76世代の引退研究

76世代会社員。引退と老後について日々考えています。

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最近の記事

1000万円あると何ができるか?

前回の記事で、京都の中心部で2拠点生活を2年間するコストをざっくり1000万円と見積もりました。 好きな街に住むというのは非常に魅力的なのですが、1000万円あったら他にもできることは多そうです。 「自由に使えるお金が1000万円あったら何に使いたいか」という質問への回答では「旅行」が45.3%で最多だったそうです。 では、1000万円でできる旅行について調べてみましょう。 毎月国内旅行 まずは普通に国内旅行に頻繁に行くという誰にでもできそうな活動。1000万円で何

    • 引退後に何をするのか? 〜好きな街に住む〜

      時間とお金があったらやってみたことの一つに、好きな街に数年間住んでみるというのがあります。やはり旅行で訪問するのと、実際に暮らしてみるのでは経験できる深さが全然違いますよね。 ということで今回は、京都に2年間住んでみるというのは実現可能か、どれくらいのお金がかかるのかを調べてみます。想定としては、仮に持ち家があった場合はそれを維持したまま、京都に新たに家を借りて2拠点生活的に行き来することにします。 まず住む場所を選んでいきましょう。せっかくですので、京都の中心部で賃貸マ

      • 1年だけのFIRE体験の可能性について

        今回は雑談です。 一度の人生いろいろなことを経験してみたいものです。若いうちに仕事を辞めて好きなことをするFIREというのは魅力があります。FIRE自体には興味がなくても、今もし1年間の休暇が与えられて休暇後は今の仕事に戻ってこれると確約されたら、1年間休んで好きなことをやってみたいと思う人は多いかもしれません。 そこで今回は、若いうちに(といってもこのnoteの対象年齢は76世代、48歳ですが)、働かないで好きなことをする体験をする方法がないかを考えてみます。 まず調

        • AIで我々の老後は変わるか?

          我々が将来の計画を立てる時、基本的には現在の延長線上に未来があるということを想定します。10年や20年では大きく変わらないことも多く、例えば歳をとって何を幸せと感じるかなどは、過去の研究を参考にすることで自分に何が起こるかを予測することができるでしょう。一方で科学技術のように、20年もすると飛躍的な進歩が起こり得る分野もあり、進歩を織り込んで計画を立てないと大きくズレが生じる可能性があります。 科学者のロイ・アマラの唱えたアラマの法則を聞いたことがある人もいるでしょう。アマ

        1000万円あると何ができるか?

          幸せはお金で買えるという研究結果が出た?

          人生設計の本を読んでいると、一定の年収を超えるとそれ以上増えても幸福度を上がらないという話をよく見かけます。その根拠となっているのが、"High income improves evaluation of life but not emotional well-being" ( Kahneman and Deaton, 2010)「高収入は人生の評価を高めるが幸福度は高めない」という2010年の有名な論文です。この論文は年収が7万5千ドルを超えると幸福度が上がらなくなるという

          幸せはお金で買えるという研究結果が出た?

          引退後に何をするのか? 〜大学再入学編〜

          早期退職して何をするのかを考えるシリーズ、第二弾は大学再入学です。 早期退職して大学入学と言って最初に思い付くのは歌手の小椋佳さんです。小椋佳さんは、歌手・作曲家活動をしながら、47歳で日本勧業銀行の浜松支店長となり49歳で財務サービス部の部長と順調にキャリアを積んでいたのですが、50歳で銀行を早期退職し東京大学に学士入学をしました。 小椋佳さんが東京大学に再入学したのが1994年のこと、1975年生まれの現役入学者とちょうど同じ入学年度です。もしかしたら76世代で東大に

          引退後に何をするのか? 〜大学再入学編〜

          引退後なにをするのか? 〜スモールビジネス編〜

          『45歳から考える早期退職』という記事で、早期退職の実現可能性について金銭面から検討しました。 この記事で議論しなかった大きなテーマは「で、仕事をやめて何をするの?」です。引退のタイミングが若ければ若いほど、仕事をやめて生まれた時間で何をするかが大きな問題となるでしょう。 今回検討する選択肢は、自分で小さなビジネスを始めるというものです。組織人として働いてきた多くの人間にとって、上司も関係部署もなく、全ての裁量をもって自由にできる仕事というのは魅力的に思えます。 『60

          引退後なにをするのか? 〜スモールビジネス編〜

          成功者たちの老後は幸せか?

