見出し画像

セミリタイアを目指すための資産運用の始め方 〜その2 複利の効果と自力の成果の過大評価〜

こんにちは。
本日もご訪問いただきありがとうございます。

前回の記事

セミリタイアを目指すための資産運用の始め方 〜その1 資産運用の基本のピラミッドとは〜

を多くの方にご覧いただき、とても喜んでおります。

資産運用というと「自分には難しい」とか「そんなにお金持っていない」とか「そんなに知識がない」と思われる方も多く、なかなか最初の一歩を踏み出すことが難しいものです。

しかし、何ごとも新しいことを始めるときは身近なことから始めるのがコツです。前回の記事ではいきなり投資信託だとか、外貨預金だとか、株式投資だとかではなく、とっても身近な「節約」から始めることが大切と書かせていいただきました。「節約はもうやっているよ」って方は、実は既に資産運用を始めているのです。

そして、資産運用は「何よりもまず始めることが大切だ」とも書かせていただきました。

今回は「なぜそんなに『まず始めること』が大切なのか?」ついて、資産運用をしている「期間」の特性と複利の効果について書いていくとともに、多くの人がもつ「自力の結果を過大評価しがちな傾向」について書いていきます。

「複利の効果ね、あ〜、もうそれ知っているよ」っていう方にも一度読んでみると、ちょっとした発見があるかもしれません。

資産運用の基本の公式

では、さっそく始めましょう。
資産運用には基本となる公式があります。
それが以下の公式です。

資産運用額 = 積立額 × 利回り × 積立期間

簡単にいうと資産運用とは「積立額」「利回り」「積立期間」の3つの要素をどのように取り組んでいくか?を考えることです。

つまり、

1.どれだけのお金を(積立額)

2.どれだけの利率で(利回り)

3.どれだけの期間運用したか?(期間)

であなたの資産運用額が決まります。

そして、そのうちどれか一つでも大きな成果を出すことができれば、あなたの資産額を飛躍的に大きくすることができます。

金融庁のホームページ「資産運用シミュレーション」でこの式を使ってのシミュレーション結果をみることができます。

もしよかったら一度シミュレーションをしてみてください。とはいえ結構面白くて、あっという間に時間が過ぎてしまったりするので要注意です。

やってみると、例えば「5千万円のお金を作るのにどれくらいの積立額・利回り・期間が必要なのか? 」が感覚としてつかめるかと思います。


「期間」だけが自動的に増えていくもの

この資産運用の基本の式に出てくる3つの要素「積立額」「利回り」「期間」の大きさや規模は人によって違いがあります。しかし、そのうちで人的な要素にほとんど関係なく自動的に増えていくものが一つだけあります。

それが「期間」です。

例えば、

「積立額」を毎月の積立額を1万円増やそうとすると、それこそ「その1」でも書いた「節約」をしたり「労働」によって収入を増やしたりと、個人の努力が必要となります。

また、

「利回り」を増やそうと考えると、それなりのリスクをとる必要が出てきます。投資信託にしろ、不動産にしろ、株式投資にしろ、事業を営むにしろ、1%の利回りを上げるためには、それこそ大量の勉強や行動が必要です。そして、何より運にも恵まれないと利回りを上昇させることは難しいです。

しかし、

「期間」だけは違います。「誰にでも24時間は平等にやってくる」という表現があるように、誰にとっても5年間は同じ5年間です。
どんなに凄腕のトレーダーだろうと、数千億円を運用するファンドだろうと、今日「節約」を始めたばかりの方だろうと、「期間」はどんな人にも同じ恩恵をもたらすものです。

複利の破壊力

そして「期間」が資産運用に大きな恩恵をもたらす理由に「複利の効果」があります。あのアインシュタインが「複利効果は人類最大の発見」と言ったことは投資の勉強を続けていけば、これからも何度も目にすることかと思います。

その効果がどれほど大きいのかは、先ほどの金融庁の「資産運用シミュレーション」をやってみると体感できます。

以下のグラフは金融庁のシミュレーションを使って「毎月5万円 × 利回り5% × 30年間」のシミュレーションをやった結果です。

グラフの黄色部分が運用の収益(利益)になりますが、期間が長くなるとともに、その額が大きく積み上がっていくのがわかります。

画像2


例えば15年目は872.9万円だった利益額が、同じ15年の期間がたった30年目には4,772万円になっています。積立額は同じ1,800万円にも関わらずです。

このように「複利の効果」は資産運用に大きな結果をもたらすものです。そして、その効果を最大限に引き出すものこそ「期間」の長さなのです。

早く始めることが本当に本当に大切

なので「その1」で「身近にできことである「節約」からでもいち早く資産運用を始めるべきだ」と書いたのは、この「期間」を味方につけて「複利の効果」を最大限に発揮してもらいたいからです。

