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【Jへの推薦状②】 DF 三宮陸矢(福岡・九州国際大付属)


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❐選手情報
三宮陸矢(さんのみや りくや)
九州国際大付属3年(←鯰田FC)
適正ポジション:CB(4バックの左右)
特徴:最後の最後に“一歩”を出せる、気迫あふれるディフェンス
タイプ:菊池流帆(神戸)、槙野智章(浦和)、奈良竜樹(鹿島)


九州セレクションで際立ったその気迫

主に九州で大会を運営するリトルコンシェル主催のセレクションが8月に開催された。コロナによって進路選択に暗雲が立ち込めた高校生・大学生にアピールの機会を与え、大学のスタッフやプロのスカウトに見てもらうというものだ。

九州大会の初日は熊本で開催されたのだが、最初の最初にでてきた大学生の回はお世辞にも覇気があるとはいえなかった。「何がなんでもプロになりたい」という思いや、セレクションにかける気迫みたいなものは、正直なところ感じられなかったものである。多少強引にでもドリブルで仕掛けるとかシュートを打つ、というシーンは皆無に等しく、観客席とピッチには一枚壁があるように思えたほどだった。全体的に、静かだった。

「来場したスカウトや大学関係者はこれでは満足しないな…」と感じたのだが、一方でその後に行なわれた高校生は違った。上述したような思いがプレーの節々に感じられ、熱量は強く伝わってきたし、なによりも多くのゴールが生まれ、試合に見応えがあった(大学生の回は80分でスコアレスドロー)。

名だたる九州の名門校のレギュラークラスが集ったその中で、存在感を発揮していた1人が九州国際大付属の三宮陸矢だ。

一発勝負のトーナメントさながらの身体を投げ出したシュートブロックや、終盤でも声を切らさずラインを統率するコーチングの声は筆者の目を強く引いた。


憧れは槙野智章

「自分は高さもあってヘディングが武器なのでそこを見せようと思ったのですけど、相手は繋いできたので。そこは出せなかったなと。でも、最後に体を張る所やコーチング、チームを鼓舞するところは出せたのでよかったと思います」

このプレースタイルに影響を与えたは、浦和レッズの槙野智章だ。中学3年生の三宮が感染した浦和の試合で、“魂の守備”を見せる槙野に心を奪われた。

「体を張ったり闘志あふれるプレーをしたり、と。それを見てから好きになって、自分の憧れです。槙野選手はチームにプラスの声掛けをしていい雰囲気をもたらしているので、自分もそういうところを真似してやろうと思っています」

昨今の育成年代を取材している中で、上手い選手は多く見つかるが、一方で「闘える」選手の少ないという印象が筆者の中にはあった。そういった背景もあったので、初見で三宮が与えてくれたインパクトはとても大きかったのである。

ちなみに、意識しているのかわからないが、チームでの背番号は「5」である。

叶わなかった“高卒プロ入り”のリベンジの地は、新潟

本人は課題としてビルドアップ力を挙げるが、結果的に進学先となった大学のコーチの助言が、ここの意識改善に大きく寄与した。

「九国がポゼッションのチームではないのですが、新潟医療福祉大の練習に参加して、ビルドアップをする中でファーストタッチからのパスや、見る所の大切さを、コーチの井手口純さんにも伝えられました。そこから、練習時の意識から変えていこうと」

そして、卒業後はその新潟医療福祉大学へ進学する。近年力を付けているチームの一員となり、高校生活で叶わなかったプロ入りの夢を掴みに行く。

「高校からプロを目指していたけど声がかからなかった。新潟医療福祉はアルビレックス新潟さんが近くで見てくれるので、そういう意味でもチャンスはあるのかなと。自分はビルドアップが苦手なので、そこを大学でしっかりと磨いてプロになりたいです。」

新潟医療福祉大はいつか全国大会で際立った結果を出すと思っているのだが、それが成されるとき、チームの中心には彼いるかもしれない。


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