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【Jへの推薦状①】 DF 桒田大誠 (千葉・暁星国際高)


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❐選手情報
桒田大誠(くわた たいせい)
暁星国際高校3年(←暁星国際中)
適正ポジション:CB(4バックの左右、3バックの全て)
特徴:186cmの長身を武器にした対人の強さと質の高いフィード
タイプ:森重真人(FC東京)、三浦弦太(G大阪)

板倉滉を彷彿とさせたCB

高校サッカー激戦区の千葉県は木更津市に校舎を構える暁星国際高校に、“逸材”がいる。同校が昨年、レノファ山口へ輩出した左利きのCB・国本玲央の隣で下級生時代から最終ラインの中央を任されていたその選手の名は、桒田大誠という。

筆者が彼を発見したのは2年前の千葉県1部リーグだ。対戦相手である八千代高校に気になる選手がいたこともありフクダ電子スクエアに足を運んだのだが、そこで目についたのが桒田だった。


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2018年の千葉県リーグにて


186cmの長身で最後尾からのビルドアップに落ち着きがある。守備の対応も良い。観戦目的の八千代の選手の出来は覚えていないが、この試合で目についた彼のプレーは鮮明に記憶に残っている。

その姿を見て直感的に「板倉滉っぽいな」と思ったものだ。オランダで活躍するこの日本代表CBも同じサイズで、自信を持って最終ラインでプレーする姿が印象的である。物怖じしないところも含め近いところがあった。

ただ、この夏、2年ぶりに彼を見て印象に残ったのは板倉以上の「大きさ」を身につけていたことだ。聞いたところ、コロナ禍でボールを使ったトレーニングができない中、筋力強化に励んだのだと。体重は80kgを超え、ベンチプレスは100kgを持ち上げるようになったというのだから驚きだった。


意識を変えたあるFWとの対峙

木更津に生まれ育った桒田が暁星国際中を選んだ理由は、小学生のときの体験にある。「暁星国際のグラウンドで観に行った総体か何かの公式戦を見て、暁星国際がPK戦で勝ったところを見て。観客もたくさん入っていて、ここにでサッカーをやりたいと思いました」

中学2年次には全中こと全国中学校サッカー大会で準優勝を経験したのだが、決勝で苦汁をなめさせられた相手は絶対王者・青森山田中だ。桒田はこのときの対戦相手として印象に残った選手に武田英寿(浦和レッズ)と同い年の藤原優大(青森山田高3年)の2人の名を挙げている。同じポジションの藤原に関しては「意識している」存在、だと。

高校はそのまま内部進学し、上述したように1年生から中心選手として活躍を見せる。その中で彼の成長欲に火を付けた出来事があった。千葉県リーグで対戦したジェフ千葉U-18のFWとの対峙である。

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桒田に衝撃を与えた櫻川ソロモンの高校時代

「自分も筋トレをしていて身体の強さに自信があったのですけど、櫻川ソロモン選手とマッチアップして全然歯が立たなくて『これじゃまずいな』と。CBなので誰にも負けないくらい力をつけようと思って、努力を続けてきました。」

その努力の結果というべきか。さながら大学生のような体つきとなり、2種年代の試合では圧倒的な存在感を放っている。


目指すは高卒でのプロ。だが、大学経由でもおもしろい。


「(対人の部分では)簡単にはやらせない自信はありますし、自分の長所としているところで。(千葉)県内ではやれる自信があります。高1から試合に出ているので、高3になって『こいつはやっぱり違うな』というところを見せられるようにしたいです。」

本人も守備の部分には強い自信を持っており、見る限りその能力については間違いない。ただ、懸念点があるとすれば強豪校との対戦数が少ないことだ。“高いレベルの相手にどれだけできるか”という部分が未知数なのである。千葉県1部リーグは決して低いレベルではないが、同県内にいる市立船橋や流通経済大付属柏、柏U-18ら高校年代のトップオブトップのチームと対戦できる機会は用意されていない。総体や選手権の予選で勝ち上がって初めて、挑戦権を得ることができる。組み合わせという運にも、左右される。

「選手権予選で流経や市船のプレミアにいるチームとやりたい」桒田は自分の価値を示すため、強豪校との対戦を強く望む。

実は筆者は彼の存在を知ってから複数のJクラブのスカウトに彼の存在を伝えていた。そして、実際に視察をしたスカウトから一定の評価の声が上がっている。

本人は高卒でのプロを目指しているが、公式戦数が制限されたこともありそれは叶わないかもしれない。ただ、高卒の選手がJの舞台でCBというポジションのレギュラーを掴む難しさを考えれば、4年間の大学生活を歴てプロ入りをしても遅くないかもしれない。そのときには、確実に即戦力となっているだろう。

決して有名ではないこの房総半島が産んだ逸材の名前を、ぜひ覚えておいてほしい。

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