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帰国子女の是非

自己紹介

わたしはいわゆる帰国子女である。帰国子女の定義は様々だが、ここでは多くの高校や大学の出願資格である「日本国外の学校に引き続き24か月以上過ごした生徒」と定義する。

わたしは、高校卒業まで合計8年間を外国で生活した。2010年代に大学を卒業し、社会人になる。これまでの海外の学生生活、大学入試(帰国子女枠)、就職活動、私生活などを思い返し、「帰国子女である是非」について記す。

主に海外赴任に子どもを帯同させるか悩んでいる保護者の方、海外の学校がどのような学校か知らない小中学生に読んでいただきたい。転勤に伴う家族の海外帯同や、海外の学校への転校について周囲に相談できる人がいない方は、是非参考にしていただきたい。一方、かなり主観的な考えで書き下ろしているため、その点は予めご了承いただきたい。

先ず、私の経歴をざっくりと紹介する。

経歴

【幼稚園】
アフリカの某国に2年間在住し、インターナショナルスクールの幼稚部に通園。この頃の記憶はほぼ無い。
【小学校】
日本の公立校に6年間通学。
【中学校】
約3年間をアジアの某国で過ごす。日本人学校に通学。
【高校】
約3年間、アジアの別の国に滞在。インターナショナルスクールに編入し、卒業。
【大学】
6月に高校を卒業後、日本に帰国し、国立大学へ入学。
(東京外語大・横浜国立大学・千葉大学・筑波大学・神戸大学のいずれか)【社会人】
大学卒業後、就職活動を経て、東証一部上場の日系企業に就職。

帰国子女の現状

文部科学省によると、2018年時点での日本人の帰国子女は以下の通りである。
小学生(小1~6):約60,000人
中学生(中1~3):約22,000人
高校生(高1~3):約8,000人(推定)
参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf

これを日本で通学する各学校の生徒数と比較すると、以下の通りである。( )は帰国子女の人数割合。
小学生:約645万人 (0.9%)
中学生:約335万人 (0.6%)
高校生:約200万人 (0.04%)

新型コロナウイルスの流行により、帰国子女の数は更に減った。如何に帰国子女の人数割合が少ないか、お判りいただけるだろう。

帰国子女になり、帰国子女として周囲に見られることはメリット・デメリットの双方あるが、まずはメリットについて紹介する。繰り返しになるが、あくまでもわたしの主観になるので、イチ意見として参考にしていただきたい。

帰国子女になるメリット

その① 高校・大学の帰国子女枠入試

わたしの友人は主に高校受験組と大学受験組に分かれる。高校受験組は、中学校卒業のタイミングで帰国子女枠入試を活用し、日本の高校を受験した。わたし自身を含む大学受験組は、インターナショナルスクールまたは現地校を卒業し、同様に帰国子女枠入試を活用し、日本の大学を受験した。

高校受験組、大学受験組に関わらず双方に共通することは、帰国子女枠入試の効率の良さである。特に大学受験では、センター試験が免除され、中でも国公立大学への入学は試験科目が少なく、狙い目である。

大学受験についての詳細はまた改めて書くことにする。

その② マイノリティになる素晴らしさ

先ず外国では、否が応でも日本人はマイノリティである。マイノリティになることで、自身が「日本人」であることを自覚することになるであろう。国籍に限らず、宗教や文化など、自分との違いを認識し、それらについて考えるきっかけになる。深く考えずとも、「自分は違う」若しくは「彼らは違う」と「この世には自分と価値観が異なる人がいる」という事を無意識に認識するかもしれない。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」「出る杭は打たれる」といった言葉に表わされるように、日本ではマイノリティに対する排他的な“空気”を感じる。海外で生活することで、半ば強制的に自分がマイノリティになり、その経験は学生時代に外国で生活したからこそ得られる経験であったと思う。

国籍や異文化経験の考えについては、別の機会に紹介しようと思う。

まとめ

帰国子女になることは、到底一度では纏めきれないほど、多くのメリットやデメリットがある。受験の経験を中心に、生活面での苦労など、可能な限り紹介しようと思う。また、わたし自身だけでなく、兄妹の進学に際しての判断も紹介していこうと思う。


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