見出し画像

「コロナの収束は日本人の努力の賜物」というのは勘違いだった!!~日本経済活性化のカギはここだ!~

DIAMOND onlineにてノンフィクションライターの窪田順生さんが書かれている記事に、目からウロコでした。
これは是非沢山の方に知って頂くべき事柄であると考えます

「コロナ収束は日本人のマジメさや清潔さのお陰」という勘違いの恐ろしさ

一番は窪田さんの記事をご覧頂くことが一番。データと統計を元に事実と「思い込み」を的確に指摘しています。
私はこのデータと統計から理解できる事実を全く知りませんでした
そのため、私みたいに知らない人も多いのではないかと思い、窪田氏が記事にて提示しているデータを要約してまとめてみました。

新型コロナの重症患者が欧米と比べてかなり少ないのは、日本だけではなく東アジア共通現象である

人口100万人当たりの死者数をまとめている統計サイト「ワイルドメーター」5/19時点の報告
ベルギー 784人
スペイン 593人

日本 6人
韓国 5人
中国 3人
インド 2人

このデータからわかることは
・何故か新型コロナは東アジア共通で重症化傾向が少なかった
・むしろ東アジアの中では日本は一番死亡者を出した比率が高かった


東アジアで何故重症化傾向が少なかったかは新型コロナがまだ解明されていない為不明で、今後の原因解明がまた重症化抑止のための新しい研究に繋がると考えます
そして、大切なのは、勿論国民の皆さんも頑張ったけれど、コロナを予想以上に短期間で抑えられたのは日本だけでなく東アジア全域でそうだったことです。

以下私の私見です。
むしろ東アジアの中では一番政治的な対策対応も出足が遅れまくり、一番の劣等生的成績を残しています
仮に東アジア全体に何らかの新型コロナが重症化しにくい何らかの要因があるのだとすれば、この同じ東アジアである、韓国、発生源の中国、インドよりも死亡率が高かったのは、政治的対応がとにかく全てにおいて遅すぎたということではないかと私は考えます
他国でどんどん対応を打ち出している中、ずっとモジモジしていた日本政府の対応は、国民の皆さんもご覧になっていたことと思います
欧州ではコロナによって得られなかった賃金が全額保障・半額保障される国もある中で、日本はだいぶ遅ればせながら1人あたり10万支給という形でお茶を濁していることからもお分かりかと思います

みんなが陥っている(私も陥っていた)勘違い
コロナ収束ができたのは、ルールを守る日本人の真面目さのお陰
→この考え方こそが「自粛警察」を増やすものである

・皆が頑張ったからコロナを収束できた、と考えていると、いざ事態が悪化した時に「国民の頑張りが足りない」などというただの根性論・感情論が先行して、適切な対策や対応が取れない可能性がある

この「皆で頑張ったね!」という考え自体は悪いことではないし、私も全体的に自己肯定感が低い日本国民を褒めるべききっかけではあったのではないかとは思います。
他国が罰則や罰金を設けて自粛を命令し、それでも国民の命を守るための政治的判断をデモを起こすことで大騒ぎしている所を考えれば、法的拘束力のない非常事態宣言と、罰則も罰金もない中であれだけの自粛ができたこと、大きな混乱もなかったことは素晴らしいと思います

しかしこの考え方が行き過ぎると、「自粛警察」「他県ナンバー狩り」今後渡航禁止が解除された場合には「外国人観光客狩り」などが発生するリスクがあり、実際それによって自覚のないまま、営業をしている店舗等に、いやがらせ落書き等をして軽犯罪を犯している、正義感をはき違えた「自粛警察」という名の犯罪者が増えてしまいます
自分がその店舗経営者であったら、と一歩引いて「想像」してほしいのです。
コロナのクラスターになってその店舗からコロナ感染者が発生すれば、風評被害で一発でそのお店は倒産するしかありません
それでもそのリスクを負ってでも開店営業していたのは何故か?
それは「開店していないだけでも多額の家賃、人件費、光熱費等々がかかり、いつ倒産してもおかしくないからこその苦肉の策」であるお店がほとんどなんじゃないでしょうか
実際、キャッシュ(現金)があり経営的余裕があるスターバックス等は全店舗で営業停止していました。お金があれば誰だってその店舗から患者が出てしまうことを避けたいに決まっています。なんだかんだ言って企業イメージはどこの企業だって大切です。
でもどこの企業もお金がある訳ではない
だから自粛中にも営業していた店舗、時間短縮しても営業していた店舗というのは、大抵がそういう事情で「営業せざるを得なかった」のではないかと「容易に想像」ができます

