地価公示の約1.1~1.2倍と言われています。いわゆる目安となる参考金額です)

そうすると、土地は650~720万円程で手に入りそうだなということが見えてきます。

更に、住宅ローンの保証料、不動産仲介料、火災保険、登記費用(司法書士報酬等)などの諸々が200万円程かかりそうです。

全部合計すると、住宅ローンで賄える出費としては4,350~6,470万円程になりそうだということが分かりました。

さすがに、5,000万円を超えるつもりはなかったのですが、自分の「細部までこだわる性格」を考えると、現実的には5,000万円を超えてくる可能性は十分にありました。

更に、引越し、家具、照明やカーテンは貯金から捻出するつもりでしたので、そこも含めて検討する必要があります。

ただ、以上のような一連の情報収集と分析を通して、私の中には、
「新築で床面積40~45坪くらいなら5,000万円に収めることができるけど、ちょっと我慢するところは出てきそうなのね。そこと比較して、中古購入+リフォームのメリットを探っていけばいいのね。」
という方向性が定まりました。

ここまで読んでいただいた読者の中には、「なんで自分でやらないの?自分でやったらもっと費用落とせるやん」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、それだと銀行ローンが通らないのです。

銀行も、ある程度大きな金額の融資となると、「どんな会社に施工を依頼するのか」というところも審査の中にはいってきます。なので、なかなか自由にはなりませんでした。


まとめ

①希望エリアの不動産取引データ分析
②希望する建物の性能や設備・建材のグレードを選択した場合の相場観を掴む
③希望の間取りから、必要な建物の大きさを知る
④建物以外にかかる諸費用のうち、住宅ローンに組み込めるものを抽出する


それでは今回はこの辺で。

読者の方にとって有益な情報になりましたら幸いです。

万希


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