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“和泉竜司”という才能

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【KEYWORD①】僕個人として海外でプレーをしたいという強い思いがあるので、名古屋グランパスで活躍して、海外でサッカーができるようにという思いが強いです。(和泉竜司 2015年 明治大学体育会サッカー部 Jリーグ加入内定選手合同記者会見にて)

ベールを脱いだ背番号29


Jリーグが開幕した。土日は諸用で取材に行けなかったので、次の試合日がくるまで色々と試合を確認している。その中で、一番最初にフルで視聴したのがG大阪と名古屋の一戦だった。

クルピという名伯楽に率いられたG大阪は、三菱養和SC・Y時代に試合を見て衝撃を与えてくれた中村敬斗の短い時間ながらでの躍動が印象的だった。あとは市丸か。昔の、ではないがアグレッシブなガンバのスタイルを取り戻していこうという気概が見えた。

そして、名古屋だ。ジョーの足元の技術やプレスのかけ方、フィニッシュワークにセレソンの影を感じたし、ガブリエル・シャビエルは明らかに昨年よりも攻守に渡って走っていたように見える。そしてキャプテンマークを巻いた小林裕紀が終始気の利いた動きをして、長谷川アーリアジャスールと和泉竜司の2人の持ち味を存分に引き出していた。

特に、和泉竜司。

彼のプレーに驚きを与えられた人、目を奪われた人、たくさんいるだろう。特に後半、センターラインからドリブルで3人を交わしてボックス内へ行ったシーンは圧巻だったと思う。

けど、あれを平然とやりのけるのが和泉竜司のスタンダードだし、正直言うとプロ1年目からああいったプレーを連発することを期待していた。twitterでもこう言及したが。

だから、正直驚きはそこまでない。それよりも心のなかに生じたのは「やっぱり、これくらいはできるよね」という安心感だった。ホッとした、という感じか。

彼の大学4年間を見ていた者からすれば、この程度はやってもらわないと困る。

“圧巻“すぎた大学4年間

大学サッカーの取材では基本的に毎試合、監督から話を聞く。
その中でこちらから個人名を出して評価を聞いた際の返答以外で、つまり監督が自ら、特定の選手に言及し手放しで賞賛するということはあまりない。

もちろん長らく取材しているので自分が忘れているだけかもしれない。その前提での回想になるが、「そこまで?」とこちらが驚くほど、チームの監督が囲み取材の中で特定の選手を絶賛していた場面を、2回(2人)だけ覚えている。

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