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支援する私たちが、協力しあって

こんにちは! レオ・エースです。
花粉が辛い方もいらっしゃると思いますが、だんだんと春が近づいてきていますね。
私は精神障害を抱える方のお手伝いが多いのですが、今年は暖かくなったり、雪が降ったりと気候が安定しないためか、調子を崩すかたが多いように感じています。
皆様は、元気でお過ごしでしょうか。

とある関係者会議で…

障害福祉の現場で働いていると、担当している方の親御さんも高齢になり、介護保険サービスを利用しているというご家庭にもよくお会いします。
私が担当しているBさんは重度の知的障害を抱えていて、まもなく還暦を迎えようとしています。Bさんは障害者支援施設に入所されているのですが、これまではお母さまが足しげく施設に面会に来られていました。しかし、新型コロナの影響で施設側の対策として、完全に面会をお断りするという時期がしばらく続きました。

そのコロナ禍の中で、ある日お母さまが転倒し、足を骨折するということが起きました。その際は近くにお住いのBさんのご兄弟が対応したそうですが、お母さまは自宅に戻ってから介護保険でヘルパーやデイサービスを利用するようになりました。

ですが、実はBさんにはもう一人ご兄弟がおり(仮にCさんとしましょう)、Cさんは重度の精神障害を患っており、お母さまの入院を機に症状が悪化してしまいました。そこでCさんは身の回りの世話を、障害福祉サービスを利用しヘルパーさんにお願いすることになりました。

私は昨年の夏ごろにこうした状況になっているというのを、市の基幹相談支援センターの相談員から初めて聞きました。そこで、私はBさん、Cさん、お母さまの担当相談員を集めて、一度情報共有に会議をしましょうと提案し、基幹センターと地域包括支援センターが共同で音頭を取っていただき、この世帯の支援を考える関係者会議を開くことになりました。

私やCさんの計画相談の方は、Cさんとお母さまの生活を支えるために障害福祉と介護保険の支援をうまく配置し、今後Bさんのキーパーソンとしてお母さま以外の親族が担えるのかを建設的に協議したいと思っていました。
ところが、お母さまのケアマネさんからこのように言われてしまいました。
「お母さんのサービスはこちらで管理します。あえて障害のサービスと何か話し合うことは必要ないと思います。」
・・・、私とCさんの計画相談員は、言葉を無くしてしまいました。
関係者会議の司会をしていた基幹センターの相談員さんが、何とか雰囲気を和めようと苦労していたのをよく覚えています。

多職種(他分野)連携の難しさ

もちろん、立場によって見ているものも違いますし、ケアマネや計画相談は同じケアマネジメント専門職ではあっても、その基礎資格も様々です。今回のお母さまのケアマネさんも考えがあっての発言とは思っています。
それでも私としては、同じ世帯の方々を支えるものとしての姿勢がもう少し共有したかった、というのが正直なところです。

計画相談の業務の中には、関係者との円滑な連絡調整や連携が求められる場面がたくさんあります。その連携先は、他の障害福祉サービスの関係者はもちろん、高齢者福祉分野、子ども家庭福祉分野、困窮者支援分野、行政や医療機関、NPOなど多岐に渡ります。計画相談はソーシャルワークを担うものとして、それらの専門職と協働してチームとして支援を提供します。いわゆる多職種連携というものです。

ただ、この多職種連携はいうほど簡単なものではありません。なぜかというと、それぞれの専門職の専門性が異なるからです。また、支援分野によって得意とすること、持っている情報量も異なります。

例えば、医療職の専門性は「病気や疾患を治療する」ということに特化しています。その専門性を活かして全力で患者の治療に当たります。それは医療職にとって最優先になるものです。
一方で学校の教育者の専門性は「生徒を教育し、学びを得させること」というものがあります。その中には定期的に登校し、授業を受けさせることが含まれます。
さらに福祉職になるとまた少し異なります。福祉では「いかに本人らしく暮らしていけるかを、本人と一緒に考える」ことが支援の根底にあります。なので、本人が納得できない治療をせずに残された日々を悔いなく過ごすことも、本人がしっかり理解しての上ならありだと考えます。他にも仮に障害特性により登校できないとしても否定せず、本人らしく過ごす方法を一緒に探っていきます。

簡単に紹介しただけでも、その専門性に大きな違いがあることがわかると思います。

そんな中でどのようにうまく連携していくことができるでしょうか?

日頃から顔見知りになろう

ひとつの方法としては、普段から互いに顔の見える関係を作っていくことができます。
現在は、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」や「重層的支援体制整備事業」など多職種連携が基盤となる協働の仕組みが動き始めています。障害福祉であれば地域の自立支援協議会の企画として、他分野の専門職との座談会や意見交換会を企画し、それに参加していくことができます。互いにケースの支援について語り合うだけでも、他分野の専門職の仕事について理解を深めることができます。場所によっては、社会福祉士会や精神保健福祉士協会、相談支援専門員協会や介護支援専門員協会で似たような企画があるかもしれません。
もしもそのような機会があったら、積極的に参加し、話を聞き、名刺交換して何かあれば頼ってみましょう。にも包括にしても重層にしても、しっかりと形作られるには、個々のケースの支援を通してでしか成しえないと考えています。ですから、まずは知り合い、次に話を聞き合い、そして協働していきましょう。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次もよろしくお願いします!

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