なのにも関わらず、いたずら書きや、誹謗中傷(ネット・リアル・電話問わず)、脅迫的言動は全て軽犯罪法によって犯罪者として警察は捕まえることができます
コロナはわからないことだらけで不安なのは皆同じです
その中で、人が人を不用意に傷つけることはできるだけ避けたいと思うのは私だけでしょうか
私はコロナの中でも、ビニールシートをレジに垂らしたりとあらゆるコロナ対策をしながら営業していた店舗にあった、手書きの「We are Family!!一緒に乗り越えよう!」というポスターが忘れられません
「どうしてこのお店は営業しているのだろう?」と想像力を少し働かせることで、自らが思わぬ所で犯罪者になり前科がつかないよう、気を付けて頂きたいと思います

そして上記の窪田氏の記事では、話が少し変わりますが、「何故日本がここまで経済大国になったのか」ということについても、日本人の勘違いを指摘されています

何故日本がここまで経済大国になったのか?
みんなの考え(私もそう考えていました)
・日本の高い技術力
・日本人は勤勉だから
→学校教育やマスコミ報道によってこの勘違いが定着している
この考えは、非科学的で根拠がない

現実的な理由付け
元ゴールドマンサックスのアナリスト、デービット・アトキンソン氏の有名な分析より
・一国のGDPに最も大きな影響を与えているのは「人口」であり、戦後日本では二度のベビーブームで爆発的に人口が増え、先進国の中ではアメリカに次ぐ人口大国になった。
基本的な国民の教育レベル、産業の成熟度などにおいて大きな開きのない先進国のGDPは、人口の大きさときれいに比例している。だから、ドイツの人口を上回って世界で2番目に人口の多い先進国になった日本は、世界第二位の経済大国となったのである
・現在、日本が中国にGDPを抜かれ、世界第三位に転落し経済が低迷している最大の理由は人口が減少しているから

以下、窪田さんの記事を読んだ上での私の考え。
現在の日本の経済低迷は、そもそも経済成長を遂げた理由を抽象的な精神論で説明してきたので、また今回も精神論や根性論でなんとかしようとしているからこそ、抜本的な対策もなく、ズルズルと日本の大事な技術を持った企業が海外に買収されていくというハメに陥っているようだ
経済は精神論ではない。理性的で現実的な分析が大事である

「日本経済に元気がないのは、今の若者にガッツがないからだ」
「昔の日本人は不眠不休で働いたのに、今はパワハラだ、ブラック企業だと騒ぎすぎる」

こんな根性論ではいつまでたっても人権否定し、どんどん若者のやる気をなくさせ、ブラック企業をのさばらせて人権侵害・労災を増やすだけで、結果的には日本経済の成長は望めない

以下、また窪田氏の記事を抜粋

日本の生産性はG7の中でも際立って低い。
財政状況が悪いギリシャや韓国と同じレベルである
背景にあるのは、これまた先進国の中でダントツに低い「賃金」である
こういう現実から目を背け、根性論と感情論に支配され、現実逃避しているのが「今の日本」である

その現実逃避ゆえに生まれている弊害
・中小企業が99.7%を占める産業構造は昭和から何も変わらない自覚がない=中小企業支援が大事だということ
・世界一の技術力だと言いながら、日本のモノづくり企業は世界の時価総額ランキング(企業の価値を測るランキング)から次々と脱落して、50位圏内にはトヨタ自動車がかろうじて残っている程度
・中小企業にも元気がないので、GAFA(Google、Apple、FaceBook、Amazon)のような世界市場で競争できる新しい企業も生まれてこない

成功した理由を勘違いすることで、これほど恐ろしい事態を招いている

確かに今の日本は、高度経済成長後に生まれた元気のある企業が確かに少ないように感じます。
高度経済成長後に生まれた東証1部上場企業は、大抵IT関係であったり、飛躍目覚ましかったスマホアプリ系のゲーム企業だったり…。
そのどれもの企業が、アメリカで新たに生まれて現在の経済をけん引しているGAFA(Google、Apple、FaceBook、Amazon)には勢いも、規模も、何もかもが敵いません
(ちなみに世界的ブームを生んでいるYoutubeを運営しているのはGoogleです)

ひとりの人間としてであっても、何かトラブルがあった時には現実を見つめ、感情を整理し、具体的かつ現実的な改善策を考えて、行動することが大切だと考えています
それを、企業という生活を守るためにより利益を沢山あげるために働くべき場所においても実行されていなかったとすれば、今の日本の経済の衰退はむしろ予見できていた事態ですらあったのかもしれません

この窪田氏の記事によって、私はあらゆる点で勘違いをし、一歩間違えたら誰かを自粛警察にしてしまいかねないような発想を持っていたのかと思うと自分の無知さを反省しきりです
でも無知だったということを知れたからこそ、こうやってまた一歩だけ前進できたものも、確かにあるのではないかと思うと、窪田氏の記事に出会えたこと、そして窪田氏の記事に感謝しかありません
この窪田氏の記事がより多くの国民に読まれること切に願っています

もし心に響いたならば……投げ銭のひとつやふたつやみっつやよっつ!!よろしくお願い致す!(笑)