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嘘は嘘であると見抜ける人でないと難しい


Z世代の投資家イメージでネット大荒れ?

 Z世代の投資家像と題した、テレビ風の画像がSNS上で話題となった。無論、私のタイムライン上にも流れてきたが、最後の「人として間違った生き方である」という、コンプラ地獄に陥っているテレビ業界らしからぬ表現に違和感を覚え、情報のソースを調べたら、3年前のモーニングショーのパクリであり、単なるガセネタの域を出なかった。

 私がZ世代であり、株で生計を立てている身として、悪戯にZ世代と投資家の対立を煽るような、このデマには悪意すら感じたが、そもそも多くの人が情報のソースに信頼がおけるかを精査せず、パッと見て感じたことをそのまま書き込んでいる様に捉えられる。(無論、ネタだと分かって悪ノリして、マジレスを装っているだけの可能性もあるが、利用者(中央値)の情報リテラシーを鑑みるとおそらく少数派だろう。)

 だからこそ、ネットのデマに対してああでもない、こうでもないと書き込んだところで、そもそもが虚構なのだから、取り合うだけ野暮というもので、こうした真実と、尤もらしい嘘が混在している媒体を、生活上の主要な情報源とすることの危うさが窺える。

 無料かつ手軽に扱える反面、真偽を精査するコストを支払わなければ活用できない意味で、使い手の能力に依存するのがSNSの特徴であり、嘘は嘘であると見抜ける自信がなかったり、嘘は嘘であると見抜くのが面倒であれば、情報に対してお金を支払い、信憑性の高い媒体でインプットするのが無難である。

 個人的には、本や新聞、雑誌などは、発行に至るまで多くの人が携わり、何重にもチェックした上で、会社のブランド価値を毀損しないよう、極力信頼のおける情報を載せるよう努めている訳で、100%正確な情報とは限らないにしても、少なくとも80点台以上には仕上がっている媒体の対価として、一冊1,000円前後は決して高価とは思わない。

真作を知らないと、贋作は見抜けない

 私は他者に説明する際、決して情には訴えかけず、淡々と理屈をこしらえて理詰めすることから、合理的に物事を判断する左脳派と思われがちだが、実は理屈は後付けであり、第一印象や直感を大切にしている右脳派だったりする。

 学生時代に、都道府県レベルの教育美術展で銀賞までは受賞した経歴があることから、個人的には全国区レベルではない意味で、その程度の実力しかないと自己肯定できないが、客観的には美的センスが高い部類に位置する。

 仮に絶対的な才能があったとしても、芸術分野に進めるほど経済的に裕福な家庭ではなく、ジェンダーバイアスと相まって、どのみち実学を取らざるを得なかった意味で、無用の長物感は否めないが…

 そのため、情報のインプットさえ誤らなければ、直感からくる言語化できない違和感は、8割以上の精度で当たっている経験則があるため、後はその直感を他人に説明できるよう、理屈をこしらえて言語化しているに過ぎない。

 だからこそ、正しくインプットしなければならない。冒頭の画像に違和感を覚えたのも、ワイドショーで扱うネタとしては、表現の自由はあるとはいえ、思想の偏りが酷く、内容も角が立つリスキーなもので、昨今のテレビ業界にありがちな、言いたいこと言えない、根性なしかもしれない、それでいいけど(良くない)の相場から乖離していると感じたからに他ならない。

 インプットの集合知である相場感のレンジから、少しでも外れていると、直感的に何かがおかしい。釣り合いが取れていない。何かを見落としている。など、腑におちない気持ち悪さが湧いてしまう感受性の高さを持って生まれた以上、日頃から、正確なインプットを心掛ける。

 それにより、贋作に直面した時に、直感的に「これじゃない」と即断できる意味で、日常生活を営む上で、できる限り多くの本物と触れ合い、五感を使って知ることは重要だと考える。真作を知らないと、贋作は見抜けないのだから。

お金絡みは、一度として騙されてはいけない

 とはいえ、真作に囲まれた生活ができるほどの生活力があったら苦労しない。それに、ガセネタを本気にしてしまったとか、定価より随分安いと思ったら偽物を掴まされていた程度なら、大した実害はないように感じるかも知れない。

 しかし、騙されることに慣れてしまうと、文明社会を生きる上で切っても切れないお金、それも大金が絡む投資や資産運用に関して、嘘の情報で騙されていることに気付けなくなる可能性も無きにしも非ずで、これらは一度として騙されてはいけない。

 だからこそ、限られたリソースを効率的に配分するために、一点豪華主義に倣い、こだわる部分にはコストを掛けて信憑性の高い情報や、本物を買ったり知ることが、長い人生で考えたら、短期的な資金繰りが厳しいとしても、経験知が貯まる分、無形資産の複利効果が現れるのではないかと考える。

 私はファッションに興味はなかったものの、足のサイズが特殊で既製品が適合しない事情から、ある程度は拘らざるを得ず、最初こそメーカー正規品を買っていたが、今では贋作が数多く出回り、相場がお察しなフリマアプリで、真作と思しき代物を安く買い叩けているため、良いものを安く買おうとするのは、自身の相場感が形成されてからでも遅くないと考える。

 そのため、日本株の個別銘柄に挑戦するのであれば、日経新聞と会社四季報での情報収集が、個人的にはマストだと思うが、これらは某R証券で口座開設(無料)さえすれば、サービスとしてタダで利用できる訳で、同じ無料のSNSで、信憑性を逐一精査しなければならない投資インフルエンサーの発信よりも有益だと考えるが、いかがだろうか。


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