          幸せな老後に何が必要かを考える時、それを実現するために必要なものを全てを持っている人たちが実際に幸せなのか、もしそうでなければ何が足りなかったのかを調べてみることは有用な情報になりそうです。 というわけで、今回は『人生後半の戦略書』というハーバード・ビジネス・スクールの教授が書いた本を読んでみます。 アメリカで出版される本の良い点の一つは読者のマーケットが大きいことがです。そのおかげで、日本では出版されにくいような小さな層をターゲットにした本が読めます。この本も世間で成功

          成功者たちの老後は幸せか?

          結局のところ、幸せな人生には何が必要なのか?

          これまでの記事では主に老後の生活に必要なお金について検討してきました。でも、700万円以上で年収と幸福度の相関はなくなるとか、お金は全てではないというのはよく聞く話です。結局のところ人生が終わる時に「幸せな人生だった」と思えるには何が必要なのか?というのが今回のお題です。 参考書は「グッド・ライフ」という本です。この本は、ハーバード大学で行われている「ハーバード成人発達研究」という科学的な研究成果に基づいています。この研究は、なんと1938年に始まって今も続いている、130

          結局のところ、幸せな人生には何が必要なのか?

          45歳から考える早期退職

          今回考えたいテーマは早期退職。といっても、1億円コツコツ貯めて4%の運用益で暮らしていこうという今流行のFIREではない。そもそも45歳をこえて色々経験をしてきた我々が400万円(税引き後320万円!?)の新卒と同程度の収入に生活レベルを落とすのは厳しいでしょう。今回のテーマは「周りの人より少し早く引退する可能性を探る」です。 まずは基本データを確認してみましょう。下のグラフが示す通り、50%の人が退職をする年齢は2022年のデータで65〜70歳です。つまり、それより早く退

          45歳から考える早期退職

          お金を全部使い切って人生を終えることは可能か?

          最近よく話題になる『Die with Zero』という本があります。メルカリ創業者の山田進太郎さんも激賞している本ですが、簡単に言うと「お金は使う価値が高い若いうちにできるだけ使って、死ぬときは1ドルも残さないのが理想」というものです。面白い本なので未読の方は是非どうぞ。 さて今日のお題は、お金を全部使い切って死ぬことは可能か、です。 当たり前ですが、自分が死ぬ年齢が事前に分かっていれば、最後の年にちょうど0になるように徐々にお金を使っていけばいいわけですが、当然ながら何

          お金を全部使い切って人生を終えることは可能か?

          『高齢社会白書』から分かる76世代の老後の実際

          『高齢社会白書』と聞くと退屈そうだが、実際のところ〇〇白書と呼ばれる国が出す資料は最も信頼のできるデータソースの一つだ。得体の知れないマーケティング会社の取ったアンケート結果を見るなら、白書を読み込んだ方が100倍役に立つ。 というわけで、高齢化社会白書の最新令和5年版から、76世代が自分の老後をプランするのに役に立ちそうな基本的なデータを見ていきたい。時間があれば是非ソースを見ていただきたい。 そもそも基本的な話だが、高齢化社会白書での高齢者の定義は65歳以上だ。なので

          『高齢社会白書』から分かる76世代の老後の実際

          はじめに ー このnoteは何なのか

          76世代と呼ばれる世代は、今40代の半ばも過ぎ50歳の大台が見えつつある。人生の折返しを迎えたと感じている人も多いのではないだろうか。そう感じるようになる理由は人それぞれで、自身の老化(例えば老眼)だったり、親の老化だったり、仕事面での頭打ち感だったりする。いずれにしても将来の成長にフォーカスがあった20代、30代とは自分の人生、キャリアに対する考え方は必然的に変わってくるものだと思う。 人生の折返しを迎えたと感じると、その時に必ず考えることになるのが引退と老後ではないだろ

          はじめに ー このnoteは何なのか