私たちが「期間」をコントロールできるのは「始める時」と「やめる時」しかありません。

だからまず「資産運用を始めること」が大切なのです。

「まだ資産運用するようなお金がないから」とか「資産運用するほどの知識も経験もない」とか言っている間に、あなたの資産運用を「始める時」はどんどん遅くなっていきます。

資産運用は「まずはできることから」を「すぐに始める」べきなのです。

人は「自分で出した成果」を大きく評価しがち

もう一つ「すぐに始めることが大切なのか?」を違った角度から考えてみます。

もう一度「資産運用の基本の式」をみてみましょう。

資産運用額 = 積立額 × 利回り × 積立期間

先ほども書いたのですが、この式のうち「積立額」と「利回り」の2つの要素は個人の努力や状況によって自力でコントロールができる項目です。

年収が多ければ多いほど「積立額」を増やすことは簡単になりますし、勉強したりリスクをとった結果「利回り」が上昇することもあるでしょう。

そうやって自らの努力や行動によって得られた成果を、私たちは大きく評価する傾向があります。

例えば、私たちはこの21世期の現代に産まれたことで多くの恩恵を受けています。個人が携帯電話を持っていつでもどこでも連絡が取れ、誰でもコンビニでアイスクリームが食べれるなんてことは少し前の人には考えられませんでした。

そんな私たちの生活は、1000年前の人にとってはどんな王様だろうが、世界一のお金持ちだろうが決してできない生活です。

♫おとぎ話の王女でも、昔はとても食べられないアイスクリ〜ム〜

なんて歌がありますが、本当に今の生活は昔の人にとっては夢のような生活です。しかし、これを私たちはあまり凄いことであると感じていません。

なぜならそれは「自分で出した成果」ではないからです。

それよりも

「どれくらい稼いでいるか?」とか
「どんな家に住んでいるか?」とか
「どんな人と一緒にいるか?」とか
「どんな資格を持っているか?」とか
「どれくらい自分のSNSをみられているか?」のような、

自らの努力や行動によって得た成果に対して一喜一憂しているというのが現実でしょう。

もちろんその「自力で得た成果」は尊いものです。しかし、自分の周りにある仕組みや偶然によって得られたものについて意識を向けると、また違った世界が見えてくるものです。

資産運用でも「積立額」と「利回り」大きく見積もる傾向がある

これと同じように、資産運用においても私たちは自分で出した成果を大きく見積もる傾向があります。つまり自分自身の努力の結果である「積立額」と「利回り」の成果を大きく見積もる傾向があるのです。

逆に自分でコントロールすることが難しい「期間の効果」はないがしろにされがちです。先ほどの「複利の効果」が示すように、「期間」は資産運用にとって最も確実で最も効果的な要因であるにも関わらずです。

最初の方にも書いた資産運用を難しく感じる理由の「まだそんなお金がない」や「そんな知識がない」は「積立額」や「利回り」を強く意識しているからこそ出てくる考えです。

それよりも誰でも結果が出せる要因となる「期間」を長くすることを意識するべきです。

だからまず「資産運用を始めること」が大切なのです。

ではなぜ多くの人が資産運用に失敗するのか?

ここまで書いていくと「じゃあ、誰でも長い期間を使って資産運用すれば大きな資産を手に入れられる」っと思うでしょう。資産運用なんて簡単だと思った方もいらっしゃるかもしれません。

数学的なというか、数字上では確かに資産運用はそんなに難しいものではありません。しっかり積み立てをし、適切な運用先を選び、そして何より長い期間運用ができれば、計算上はかなりの資産を築くことができます。

しかし、自分の周りの人をみても、証券会社等の統計をみても、資産運用に成功した人の数と比べて、はるかに多くの人が資産運用に失敗して市場からの退場を余儀なくされています。

それこそアインシュタインの時代、いや「複利の効果」発見でいえばギリシャ哲学の時代からその効果が認めれらているのに、なぜ多くの人が資産運用に失敗するのでしょうか?

次回はそういった資産運用を行っていく上で障害となる「資産運用を行う上で生じる悪しき部分」についても考えてみたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


「経済的・精神的自由を手に入れるための5つの考え方」を配信中です。公式LINEアカウントに友達登録をしていただき、あなた自身が「経済的・精神的に自由になるための新しい考え方」を手に入れてください。

☆公式ラインアカウント追加画像



セミリタイアを目指すための資産運用の始め方シリーズ

その1 資産運用の基本のピラミッドとは?




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?