詩まとめ

・月が見ている・

優しく穏やかな光に包み込まれる

今日の月は一段と綺麗だ

隣には愛おしい人

暖かな手のひらから伝わる温度は

私を熱くさせる

静かな空間の中で

ただ月だけが二人を照らしている

優しく抱きしめたあなたは

どんな顔をしているのだろう

それは月だけが知っている


・寂しがり屋なあなた・

背中に感じる重さ

ふと見ると

寂しげな顔を向けてくるあなたがいた

何でもないと言うけれど

離れることはしない

ふわふわで寂しがり屋なあなたは

まるでウサギのよう

そのまま包み込み

その寂しさを埋めてあげる

だから

いつまでも笑顔でいて

ずっと私の隣で


・紡がれる物語・

静かな空間で紙をめくる音が響く

穏やかな空気

言葉なく寄り添い

文字の世界へと旅立つ

この時間が永遠となって欲しい

そう思ってもいつかは物語は終わる

本を閉じ歩き出す

さあ

次は二人の物語を読み上げよう

今度は終わらないお話を

紡ぎ上げていく


・光射す・

雨が止み

日が差したとしても

私はまだ悲しみに包まれている

もう晴れることはないのだろう

そう思っていた時

君に出会った

声をかけ手を差し伸べてくれた

その手に引かれ見た世界は

暖かく輝いていた

私の心にはもう

雨は降っていない


・止まない雨・

しとしと降る雨は

切なさの音に似て

私は1人雨に包まれる

やまない雨はないなんて誰が言ったのだろう

私の心は悲しみに満ち溢れている

いつかこの雨は晴れるのだろうか

優しい日差しが差すのを

ただ1人待ち続ける


・グラス・

空のグラスを前にぼんやりと思う

これで良かったのだろうかと

いや、後悔しても始まらない

選んだのは自分なのだから

その結果どうなろうとも

その選択に間違いはなかったのだと

自分自身に言い聞かせる

心のグラスはいつもカラのままで


・溢れ出る想い隠して・

雨に打たれ空を見上げる

ただ降り続く雨の中で

温度の違う雨が降る

冷たい雨とは違う

熱いもの

それは想いのカケラ

でも今は紛れて隠して欲しい

あふれ出る想いはただ

混ざり合い落ちていく


・絡め取る・

私を受け入れてくれる

そう思っていたのに離れていくあなた

ひらりひらりと舞う蝶のように

だったら私は蜘蛛になろう

蜘蛛の巣に絡めとり

あなたを逃がさない

縛り上げた後は

もう私だけのもの


・心のレンズの先に・

あなたと見た海の記憶

手にあるのは

古ぼけたメガネ

あなたが大切にしていたそれは

私には合わないからフレームだけだけど

今遠くにいる愛しい人を想い

地平線の彼方へと目を向ける

レンズが無いはずの視界がぼやける

ああ、早く

あなたに会いたい


・気持ち鍵をかけて・

私の心を占めるあなた

想うあまりに自分に抑えがきかなくなる

そのことにより自分自身を締めてしまう

余裕がなくなる

こんなにも辛いなら

もうこの想いは閉めてしまったほうがいいのだろうか

心の奥底へと閉じ込めよう

もう出てくることのないように


・こぼれ落ちた夢・

何気ない日々

変わらない毎日

その中をただ無感情で過ごす私

子供の頃はまだ夢を持っていた

たくさんの夢に囲まれ

毎日が輝いていた

でも

大きくなるにつれそれは私から抜け落ちる

後に残ったのは

ただのつまらない大人の自分

こぼれ落ちた輝きは

手に取られるのを待っている


・ずっと一緒に、その約束・

胸が熱い

こんなにも僕の心を熱くしたのは

祭り囃子に包まれながら見せた

君の笑顔

触れた手から感じる

抱きしめた体から伝わる

この暖かな想い

『離したくない』

そう思っても別れの時は来てしまう

「来年もまた二人で来ようね」

そう言って隣を歩く君は少し寂しそうに笑っていた

いつまでも一緒に

そう月明かりの下で約束を交わす


・落ちることのない想い・

小さくはじける火花

揺れ踊るそれは

まるで私の心のよう

激しく燃える想いは

いつしかしぼんで消え落ちてしまうのだろうか

そのようなことのないように

私を燃やし続けて

いつまでも消える事のないあなたの想いで


・響き渡る音色・

そよ風に揺れ響く

涼やかな音色

穏やかな時間の中

吸い込まれそうな青空の中で

私はただ一人空を見上げる

静かに鳴る鈴の音

その音だけが

ただ鳴り響いていく


・咲き誇る花たち・

夜空に咲く一輪の花

それを見ているのは

私とあなた

そこはふたりだけの舞台

目の前に広がる

大輪の花たちは

私たちの思い出を彩り

咲き誇る


・撃ち出された心の欠片・

私はひとり自分と向き合う

手の中には一丁の拳銃

物心ついた時から手元にあるこいつは

心の支えになっていた

撃ち合うことに離れていたが

撃ちだすごとに

心も削れているような気がする

私の心は

あとどれほど持つのだろうか


・浮かび、還る・

一日の終わり

心のオアシスに私は向かおう

優しく包み込まれるその暖かさ

和らぐ気持ち

小さく揺れる水面

水面に浮かぶ想いは

私の中へと

還っていく


・心離れて・

私はひとり

ひとりきりで立っている

手の中には一枚の手紙

そこにはたった一言

「さよなら」

握り締めた手が震える

大声で泣きたくなるけれど

声が枯れ

微かな呻き声しか出ない

離れてしまった心は

もう、取り戻すことはできない


・雨に包まれて・

今日も雨

静かに降る雨音に耳を傾ける

窓を打つ音

水面にはねる音

穏やかに流れる音

優しく響き渡る音色に包まれ

私は眠りの世界へと旅立っていく

今日もまた優しい雨に包まれて


・凶刃の光・

怪しい魅力にて

人を惹きつけるもの

相手の血を吸い

持ち主の心を蝕む

その刃の輝きは

いつしか狂気へと駆り立てられていく

今宵もまた血を求め

月の光に

刃が光る

















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