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社会保険とダブルワーク その2

いつもnoteを読んでいただいて、ありがとうございます。注意欠如多動性障害(ADHD)・精神障害者手帳2級で博士(生命科学)のred_dash です。

 前回に引き続き、社会保険とダブルワークについてのお話です。私はこれまで、社会保険のことを十分に知らないまま過ごしていました。しかし発達障害の判明以降、社会保険に私はとても助けられています。転ばぬ先の杖として、社会保険に関する制度を知っておくことは多くの人にとって有用だろうと感じるため、今回紹介します。

 前回は、雇用保険とダブルワークの関係について検討しました。ところで、社会保険とは何を指す言葉かはご存知ですか。社会保険は、広義には医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの総称です。狭義には、医療保険・年金保険・介護保険を差します。

 今回は年金保険と医療保険についてまとめます。具体的には、厚生年金および健康保険とダブルワークの関係について見ます。
 厚生労働省と日本年金機構が厚生年金と健康保険の加入条件について、次の通りに説明しています。

以下の①~⑤全ての要件に該当する方
① 週の所定労働時間が 20 時間以上あること
② 雇用期間が 1 年以上見込まれること
③ 賃金の月額が 8.8 万円以上であること
④ 学生でないこと
⑤ 被保険者数が常時 501 人以上の企業に勤めていること
(中略)
被保険者数が常時 500 人以下の事業所
ア.労使合意に基づき申出をする法人・個人の事業所
イ.地方公共団体に属する事業所

短時間労働者に対する厚生年金保険等の適用が拡大されています, 平成 29 年 2 月
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.files/1.pdf

 5について解説すると、501人以上の事業所または500人以下でもア・イのいずれかを満たす場合は加入できる、という意味です。1つの事業所で上記の条件を満たす場合、雇用保険の対象となります。ちなみに2017年の改正により適用範囲が広がった結果、上記の条件となりました。
 ダブルワークで1事業所あたり週20時間以下の条件で働く場合は、厚生年金および会社の健康保険に加入できません。国民年金や国民健康保険への加入になります。
 1箇所の事業所で週20時間を越えて働いて、それ以外では週20時間で働く場合は、前者の事業所で厚生年金や健康保険に加入します。2事業主以上で週20時間以上働く場合、「健康保険・厚生年金保険所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を、主に支払いを行う (=収入が高い) 事業所の所轄年金事務所に提出します。大雑把に言うと、両方の会社の給与を合わせて保険料の総額を確定し、各会社の給与の額に応じて分けた金額を、それぞれの会社の保険料とします。

 前回の記事も踏まえれば、厚生年金・健康保険・雇用保険の加入には1事業所当たり週20時間以上の労働が必要です。労災保険については事情が異なるので、次回以降紹介したいと思います。
 ちなみに、20時間以上で雇用すると事業所側が給与以外にも社会保険料を負担する必要が生じる(労使折半)ため、実際にはフルタイムまたは週20時間以下の労働との条件を雇用者から提示される場合も多いのではないでしょうか。私の経験では、研究室の財政を踏まえるとポスドクとしてのフルタイム雇用は難しい、しかし大学のルールで20時間以上の雇用はできない、だから20時間以内でなんとか考えよう、と条件提示をされた経験があります。

 そもそも社会保険に入れなくても、特に困らないのでは? という意見もあるかと思います。実際に私は、40歳以上のとある大学の教員に「僕は社会保険には入ってこなかったし、それで困ってこなかったよ」と言われた経験があります。本当に困らないものでしょうか。社会保険に入らないメリット・デメリットについても、改めて調べてみたいと思っています。

 それでは、素敵な1日をお過ごしください。

 red_dash

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PS. こうして社会保険制度について紹介していると、FPや社労士の資格が欲しくなってきます。現在も間違いのないように記事を書いていますが、読者さんにより安心して記事を読んでもらえるようになりたくなるのです。

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参考

短時間労働者に対する厚生年金保険等の適用が拡大されています, 平成 29 年 2 月
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.files/1.pdf

解決社労士 柳田恵一 -
https://bit.ly/2HlQI0Z
(上記ページは労災保険について内容が古い点に注意)

2020/11/21 記載内容を更新しました。

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