見出し画像

映画の感想 「デューン第2部」もはや見たこともない景色は

「第1部」の感想。あれだけトイレを我慢して「第2部」に続く、とは何事かあ!!でした。怒りより早くトイレに行きたい、そして用を済ませると怒る気持ちもいっしょに流れてしまいました。砂漠から生還するマスターキートンの第1話を思いだし、ポールはマスターなのだろうか、と。
さて「第2部」。
なにより100分膀胱の身には負担大きい映画でした。
映画としてのイメージはどうしても「アラビアのロレンス」や「風の谷のナウシカ」を想い出させます。久しぶりにカリスマが民衆をしたがえるシーンを見たような気がします。どちらもニュースの戦火につながって、あまり悪い夢を長く見続けたくないと、思いました。
そういえばロレンスは碧眼が強調されていました。リンチがやり過ぎたせいか、今回は穏やかに。
砂の映像はコントロールしすぎのように見えました。大きなスクリーン(今回は15m×6m)には、もっと思わぬものが映っていてもよいのではないかしら。
もはや地上には誰も見たことがない景色というものは、ほぼなくなって、それを見せるためには探すのでなく、造り込むように。むしろ単調になり、ハッとさせられることはありません。「アラビアのロレンス」で紅海に出たところ、砂漠が砂浜にかわるシーンを見た時、外国にはこんな場所があるのだ、と驚いたものです。

下世話なわたしの想像は、金持ちの女に乗りかえて砂漠にハネムーンに行く色男の「ナイル殺人事件」にも、届きます。
それをいえば、メランジという航宙に必要なスパイスなのか薬の採集地の権益もからんでいます。もしヨーロッパのオペラ劇場の新演出ならコロンビアの麻薬カルテルの争いに置き換えられそう。
とはいえ、これは大河SFの冒頭なのです。通俗的なスペースオペラではない、ということでしょう。
2020年から続いた疫禍のとき、わたしは「11人いる」(萩尾望都作)を思いだしました。疫禍後の世界は終わりの見えない戦火。映画館でくらいは完結してほしい、と願いました。「11人いる」の続編「東の地平西の永遠」くらいにしてほしい。

この記事が参加している募集

映画が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?