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最近出会ったもの①

はじめてnoteを書いてみる


初めて、noteを書いてみる。

ぶっつけ本番で書いているのだが、いざ書こうとすると、言いたいことが溢れてきて困惑する。
一人暮らしのこと、秋学期のこと、3月のペルー旅のこと、これからの大学生活のこと、意識と身体のこと、最近読んだ本や映画の話、何故こうして書き始めたかということ、、

記念すべき第一回だから、noteを書こうと思った理由とかでも良いと思ったのだけど、肩ひじ張らないという意味であえて最近読んだ本の話にしよう。
自分で思っている以上に真面目なところがあるので、ここでは「ちゃんとやる」ことからは意識的に外れてみたい。



赤瀬川原平『新解さんの謎』

今朝、ここ数日読んでいた『新解さんの謎』を読み終わった。

確か数年前にも、中学か高校の課題図書で読んだことがある。
『新明解国語辞典』を読み、その言葉の定義の仕方や用例から、目に見えない「新解さん」を探していくような本だ。

授業で新明解を使っていたのは中学校の頃で、先生はそこに絡めてこれを課題図書として出したはずだから、読んだのは多分中学の頃だろう。

最近知人との会話の中で赤瀬川原平の別の本を紹介され、赤瀬川原平を調べたところ、『新解さんの謎』も赤瀬川原平の著書であることに気付いたのだ。
気になって実家の本棚を漁り、読み始めてみたら、面白くて止まらなくなった。


とにかく面白い

繰り返すが、本当に面白かった。
映画も本も数日後には内容をすっかり忘れてしまうので、まったく新鮮な気持ちで読み直したのだが、赤瀬川原平の見せてくれる世界の面白さにすっかり落ちてしまった。

『新解さんの謎』では、新明解の引用と、赤瀬川さん(※)と「SM嬢」との会話とが交互に繰り返される。

例えば、「つぎつぎ」という言葉。

つぎつぎ②【次次】(副)
同じ・(似た)事が距離・間隔を置かずに続いたり繰り返されたりすることを表わす。
「苦労して建てたマイホームがーと〔=Aの部屋ばかりでなく、Bの部屋までも〕シロアリに食われている」
 

「せっかく建てた家が」
「シロアリのご飯になっちゃって」
「新解さんて、可哀想」
「つぎつぎですから」

新解さんの謎(辞書の部分は一部省略)

哀愁がすごい。

次に「くるしい」。

くるし・い③:③【苦しい】(形)
(中略)
㊁困難な財政状態だ。
「ー中から子供を三人まで大学にやる」
 

「三人まで」
「三人まで!」
「三人と断定するところが凄い」

現実味を帯びて、ひしひしと押し寄せてくる感じがある。
新解さんはきっと苦労人だ。

こうして、新明解の世界に潜っては、浮き上がってきて二人の会話を聞く、
その繰り返しの中で段々と「新解さん」なるものの人生が見えてくる(ような気がする)。


※この本は「言葉のジャングル探検記」と紹介されているので、物語ではなくエッセイのようなものと思えばいいのだろうか。だとしたら、語り手は赤瀬川さん本人ということでいいかな。


たまに言葉に関連した写真が挟まれるのだが、「くるしい」のページはこれ。
この三人は、どこの子なのだろう。


気になって、久しぶりに新明解を開く

居ても立っても居られず、(は少し言い過ぎかもしれないが、)新明解国語辞典を取り出してきて、自分でも「新解さん」を探してみた。

丁寧で素敵

「みぎうで」
なるほど、後半で説明しているような「右腕」の意味を飲み込みやすくするために、多くの人にとって利き腕であることを説明してくれたのかな。
几帳面で助かる。
ちなみに何で右腕が利き腕の人が多いのかな。


へへ

「へへ」
なんと、へへ、というのはせせら笑いらしい。
というかそもそも、新明解が笑い方の意味まで説明してくれているなんて知らなかった。

(長くなるので、二部に分けてみた。つづく)


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